2016/11/15
・楽日に見に行く。
・新居に引っ越してきた夫婦が大喧嘩する話。
・札幌の土地柄とニール・サイモンの作風は相性がいいような気がする。
・特にこの作品では、寒い時期に裸足で散歩することの意味を実感とともに想像できる、いい観客だったんだと思う。
・実際に舞台で見られるのはほんとにうれしい。
・古典と言うほど昔の作品ではないはず…と思っていたら、1963年の作品だった。半世紀以上前。
・コメディの軽さは残しつつ、人生の危機を端的に描く手際のよさ。
・夫婦喧嘩の話だけど、家族でも親友でも、ごく近い人間関係の危機に直面したことのある人なら誰でも共感できると思う。
・個性的で自由な妻と、理性的で真面目な夫(ニール・サイモン、この対比のパターン多い)。
・妻の自由人ぶりが突き抜けているので、どうしても夫のほうに感情移入して見てしまう。
・夫に肩入れして見るほど、クライマックスのカウンターパンチが威力を増す構成。
・「正しい。だからこそ、つまらない」というのは、「古典」らしい、彼のアイデンティティを揺るがす劇的なシーンだった。
・ただ、今回はそれでも夫のほうに肩入れしてしまうバランスだったような気がする。
・一見、「正しい」真面目な夫に、一撃を食らわす妻は自由人であればあるほどいいんだけど、クライマックスではお客さんの共感を鷲掴みにしなくてはいけない。
・そういうチキンレースみたいな配分が求められる役なので、難しいバランスだったんだと思う。
・西洋人を日本人の役者さんが演じることには、ほとんど違和感はなかった。
・一昔前より、世の中的に、西洋人と日本人の名前と見た目が一致しなくなってきていることも影響あるのかもしれない。
・役者さんは、お母さん役の小林なるみさんと変わった隣人役の齊藤雅彰さんがさすがという感じ。演技の引き出しをたくさん持っている。
・次は『おかしな二人』をお願いしたい。
※原題の「bare foot」という言葉からノータイムで烈海王を連想してしまったことは反省したい。