耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

花氷

2013年07月10日 07時34分16秒 | 思い出

 毎日暑い。記録的な猛暑が続く。

 最高気温が30度を超えると真夏日と言うが、35度以上だと猛暑日と言うらしい。
そんな日が続いている。

 昔デパートに行くと、氷柱が有った。冷房などがない時代のことである。
厳寒期に軒先から垂れるツララも氷柱と書くが、ここでは氷屋のおじさんが自転車
で配達する、氷の柱のことである、と言っても分からないか。

 冷房が普及する前、デパートや商店街などに氷の塊が置かれた。中に花を閉じ
込めたものは、花氷とも言う。



 暑い盛りに、せめて見た目だけでも涼しくしようという趣向であろう。子供達は、
氷に閉じ込められた果物やオモチャをGETするために、氷をこすって溶かそうと
必死になったものである。

 夏は暑いもので、暑さと上手に付き合うのが暮らしの知恵であった。風鈴や明珍
などは最たるものである。音で風を感じようなんて、日本人以外に理解出来る
だろうか。
 蚊帳の中で寝るとき、母親が団扇であおいでくれたのは、遠い思い出である。

 消え去ってしまった日本の風物詩であろう。

     寝苦しさ凌ぐ団扇の懐かしき
     子の呉れし男扇子の白檀香  蛙蝉



 そもそも西洋文明は、日本の緯度より可成り北の方の話である。寒さ対策は
有っても、暑さは気にならなかったんでは無いか。夏でも背広を着る習慣なんて、
日本には合う筈も無い。


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