2019/6/14
・同じホテルの一室で、全く時期も状況も違う二組の夫婦が、それぞれ人生の悲哀を味わう話。
・こういう野菜を大きめに切ってゴロンとさせたまま煮込むような構成は好き。
・最初の夫婦は、奔放な性格の妻と仕事人間の夫が、大切な記念日だというのに気持ちが擦れ違っていく話。
・夫婦役には小出あつきさんと松橋勝巳さん。
・奔放と堅物の対比は、ニール・サイモンの話ではよく出てくるし、自分も好んで書いたりしている。
・ベタと言ってもいい組み合せだけど、繰り返し使われるだけの強さがある。
・序盤は展開的にそこまで派手な出来事は起こらず、ジリジリと二人の関係性を印象付けていく。
・自分の感情に薄皮一枚のユーモアをかぶせて、ペースを奪い合う。
・カレンもサムも大変だけど、聞くほうは楽しい。自分たちで「だめな夫婦」って言ってたけど、観客目線だと完璧な夫婦だった。
・結婚何年目だとか、仕事が大変とか、色っぽいことするしないとか、心底どうでもいい話題なのに、細かく差し込まれるジョークとテンポで、心をゆだねて楽しむ。
・たぶん目立たないように演技のいろんなテクニック使ってるんだと思うけど、よくわからず。
・こういう雰囲気は、欧米特有とか日本人っぽくないとかあんまり思いたくないので、翻訳ではない日本語でこういう会話が書けたら楽しんだろうなと思う。
・二組目。結婚式当日、花嫁の娘を説得してどうにかトイレから出そうとする両親の話。
・屋木志都子さんと山野久治さんの組み合せ。
・親という存在の悲哀が詰まっている。
・父親がガメつくて最初は嫌な奴だと感じるけど、見ていると、子育てというこの世の理不尽を煮詰めたような体験を通して、多少人間性が歪んでしまうのは仕方ないのかなと思えるようになった。お金は大事。
・あんなに声を枯らして必死にやっていたのに、あんな婿のあんな一言にすら及ばない。理不尽すぎる。
・どーんとぶつかってもビクともしない安心の舞台装置と、パンフ内の貨幣価値の注釈が嬉しい。
・50年前の外国の作品なんだから、必ずしもニール・サイモンだから面白いってわけではないけど、しっかり練られていてうっとりして見た。
・ハリウッドの客のほうも見たい。
※6/13 19:30
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