12月8日、ロシアは西側諸国の経済制裁を巧みにすり抜けつつあり、人手不足やインフレなどの課題を抱えながらも回復に向かいつつある。サンクトペテルブルクで10月撮影(2023年 ロイター/Sputnik/Gavriil Grigorov/Kremlin)
[モスクワ 8日 ロイター] – ロシアは西側諸国の経済制裁を巧みにすり抜けつつあり、人手不足やインフレなどの課題を抱えながらも回復に向かいつつある。来年3月の次期大統領選への出馬を表明し、通算5期目を目指すプーチン大統領にとっては追い風が吹いている状況だ。
昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻に対して西側は、経済の締め付けやロシアの孤立を狙って制裁を発動。ところが西側の思惑、あるいはロシア側の想定よりも、同国経済は底堅さを発揮している。
重要なのは、西側がロシアの石油収入を効果的に抑え込めていない点にある。ロシアは石油の輸出先を中国やインドなどに切り替え、いわゆる「影の船団(シャドーフリート)」を駆使して西側の設定した石油輸出価格の上限制度の網の目をくぐり抜けてきた。
11月のロシアのエネルギー収入は9617億ルーブル(104億1000万ドル)で、1月の4255億ルーブルよりもずっと多い。
こうした石油収入の持ち直しとともに、プーチン氏が直面する重要な経済上の課題は深刻な人手不足になるだろう。昨年の大規模な動員や、ウクライナ侵攻後に数十万人がロシア国外に出国したことなどで、働き手が足りない状況に拍車がかかった。
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