“映画みたい”に盗みだす衝撃の実話『アメリカン・アニマルズ』予告編
2019/6/2
・この建物のスガイディノス札幌で見る最後の映画。
・大学生四人組が、大学図書館に所蔵されている、極めて高価なヴィンテージ本を盗もうとする話。
・北大の総合博物館の展示なんかでも、いかにも高価そうなものが無造作に置かれていて、「意外と簡単に盗めるんじゃないか」と思ったりする。
・本作の彼らは、本当にそういうものを盗もうとするとどんだけ大変なのかを身を持って教えてくれる。
・ドキュメンタリー映画のように、というかドキュメンタリーとして、微に入り細に入り、地味で地道な準備を続ける映像が続く。
・あわせて登場人物の人となりや家族の紹介。ドキュメンタリーなんだから当たり前なんだけど、劇映画とは比べ物にならない実在感。
・その結果、いざ決行となったときの緊張感が尋常じゃない。
・たまに、犯罪を犯してしまって「ああ、開放感がないでもないけど、もう人生取り返しが付かない!」という夢を見ることがあるけど、その臨場感に近い。
・一回、「ああ、夢かー。よかったー」と思えるところまで夢っぽい。
・いざ実行してわかる、彼らが犯罪を犯すには決定的に技術も度胸も足りていないところ。
・普通の犯罪映画ならノリで済みそうなところが、まったく通用しない。あんなにがんばったのに。
・とても凝った老人メイクで変装しているのに、致命的に姿勢や動きが若い感じや、顔の側面部分までメイクが行き届いていないところもハラハラしかしない。
・ほんとはやる前に気付きたかった、司書「無効化」の難しさ。そして、いかにも手荒く扱いにくい司書さんの見た目。罪悪感がすごい。
・主人公のスペンサーは、芸術家志望で、自分が何者でもないことに耐え切れず、行動を起こす。
・ピンクフラミンゴが図録の中で首を折り曲げて窮屈そうにしているのも、たぶん比喩。
・やめる機会はいくらでもあったのに、止まれない若者たちの行動に目を覆いたくなる。
・どんな経験でも貴重だという話ならどこにでもあるけど、本作の場合はちょっとした山月記だった。
※本作とは関係ないけど、ディノスの画像はっておきます。
建物外観。もう新作来ない。
そりゃ札幌はまなす会の歌にもなるよね。
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