英検準1級&東大・京大・早慶の英語(英単語)は英英方式で突破できる!

英英思考を制するものは英語を制す。英英辞典とネイティブ向け読み物への早期移行が異次元の高速学習を可能にした。

TIME,NEWSWEEK読解の研究(4)解説編

2009年12月15日 | リーディング
Mohamed Nasheed
というTIMEの記事の第一段落の誤読、

But by the end of this century, according to various scientific projections, the low-lying Maldives may slip below the waters entirely.(×しかし今世紀の終わりまでに、さまざまな科学的計画によれば、海抜の低いモルジブは完全に水没してしまうかもしれない)

は、さまざまな「科学的計画」ではなく「科学的予測」とすれば正しい読みになります。たしかにprojectionには「計画」という意味もあります。しかし科学的計画によりモルジブを水没させようとしているはずはなく、「予測」と解さなければわけがわかりません。辞書にも「予測」という意味が掲載されています。

 第二段落の誤読、
 Since coming to power last year in an election that ended a three-decade-long dictatorship, Nasheed, 42, has championed the fight against climate change.(×昨年、三十年にわたる独裁を終わらせた選挙で権力の座について以来、Nasheed、42歳は気候変動との闘いで勝利してきた)

 は、「気候変動との闘いで勝利してきた」ではなく、「闘いを擁護してきた」となります。championには英語でも日本語でも名詞で「優勝者」という意味があります。
 しかし英語の動詞としての意味と用例は以下のようになります。(COBUILD英英辞典より)

 If you champion a person, a cause, or a principle, you support or defend them.
He passionately championed the poor...
The amendments had been championed by pro-democracy activists.

 実際問題としても「気候変動との闘いで勝利してきた」わけではない以上、これではおかしいと気づかなければならないわけです。

Obama’s Big Gamble
という対話重視のオバマ外交を支持するNEWSWEEKの記事の最後から二つめの段落の誤読、

Obama's outreach to the world is an experiment, and not just to see if the world will respond.He wants to demonstrate at home that engagement does not make America weak.(×彼は自国でも約束事がアメリカを弱くはしないと示したがっている)

は、「約束事」ではなく「関与」となります。たしかにengagementには「約束」という意味があります。しかしここでは記事の内容からもWorking with the world, not against it.という記事の副題からも「関与」と解さなければつじつまが合いません。辞書にも「関与」という意味が掲載されています。
 今回も多義語がらみの誤読解説になりました。英語と日本語は別な言語である以上、語義が必ずしも一対一で対応するわけではなくさまざまな多義語が存在するのは当然のことです。そのため、早い時期から多義語に対する柔軟性を養う必要性があります。
 しかし難しい英文を読ませて六割前後の得点で合格させる受験英語では、英単語の最頻出の意味だけを覚えて合格ライン到達を目指す一語一義主義と呼ばれる学習方法が昔からはびこりいまも消えてはいません。これは非常に困ったことで、いったん一語一義主義に染まってしまうと頭が石のように固くなり多義語に対する想像力が著しく弱まってしまうケースが少なくないです。
 ネイティブがネイティブのために書いた「天然英語」においては、変幻自在といってもいいくらいに多義語が使われています。英和辞典に掲載されていない多義語も英英辞典には掲載されていることが多いです。「英英辞典とネイティブ向け読み物への早期移行が異次元の高速学習を可能にした」と私が実感し主張するゆえんです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« TIME,NEWSWEEK読解の研究(4)... | トップ | 本日の五文型クイズ(4) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

リーディング」カテゴリの最新記事