二十一世紀最初の戯曲集 | |
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新潮社 |
2011/7/31
狂気は、ずっと一人で「会話」していることの具体的な理由になるし、前も書いたけど、それなりに劇的な効果もあるから、作劇的にはとても使い勝手がいい。
そういう予備知識があると、後半の展開そのものには別に驚かない(それを見越して序盤に女中がばらしているんだと思う)。
語り部であり、福島なまりの女中が徐々に智恵子と同化しながら狂気をあらわにしていくやり方(「新しい女」であるはずの智恵子がだんだん福島なまりになっていく)は色々応用が効きそう。
一人芝居とは言え、登場人物はたくさん出てくる。書き出してみる。
「高村智恵子」「女中」「今川焼き屋のオバちゃん」、人間でいうとこの三人。そのほかに「ラジオの声」というのもある。だれが喋ってるのかよくわからない「智恵子抄の一節」というのもたびたび出てくる。
色んな登場人物が出てくるのは変化をつけるにはいいけど、諸刃の剣でもある。
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