中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

梅の鎌倉:荏柄天神から十二所果樹園を巡る(1)

2011年02月21日 19時07分49秒 | 鎌倉あれこれ
                                    <鶴岡八幡宮の梅>

     梅の鎌倉:荏柄天神から十二所果樹園を巡る(1)
        <天園ハイキングコース入口まで>
    (山旅スクール5期「鎌倉トレッキング会」定例会)
          2011年2月20日(日) 曇

<散策地図>



<鎌倉駅前から歩き出す>

■天気予報がクルクル変わる
 当初,天気予報では,当初,2月20日の午後は雨,その内に,,さらに直前の前日には曇になる.その都度,散策ルートはどうしようかと迷い続けた.そんな中,前日(2月19日),私は丹沢の塔ノ岳を往復した.その間,“20日の鎌倉の山道はドロドロではないか”と心配していた.そして,いっそのこと,大船から舗装道路を主体とした一般的コースに変えようかとも思った・・・が,優柔不断が幸いしてか,変更しないまま放置していた.ただ,めまぐるしく変わる天気予報に,イヤになるほど翻弄された.
 ・・で,泥んこ道の心配はあったが,まあ,実際に状況を確かめながら歩けばいいな・・・というのも,参加者は,一般の方とは異なり,全員,山旅スクールを3年掛けて卒業した人である.山歩きの基本は熟知しているし,応分の体力もある,剣岳,戸隠山など比較的難易度の高い山も経験済みの人ばかりである.私は,他のグループの方々を案内するときよりは,気分的に随分と楽である.

■鎌倉駅前を出発
 9時30分に鎌倉駅表口に集合である.今日の参加者は,全員山旅スクール5期卒業生.トドさん,ホーッシイーさん,野菜漬物さん,オカアサァ~ん,それに私こと山欠菌FHの5人である.
 鎌倉駅前は10時過ぎから混雑し始める.9時半頃までは何となく空いている.他のグループの集合時間は,ほとんど10時だが,このグループだけは,できるだけ長く歩きたいというので,9時30分集合と言うことになっている.
 「今日は生憎の天気なので,定番通りの梅の観光コースを歩きますか? それとも,十二所果樹園まで山の中を歩きますか・・?」
と質問したところ,全員が山の中を歩きたいという.その意気は大いに共感するが,仙人が不在なので,内心では少々荷が重いなと感じる.でも,まあ,山のことを良く知っている仲間なので何とかなるだろう.
 集合時間少し前に全員が集まる.予定時間の9時30分に,鎌倉駅前から歩き出す.

<青梅聖天から鶴岡八幡宮へ>

■巨福呂坂の青梅聖天
 小町通りを通り抜け,鉄の井から鶴岡八幡宮境内に沿って,北鎌倉方面に250メートルほど進んで左折,住宅地の中の路地に入る.やや急な登り坂を進む.ここは鎌倉へ通じる七切通のひとつである.
 坂道を数分登ると,左手に永井石段が見えてくる.この石段を登ると青梅聖天(おうめしょうてん)の小さなお社がある.この会談沿いの梅林が丁度見頃を迎えている.
 残念ながら,この巨福呂坂は現在廃道になってしまったが,昔は青梅聖天から山を越えて円応寺,建長寺へ通じていたという(資料1,pp.33-34).昔の街道の名残か,梅林の下には猿田彦,庚申塔など沢山の石塔が立ち並んでいる.


■白旗神社
 青梅聖天から往路を引き返して,鶴岡八幡宮の境内に入る.本殿西側の石段を登って,八幡宮をお参りする.この辺りには沢山の観光客が集まっている.
 東側の石段を下って,白旗神社を詣でる.祭神は源頼朝と実朝.資料1(p.30)によれば,「頼朝の官職兵衛府(ひょうえふ;右近衛大将(うこのえのたいしょう))が中国で武衛とよばれていたことから武衛殿(ぶえでん)とも呼ばれる」という.


■鎌倉国宝館前の梅
 つづいて,鎌倉国宝館前に廻る.丁度,ひなの展示会が開催されている.ちょっと立ち寄ってみたい気はするが.今日の所は残念ながら通過.日を改めて見に来ることにする.
 国宝館前の梅も見頃である.
 ここを訪れると,国宝館正面に向かって右側に立っている肉弾三勇士の石柱が気になる.この石柱の片割れが鎌倉山に安置されている.どのような経緯があって,離れ離れに安置されているのか知りたいが,私の見た範囲の文献には,全く記載されていない.でも,まあ,こんなことは,今日のメンバーには無関係なので,ドンドン先に進むことにする.
 源平池の近くの梅も見頃である.


<荏柄天神社>

■古代青軸
 一般的な観光コースを辿って,荏柄天神に向かう.途中,頼朝墓にも立ち寄ろうかと相談したが,ここには梅の木はないので,今日は省略.
 10時24分に荏柄天神に到着する.荏柄天神の説明はいまさら必要ないので省略するが,ここは九州太宰府天満宮,京都の北野天満宮と並んで,日本三大天神の一つである.
本殿に向かって左側にある梅,古代青軸をユックリと拝見する.この他にも境内の沢山の梅が見頃を迎えている.向かって左手奥にある筆塚の見学は省略.




■大イチョウ
 境内の大きなイチョウが素晴らしい.鶴岡八幡宮の大イチョウが健在なときに,荏柄天神社のイチョウは,鎌倉第2の大イチョウと言われていたが,昨年(2010年),鶴岡八幡宮の大イチョウが倒壊してからは,荏柄天神の大イチョウが鎌倉第1の大イチョウとなっている.
 冬の大空一杯に枝を広げている大イチョウの姿には,ある種の神々しさを感じる.
    

<天園ハイキングコースへ>

■鎌倉宮(大塔宮)
 10時40分に鎌倉宮に到着する.石造りの大きな鳥居の左手に,可憐な紅梅(かな? ナントカという梅)が見頃である.丁度,大きな観光バスが到着する.
 「どうせ,(お客は)あんまり乗っていないでしょうね」
と軽口を叩くと,すぐ側にガイドが居る.悪口聞こえたかなとヒヤリする.外からバスの中を覗くと10名足らずの観光客が乗っている.
 鎌倉宮でトイレ休憩.


■賑わう青果店
 沢山のハイカーに混じって,鎌倉宮から永福寺跡方面に向かう.この辺りは,沢山のハイカーや観光客で大変賑わっている.
 鎌倉宮から暫く歩くと,進行方向右手に青果店が開店している.テントの店舗で休日になると不定期で営業している.ここは焼き芋,規格外の安価な野菜,漬物などが人気の店である.私達のグループも主婦が主体.当然,野菜漬物に興味がある.黒山の人集りに混じって,暫くの間,品定めをする.
 美味しそうな焼き芋が1本だけ売れ残っている.買おうかなと思っていると,どこかのオバサンが,無遠慮に,
 「美味しそうな焼き芋ね・・・」
と言いながら,手の指で芋を突っつく.途端に,芋が汚くなったような気がして,買いたいなという気分が消滅する.
 「オバサンは,公徳心がないんだから・・全く!」
私は心の中で,このオバサンを罵倒する.


■永福寺跡の梅
 やっと,青果店から離れて,歩き始める.某有名な画家の家の前を通過して,横浜国大テニス場脇から永福寺(ようふくじ)跡に向かう.ここは国指定史跡.源頼朝が建立した三大寺院の一つであった(資料1,p.49).
 道路沿いに沢山の梅の木が並んで植えてある.どれも丁度見頃である.


■天園ハイキングコース入口
 永福寺跡に沿って進むと三叉路に到着する.この三叉路を右手に進むと,間もなく瑞泉寺入口に到着する.一同,わざわざ拝観料を支払ってまでも,境内を見学する気がなさそうである.もっとも,鎌倉市在住で65才以上の私は,鎌倉市発行の福寿手帳を持っているので,無料で拝観させて戴けるが,仲間内で私だけが無料で拝観するのも気が引ける.
 瑞泉寺の拝観は,またの機会にして,参道の手前で右折,さらに直ぐに左折して,狭い入口から天園ハイキングコースに入る.
 ハイキングコースに入るとすぐにやや急な登り坂になるが,最近,この坂道で怪我人があったらしく,歩行注意の案内が案内杭に貼り付けてある.
 「へえ~・・どうしてこんなところで怪我をしたのかしら・・」
と不思議がるが,怪我って得てして何でもないところですることがある.
 こういう私も,峻険な山では,注意をしながら行動するので怪我をしたことはないが,自宅近くの源氏山公園で,ひどい捻挫をしたことがある.何でもない所こそ注意すべきだという教訓である.
 坂道を登り切って,森永親王墓からの登山道と合流する地点に到着する.
 これから,いよいよ秘所歩きが始まる.


                              (つづく)
[参考資料]

鎌倉市教育センター(編),2009,『かまくら子ども風土記』鎌倉市教育委員会

「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/dc98723dc522ea6ad560774879763a26
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c0968c0005f7de5cb9f5bd597bb48755


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。