プレマの玄関を開けると急に眠気がさした。仙台まで日帰りで往復することもあるのに2時間の運転に疲れるはずがない。ふとOBを見るとぐぅぐぅと待合室で寝ている。羽尾先生から「イネイトを置いているので眠くなっているのかもしれません。」と優しく言われた。「イネイト?」
イネイトとは先天的な生命の持っている力で、体の中にあるイネイトが停滞すると病気が起こると考えられている治療法を用いていると言う。何も触らずに治療ができていると言う。脳幹というセンサーに色や匂いと同じような“情報の伝達”や“波動の共鳴”という程度のごく微細な刺激量のものを提供し、脳幹が活性化し、脳幹とつながっている体中の神経システムが正常に働きだし、「イネイト」が100%体を満たし本来の自身の力がみなぎってくると言う。
OBは気持ちよさそうに規則正しく深い息を繰り返している。これまでの経過を羽尾先生の表情に注意しながら話をした。素人の自分は、獣医さんの表情でOBの状態が悪いのか?大丈夫なのか?を判断してしまう。羽尾先生は、優しくうなづきながら真剣に話を聞いてくれたが、けっして悲壮な表情をされなかった。
200年前にドイツの医師ハーネマンがその生涯をかけて確立させたホメオパシー療法は、同種療法あるいは類似療法と訳されおり、「症状を起こすものは、その症状を取り去るものになる」という「同種の法則」が根本原則になっており、この「同種の法則」に、症状を起こすものを非常に薄めて使用するという治療を行うと言う。
体に悪影響を与えることなく、症状だけを取っていくものとなるという。
安全で体にやさしく常習性を持たないというので、ホメオパシー療法をお願いした。ホメオパシーでは症状を抑圧するのではなく、症状を出し切れるように後押しするため好転反応があるという。それから初めて心身ともに健康になり、心や細胞が抱える不自然なパターンを解放し、体の芯から健康を取り戻すことができるらしい。
何種類かのホメオパシーレメディーを処方してもらい、帰舎した。