遠藤雷太のうろうろブログ

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ノート・矢代静一「弥々」(戯曲)03

2011-08-12 22:31:50 | 一人芝居
良寛異聞 (河出文庫)
矢代 静一
河出書房新社



2011/8/12

役者を演じる役者を観客が見ることになるので、劇中劇は「なぜ人は演技をするのか」ということにより客観的に向き合うことになる。
そういう意味で演劇的な仕掛けだと思う。
弥々の娘は演じることで、母の人生を再生して見せる。
ところで、彼女のたった一人の観客である「良寛」は舞台に出てこない。
そこで本当に彼は死んだのかという疑問が浮かぶ。
途中で清吉が死んだといっているし、最初に弥々の娘は、天を仰いでいるから、素直に考えれば死んでいる。
死んだ良寛に、彼女は答え合せを迫る。
当然、良寛からのリアクションはないないから、やっぱり弥々の娘は「良寛に見せるふりをして観客にむかって語りかけている」のかもしれない。
それよりも、良寛が女に会いたくないから清吉に死んだと嘘を言わせているという解釈をしたらダメなのかしらね。

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