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シンガー・ソング・ライター田中正浩の素顔

体育会系女子との対話(対話シリーズ第2弾)

2019年01月28日 | 記事

今日は楽しみにしていたボウリング大会。職場の若いのが乗せていってほしいというので会場まで一緒に行くことに。

「あっ、これクイーンですよね。」

「ええやろ。でも、フレディ・マーキュリーがあの世に行って27年もたつけど、知ってるの?」

「知ってますよ、最近映画もやってましたよね。」

「そう、ブライアン・メイが辺野古埋め立て反対署名を呼び掛けてたニュースもあったしな。」

「えっ、ヘノコって何ですか?」

「知らんの?玉城デニーは?」

「デニー、誰ですか???」

「沖縄県の知事。辺野古は沖縄にある地名。沖縄は日本の都道府県の1つって知ってるよね。」

「いくら何でもそれくらい知ってますよ!」

「ちょっとは社会とか政治のこと知っといた方がええで。」

…ということで、車内でミニ学習会をする羽目に。

先の大戦、日本で唯一の地上戦となった沖縄は、敗戦後アメリカの占領下に置かれ、県民が収容所に囲われている間に米軍がその土地を強奪して基地を作ったんや。中でも普天間基地は沖縄でも5本の指に入るにぎやかな町並みで、学校や郵便局もあったところを勝手に基地にしたんや。こんなことは当時の国際法でも禁止されていたことなんやけど、だれもアメリカに逆らえへんかった。
ところが普天間基地は街のど真ん中にある、あまりにも危険だということで閉鎖することになった。その代わりに、辺野古に新しい基地を作ることが日米政府によって決められてしまったんや。沖縄の人たちは、それは話が違うと反対した。そらそうや。もともと無理矢理作っておいて古くなったから新しい基地を別のところに作る、しかもそこはジュゴンの棲息地として知られる、美しい珊瑚礁。だから県民だけでなく、日本全国、海外の自然保護団体からも反対の声が上がるわけ。

「クイーンも反対っすね。」

翁長前知事が命がけで工事に反対したのに政府は強行した。翁長さんが亡くなって、その遺志を継いだ玉城デニーさんが大差をつけて新しい知事に選ばれても安倍のオッサンは意に介さず土砂を投入してひんしゅくを買ってるわけ。知事選挙は基地の是非と直接関係ないという理屈。まあ、屁理屈やけどな。だったら県民投票で決着付けようということが県議会で決まったのに、それをされたら困る自民党が基地賛成派の市長に妨害を指示しよったらしいで。これも「憲法違反だ」と学者に論破されたけどな。

木村草太の憲法の新手(96)県民投票への不参加問題 市の主張、法律論にならず

安倍のオッサンはテレビ番組で「あそこのサンゴは移している」とすぐばれる大ウソこいてさらにひんしゅくを買った。そもそも、サンゴはそう簡単に移植できるような生き物じゃない。事実、これまでに移植されたのは、たったの9群体(絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ)だけ(埋立予定海域の移植対象は7万群体以上)で、現在土砂が投入されている区域とは別の区域に生息していたもの。「琉球新報」の社説に「一国の首相がフェイクの発信者になることは許されない」と書かれる始末。

首相サンゴ移植発言 フェイク発信許されない

…などと熱弁をふるっているうちに車はボウリング場に到着。

「先生、ありがとうございました。」

「どういたしまして」

「おかげで、時間に間に合いました。ボウリング、勝ちましょうね。」

「おい、そっちか!」


その翌日、職場にて

「先生、昨日はありがとうございました。先生のおかげで団体戦3位入賞です。はい、これ賞品です。」

「いやいや、君の活躍のおかげだ。それより、これ印刷しとくから読んどいてね。」

「分かりました!」

僕はボウリング大会の後、さっそくネットの記事を収集して「分会ニュース」を作成し、職場の皆さんに配布することにした。僕に言わせれば「知らないことは罪」だ。世の中には何も知らない人がウヨウヨいらっしゃる。身近なところからでも真実を広めていく努力が求められている。辺野古の問題は決して沖縄だけの問題ではない。

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