・胡瓜Cucumber きゅうり
インドのヒマラヤ原産、瓜科に属する。紀元前より栽培していたという。日本への伝来は、6~10世紀と定まらないが栽培は、江戸時代に入ってからといわれる。
中国より西域(胡:えびす、異民族)からシルクロードを経てもたらしたとし胡瓜といわれ、また完熟すると黄色になることから「黄瓜」としている。キュウリのことを「かっぱ」とすし屋でよくいうが川の暴れものであった河童(かっぱ)を静めるため好物である胡瓜を江戸時代頃から供えたことが始まりという。
品種は、数百種あり主に、節成種(ふしなりしゅ:立ち作り)、地這種(じばいしゅ)に分けられ若取りし品質を高めている。
露地ものは、4月ごろ定植され6~9月に収穫し旬とするがハウス栽培で年間を通し流通する。ピクルスには、ヨーロッパ、ロシア系の小型のものが使われ江戸時代に山形県酒田市に伝わり最上(もがみ)胡瓜とし知られる。サラダ、漬物(塩漬け・糠漬け・醤油漬け・ピクルス)、酢のもの、炒め物にしている。
糠漬けによりビタミンB1、B2、カリウム(K)を胡瓜が吸収し高くなるが食塩の摂取量には注意を要す。水分(95%)が多くみずみずしさ、食感がよく手軽で消費が伸びており夏野菜とし欠かせない。
香気成分は、キュウリアルコールという。皮の部分にアスコルビン酸オキシダーゼ(ビタミンC分解酵素)が含むが酢を加えると損失を防げる。濃緑色、高温乾燥状態にされたもの、窒素過多のものに苦味が多くみられるが最近は、淡白色のものが多く苦味のあるものは少ない。苦味の成分は、ククルビタシンCucurbitacin(配糖体)の一種エラテリンElaterin(下剤とし利用、抗酸化、抗がん作用)であり水に不溶、熱に安定しており強く加熱しても抜けない。
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