耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

ジャパニーズ・サムライの光と影

2014年09月26日 10時30分10秒 | この頃思うこと
 歴史学者の講演を聞く機会が有った。

ジャパニーズ・サムライの光と影
--歴史学のおもしろさ―
早稲田大学准教授 谷口真子

1. さまざまに描かれる武士の姿
2. 呼び出される「武士道精神」
-「西欧」「近代」「グローバル化」との闘い-
3. 「武士道の喧伝」
4. 「忠臣蔵」と赤穂浪士の実像
5. 過去を見る目、現代を見る目


 通常、講演は事前に要旨をまとめて、それに沿って話を進める。
パワーポイントで編集してスライドに映し出されるアジェンダは、
印刷されて手元に配られることが多い。
 ただ、慣れたスピーカーは、そのアジェンダに拘らず、その場の
雰囲気や自分の気分で話を展開することが多い。

 今回の講師は、比較的アジェンダに忠実に話をしたので、聞き
易かった。

 演題に、ジャパニーズ・サムライ とカタカナを使った意図は、
残念ながら聞き漏らした。



 高度成長期のサラリーマンは企業戦士とも呼ばれたが、宮仕えの
武士たちと共通項が多い。年功序列・終身雇用はその典型だと、
氏は説く。そういわれればその通りである。


 忠君・愛国を基本とする伝統的道徳の基本に、「武士道」がある。
それが日本人のナショナル・アイデンティティの底流であり、震災時
の規律ある行動や、中韓の下品なふるまいの対極としての日本の
品性として表れていると、展開する。

 実例として、「忠臣蔵」を引用している。というか、これが本題の
ようだ。
「仮名手本忠臣蔵」に代表される、デフォルメされた義士像と、史実に
よる実像とはかなり相違が有ったようである。そもそも、吉良邸討ち入り
は、敵討ちか。
 浅野内匠頭は、吉良に殺されたのではなく吉良に切り付けたことにより、
幕命で切腹させられた。敵討ちではなく、意趣晴らしである、と言う。

 -喧嘩・敵討・無礼討ち- から、武士道を考察する氏の面目躍如
である。


 そして、まとめは、過去の出来事を一面的・独断的に評価するのでは
なく、リアルタイム感覚で歴史を見ることの重要性、という教訓であった。



 面白い話だったので、「武士道考」「赤穂浪士と吉良邸討入り」の
2冊を、図書館で借りて来た。読後の所感は、また後日。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 株取引はゼロサムゲームか? | トップ | 武士道とは »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

この頃思うこと」カテゴリの最新記事