2020/7/4
木村一基九段が46歳で初タイトルを獲得するまでの半生を、本人や周囲のインタビューで振り返る本。
帯には「最年長・最遅・最多挑戦」とある。まさに百折不撓。
最初に観たときは単に解説の面白いおじさんという印象だった。
あだ名も「将棋の強いおじさん」。
そりゃプロなんだから当然と思いつつ、ちょっと調べてみると、プロの中でも相当強いほうのおじさんだとわかる。
飄々とした語り口の解説と、その内側にある勝負師としての熱量。
今回の王位戦まで、タイトル戦を六回も経験している一方で、すべて負けている。
三連勝の後の四連敗など、負け方も結構ひどい。
体の衰えと若手の台頭を感じつつ、それでもトップ戦線に戻ることができた要因のひとつが、将棋ソフトの研究。意外。
悲哀とユーモア、そして情熱の人だった。
藤井聡太七段が挑戦者となった今年の王位戦、どうにか踏ん張ってほしい。
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