縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

その後の杜子春

2008-02-19 | Weblog
きつねじじいは食品の安心安全にいつも心がけていた。長生きしたかった。そこで米も麦も野菜も果樹も
自分で作ることにした。肉は山でうさぎや鹿を取って食った。だが自給自足はとにかく疲れる。毎日が農作業に
費やされへとへとで次第に食欲が無くなった。どんどんやせ細る自分の体を心配しながらとにかくカスミだけでもと
口に中に入れていた。
きつねじじいは仙人になった。仙人はカスミを食べるのではなく、かすみを食べたから仙人になるのだ。
何百年後、山の頂できつねじじいはいつもと違い昔食べたタヌキ汁の味を思い出して思わず涎を垂らしてしまった。
涎はきつねじじいの足下に落ちて土の中に吸い込まれていった。するとその場所からいきなり中年の男が
現れた。杜子春だった。杜子春は仙人になる夢が破れた後地上で餃子屋のおやじをしていた。
「仙人様ここであったが百年目、どうかわたくし目に今一度お力をお授け下さい。すでに母もこの世には
おりませぬ、どんなつらい修行にも耐えて見せましょうぞ」
杜子春?はてどこぞで会ったことがあったかいな、まあいいわい、きつねじじいは杜子春に
「六本木アマンド前の地面を掘り返すとよかろう」と一言与えた。
アマンド前を掘り起こした杜子春は逮捕された。だが杜子春の餃子はおいしかったのでこの事件で有名になり
チェーン店になって大金持ちになった。時々きつねじじいも食べているそうだ。
だが杜子春は仙人になることをあきらめていなかった。続く。