遠藤雷太のうろうろブログ

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アガリスクエンターテイメント『わが家の最終的解決』

2018-12-03 00:39:01 | 観劇三昧

観劇三昧:アガリスクエンターテイメント『わが家の最終的解決』

2018/12/1

・第二次世界大戦中のオランダで、ゲシュタポのハンスがユダヤ人の恋人エヴァをかくまっているうちに、事態がどんどん悪化していく話。

・モデルは言うまでもなく『アンネの日記』。

・題材はドイツ軍によるユダヤ人虐殺。

・ただし、基本的に嘘と勘違いのシチュエーションコメディとして描かれている。

・このジャンルだと本当はもっと軽い題材のほうがフィットするんだろうけど、あえて重い題材にベタな手法を合わせているんだと思う。

・こういう実験ができるのも腕があってこそ。

・使われている手法は定番でも組み方はかなり複雑。

・家主のハンスを中心に、彼の恋人、彼の同僚たち、彼の上司、上司の娘、彼の姉夫婦、彼女の両親、彼女の幼馴染、隣人夫婦。

・それだけでも十分話は作れるところ、ナチス要素を重ねてさらに複雑かしている。

・ホロコーストみたいなシビアな題材を、あえて軽いコメディで描くことの意味。

・笑っていいものか迷う。笑ったけど。

・これだけ登場人物がいて、全員に見せ場がある。

・頼りになる使用人を演じたのは矢吹ジャンプさん。

・シチュエーションコメディに特化した若干様式的な動作や表情、短い一言で、話の流れを止めずにツッコミを入れるところ。うまい。チョロい。

・物語上の役柄だけでなく、作品の質的にも相当頼りになる。安心感。

・積極的に助けたいと思わない人でも助けるべきか、という話でもある。

・彼女を命がけで守ることはできても、彼女の周りの人は別。身勝手な彼女の家族、ハンスに敵意むきだしの彼女の幼馴別。

・自分の立場を理解してないにもほどがあるけど、程度の問題で、似たような究極の選択を迫られるケースは実際にもあったんだろうと思う。

・話が聞こえる場所と聞こえない場所、話の都合に合わせて登場人物が出入りする加減はほんとにむずかしい。

・本棚の装置が絶妙。

・クライマックスの脅しシーンは、思い出し笑い用に覚えておきたい。

・お父さんの豹変ぶりがかわいい。

■上演時期:2016/05/14

■上演時間:02:06:28

■配役(動画参照)

ハンス:甲田守*

エヴァ:熊谷有芳*

アルフレッド:矢吹ジャンプ(ファルスシアター)

オットー:藤田慶輔(EFFECT)

レア:前田綾香(演劇ユニット トツゲキ倶楽部)

ヨーゼフ:津和野諒*

ルドルフ:塩原俊之*

カール:斉藤コータ(コメディユニット磯川家)

リーゼ:榎並夕起

ゲルトナー:山岡三四郎(ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン)

マルガレーテ:鹿島ゆきこ*

フリッツ:伊藤圭太

ヘルマン:山田健太郎

サンドラ:沈ゆうこ*

レジスタンス:淺越岳人*

*アガリスクエンターテイメント劇団員

■スタッフ

脚本・演出:冨坂友

音楽:三濱徹也

舞台監督:鈴木沙織

舞台美術:齊藤樹一郎

照明:榊原大輔

音響:安藤達朗

宣伝美術:ありのみいさご

制作:しむじゃっく

制作助手:佐伯凛果(アガリスクエンターテイメント)

主催:しむじゃっく

協力:カルテットオンライン/EFFECT/トツゲキ倶楽部/ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン/ファルスシアター/コメディユニット磯川家/ヤマオカ・アンド・カンパニー/俳協

 

■あらすじ

1943年、オランダ・アムステルダム。

ドイツから来た男女が幸せそうに暮らしている。

誰もが羨む若い二人。

しかし、彼は周りに隠していた。恋人がユダヤ人であることを。

そして、彼は恋人に隠していた。自分がゲシュタポであることを。

 

制作ユニット・しむじゃっくがプロデュースするアガリスクエンターテイメント次回公演は、ゲシュタポ(ナチス秘密警察)とユダヤ人が同居する家を舞台にした、異色の新作シチュエーションコメディ!

コメディの切り口で新たな面からホロコーストを描き、ホロコーストを背景にしてシチュエーションコメディを深化/進化させる、ブラックで暖かく、残酷で笑えるホームコメディ!

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