江藤拓農林水産大臣は7日の閣議後記者会見で、コメ価格の高騰を受け、政府備蓄米の放出を「できるだけ早期に実施する」と表明した。数量や価格などの詳細は早ければ来週中にも公表される見込みで、コメの流通円滑化を目的とした備蓄米放出は制度開始以来初めての事例となる。
農水省によると、2024年産米の生産量は前年比18万トン増加したが、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの集荷量は昨年12月末時点で約21万トン減少している。この需給ギャップを背景に、5kgあたりのコメ小売価格は4千円前後で高止まりしている。江藤拓農相は「業者が在庫を抱えている可能性」を指摘している。
農水省は1月末に備蓄米の運用指針を改定した。これまでの指針では、不作による供給不足の場合にのみ備蓄米を放出できたが、新しい指針では「円滑な流通に支障が生じた場合」も放出の条件に加えられた。今回の備蓄米放出は、この新しい指針に基づいて実施される。備蓄米はJA全農などの集荷業者に売り渡され、供給量増加による価格抑制が期待される一方、1年以内の買い戻しが義務付けられる。江藤大臣は「これ以上価格が上昇すれば、消費者がコメを選ばなくなる事態も懸念される」と危機感を示した。
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