遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

鈴木大介『脳が壊れた』

2016-11-27 12:31:16 | 読書感想文

 

脳が壊れた (新潮新書)
クリエーター情報なし
新潮社

2016/11/27

脳梗塞後、高次脳機能障害が残ってしまったルポライターによる闘病記。

著者の鈴木大介は『最貧困女子』など、社会的弱者の取材で知られるが、自身は無理も無茶も効くゴリゴリのフリーライター。

しかし、突然、普段取材対象としている「社会的弱者」になってしまう。

自分の不自由な言動が、過去に取材した社会的弱者の言動と重ねては「あのときの彼はこういう気持ちだったのか」と感じる。

著者はそれを「僥倖」と書く。

「四十一歳の若さで脳梗塞をやり、この当事者感覚を得つつ、感じ、考え、書く能力を喪失せずに済むという経験は、望んで得られるものではない」。

絶望的な環境を知恵とユーモアで乗り切る、映画『オデッセイ』の雰囲気もあった。日本人でもできるんだ。

本作はそのまま映画か演劇の原作にしたらいいと思う。というか、書いてみたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする