バーニーズ物語☆エリン舎

バーニーズブリーダーとして、今年の8月で27年。
健康でバランスのとれたバーニーズを世の中に

10月11日(火)

2005年10月11日 23時18分54秒 | 日々のわんこ
時々
OBは、麻布大学の若尾教授に診てもらった。〝白い巨塔〟の影響を受けて、〝教授〟は、威張り、権力争いをしていると思い込み、診察室で、直立不動の姿勢をとり、OBと待った。背の高い、白い顔の若尾教授が、白衣を着た大勢の学生さんを引き連れて入ってきた。学生がいることの断りを私たちにすると満面の笑みを浮かべ、OBに向かって「ほらほらーこっち向いてー目を合わせようー」と言った。OBはその優しい声に反応して大きく尻尾を振った。OBは誰にでも愛想がいい。何をされても怒ったことがない。でも大きく尻尾を振る人とそうでない人がいる。ドックショーでハンドラーの先生には、やる気の無さを主張して、ショー途中で戻ってきた。苦手な人には、やる気の無さを主張する。
教授は、聴診器をあてただけで「うーん。確かにP波がない。どうしてだろう。なぁOB-」とおっしゃった。
曖昧に「どうしてこうなったのですか?」と聞かれると素人の自分は、答えに戸惑うことが多いが、若尾教授が聞く経過は、〝Yes〟か〝No〟で答えることができるように質問してくれ、緊張せず、ない頭を絞らず、安心して答えることができた。「今から詳しく検査をします。さぁOB-、検査に行こう」と言われた。
OBを教授に任せ、待合室で待つ。50人は座れるだろう待合室の椅子がいっぱいになっていた。動物を飼っているという共通感からか、多くの方が、気軽に話しかけてくれる。四国や東北から診察を受けに来ている人もいる。何軒も病院を回ってきている人もいる。聞いたことのない病名の子もいる。それでも何年も前から知り合いのようにあちらこちらでおしゃべりの輪ができ、病院と言うよりオフ会のような賑わいだった。
1時間経って診察室に呼ばれた。OBは、診察台の上で相変わらず尻尾を大きく振っている。心電図、レントゲン、血液検査の結果を見せてくれ、「P波がなくなった直接の原因は、わかりませんが、心臓肥大になりかかりの可能性が考えられます。人間のように心臓に直接電気ショックを与え、P波が再開する例もありますが、その強さによって死亡する事もありますので、原因がわかるまでしばらくこのままで様子を見ましょう。」と言われる。
「急に死ぬことはありますか?」と怯えて聞いた。
「ないとは言ったらうそになるかもしれませんが、大丈夫でしょう。」
と言われて、明るい気持ちになった。予断は許されない状況であっても医者から〝大丈夫〟と言われると不思議に前向きになる。
運動の禁止、心臓食、カルチニン、タウリンの投与、冬、夏の温度管理など詳しい過ごし方を聞き、帰舎した。
「悲観しないで、楽しく過ごしてくださいねー」という若尾教授の言葉が何回も聞こえた。