サンとどんなに食べても太らないエリをプレマに連れて行った。
サンは、OBとエリンの子で、4歳になって始めて出産をした。
出産予定日4日前になっても1m近くジャンプしたり、軽快に走ったりするので、軽いお産だろうと思っていたが、3日間も微弱陣痛が続き、なかなか本格的な陣痛は来ない。大変な重いお産だった。
サンは、仔犬の世話を甲斐甲斐しく行い、仔犬を無理やり離さないと、飲まず食わずでおっぱいをあげたり、下の世話をして可愛がった。
体重を測るために、仔犬を1頭抱き上げたらサンが初めて噛んだ。自分も初めてバーニーズに噛まれたが、噛んだ本人の方がびっくりしていた。
出産をしてから穏やかだった性格が180度変わり、他の子が寄ってくるとイライラして怒るようになり、仔犬をお迎えにみえた方の袖を噛んで破ってしまったり、よく吠えるようになった。
理恵子先生は、親身にサンの話を聞いてくれた。普通は他の子がいる所で話をしないらしいが、「よほどつらかったのか、いろいろと話してくれました」と理恵子先生がおっしゃった。
サンは、自分の思っている時期より早く、子供を引き離してしまったことに怒っていた。
離す時期は、それぞれだが母性本能の強いサンにとって、仔犬と離れることは、つらいことだったそうだ。だからと言って全部手元に置こうとは考えてないらしい。
ちょうど良い時期に新しい家族に連れて行って欲しいと言う。
1回目のお産が重かったので、当分次回は見合わせようと考えていたが、彼女は、離していいと言うまで育てたいから生みたいと言う。
わんこの気持ちがわからない飼い主は失格だと思った。
サンに悪いことをした。
かわいそうなことをしたと心が痛んだ。