中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

紅葉が見頃になった鍋割山稜から塔ノ岳(今年49回目)

2008年10月28日 12時19分19秒 | 丹沢の山旅

                 <後沢乗越から鍋割山への登山道(9:50頃)>

      紅葉が見頃になった鍋割山稜から塔ノ岳(今年49回目)
              (単独山行)
        2008年10月27日(月)
 曇時々晴

 天気予報は晴.実際は曇りがち.
 2番バスに乗車した登山客は,ほんの6から7名で少ない.
 朝の内は晴れていて,丹沢の稜線が良く見えている.ヒンヤリと冷気が漂っていて気持がよい.
 気が変わって,何時ものように,ただ,塔ノ岳を往復するのではなく,鍋割山山稜のブナを訪れたくなった.
 鍋割山を訪れるのは久々のこと.
 後沢乗越に至る急坂の前に置かれた飲料水の中から,2リットルの水入りペットボトルを持って,鍋割山荘に届ける.鍋割山荘小屋番の草野さんから「有り難う」と挨拶される.
 鍋割山稜の紅葉は,それなりに綺麗で、今が正に見頃のようである。
 小丸付近で森林監視員の男性と立ち話.今年は強風が吹いたためか木の葉が落ちてしまって残念だと嘆いていた.
 何時もより1時間ほど遅く尊仏山荘に到着する.小屋番は花立さん.
 「あれ・・・今日は遅いですね」
と話しかけてくる.
 大倉尾根を下る.何時もより1時間ほど遅れて帰宅する。

<登山地図>


<プロフィールマップ>


<鍋割山>

■今日の登山客は少ない
 秋も深まり,朝の冷気が身に凍みるようになった.天気予報によると,今日から2~3日,どうやら晴天が続くようである.それならば,今日は丹沢に出掛けるしかないと思う.
 何時ものように,渋沢発大倉行2番目のバスに乗れるように家を出る.外はまだ真っ暗である.大船から藤沢を経由して,小田急渋沢駅に到着する.
 2番バスには,何時もより少な目の6~7人の登山者しか乗車していない.顔見知りは1人も居ない.
 大倉バス停で,ズボンの下を外して,半ズボンになる.そして,上も半袖のダクロンTシャツ1枚になる.一寸寒い感じがするが,歩き出せばこの程度の服装で十分である.
 さて,今日は,真っ直ぐ塔ノ岳へ行こうか,それとも素晴らしい天気に誘われて,どこか別のルートを歩こうかと迷ったが,結局,久々に鍋割山へ登ってみることにする.

                  <秋の鍋割山山麓(7:43頃)>

■ヒルを探して・・
 登山届に鍋割山→塔ノ岳のルートを記入して投函.少し遅くなり,7時40分に大倉を歩き出す.
 暫くの間は,大倉の集落を一回りする舗装道路に沿って歩き続ける.そして,7時55分に西山林道に合流する.そのまま緩やかな上り勾配の林道に沿って歩き続ける.
 7時56分に「丹沢大山国定公園」の看板の前を通過する.その後,いくつかの川を渡って,8時38分に「尾関先生碑」の前を通過する.大倉を出発してから,ここまでに4人の登山者を追い越したが,これから先,鍋割山山頂までは,全くの一人旅であった.
 8時42分に,二股に到着する.この辺りにはヒルが居るという噂が多いので,数分の間,ヒルを探して,川に接する湿地を行ったり来たりしたが,結局は1匹のヒルも見付けられなかった.

■2リットルの水
 8時56分,後沢乗越手前の最後の川渡りをする.ここは鍋割山荘の水場でもある.何時もなら,ここから4リットルの水を山荘まで運ぶのだが,今日は何となくスタミナ切れの感じがするので,2リットル入りのペットボトル1本で勘弁して貰う.
 余談だが,ここに並べてある水は,沢水ではなく水道水である.鍋割山荘のオーナー草野さんの話によると,沢水だと直ぐに腐ってしまうので,消毒のしてある水道水にしているとのことである.

                  <鍋割山荘の水源地(8:58頃)>

■後沢乗越
 イズビ沢に沿って,ほんの暫くの間,川を遡る.そして,後沢乗越に続くジグザグの急坂に差し掛かる.これまでのダラダラとした林道とは違って,やっと山道になったなという実感が涌く.リュックに2リットルの水を入れたので,肩がリュックの重みを実感しているが,山道になったので何となく心が弾んでくる.爽快な気分で登り続けて,9時19分に後沢乗越を通過する.
 後沢乗越からの眺望を期待していたが,何時も間にか,辺り一面に雲が湧いて,視界を遮っている.残念である.

            <尾根道を進むと鍋割山山頂が見えてくる(9:56頃)>

■鍋割山荘
 後沢乗越からは,稜線沿いの長い急坂が連続する.
 坂を登るにつれて,見事に紅葉した木々が多くなる.
 前方に,あそこが鍋割山山頂かなと思わせる場所が,何回も出現する.その度に,高度計を見て,まだ,まだ山頂は先だよと自分自身を言い聞かせる.
 そして,10時10分,鍋割山山頂(標高1,273m)に到着する.
 直ぐに鍋割山荘に入る.オーナーの草野さんが,
 「お早うございます・・・」
と挨拶をしながら,奥の方から店に出てくる.
 「・・・今日は,1本で勘弁してください・・・」
と言いながら,水場から運んできたペットボトルを,台の上に置く.
 「どうも有り難う・・・大助かりです」
草野さんが言う.
 建った1本なのに,この草野さんの一言で,私はとても癒された気分になる.

                  <鍋割山荘(10:11頃)>

<鍋割山稜>

■素晴らしい紅葉

 10時16分に鍋割山荘を出発して,鍋割山稜に向かう.
 ブナ林の中の静かな稜線を歩き続ける.静かなブナ林が続いている.眼下に熊木ダムやユーシンロッジ付近が見えている.その先には,紅葉した山肌が綺麗な檜洞丸(標高1,601m),臼ヶ岳(標高1,460m),蛭ヶ岳(標高1,673m)など丹沢主稜の山々が見えている.
 10時35分頃,小丸を,10時45分,二股へ下る道の分岐を通過する.ここで森林監視員の腕章を腕に巻いた初老の男性と会う.
 「・・・今年は風が強かったのか,十分紅葉しない内に,大分,葉っぱが落ちてしまいましたよ・・・」
と,この男性は残念がる.
 これを切っ掛けにして,5分ほど雑談に興ずる.
  
              <紅葉の谷:熊木沢出合方面を見下ろす(10:18頃)>


                 <紅葉の鍋割山稜(10:27頃)>


                  <紅葉の鍋割山稜(10:31頃)>

■金冷シノ平
 小さな上り下りが連続する.この辺りから階段が多くなる.
 10時59分,「塔ノ岳0.9km」と書いてある指導標の前を通過する.進行方向右手には,紅葉が綺麗な大倉尾根が見える.左手には,紅葉した木々の間から,こんもりとした大丸(標高1,386m)の山頂が見えている.

             <鍋割山稜から見た紅葉の大倉尾根(10:39頃)>

<大倉尾根>

■塔ノ岳へ
 11時07分,大倉尾根と合流して,金冷シノ平に到着する.丁度,合流点で,大倉尾根を登ってきた中年の男性と鉢合わせする.男性は,私が妙な所から飛びだしてきたなというような怪訝な顔をする.
 大倉尾根に出た途端に,すれ違う登山客の人数が増え出す.
 11時20分に塔ノ岳山頂に到着する.
 朝方はあんなに晴れていたのに,今は沢山の雲が湧いている.富士山も見えない.そのまま真っ直ぐに尊仏山荘に入る.

■尊仏山荘
 今日の小屋番はオーナーのHさんである.私の姿を見て,
 「おや・・・今日は遅いですね・・・」
と怪訝そうな顔をする.
 「今日は,気が変わって鍋割山経由できましたよ・・・」
 「そうでしたか,草野さんは居られましたか・・・」
これが切っ掛けになって,暫くの間,雑談を交わす.
 11時現在の塔ノ岳山頂の気温は+8.4℃.大分涼しくなった.
 入口近くの壁に,大きく「空」と書いた木の板が掛けられている.この字は10月13日まで,丹沢登頂500日の業を終えた修行僧が書いたものだという.早速写真を撮らせて貰う.
 居合わせたご常連が,
 「あのお坊さん,500日で(修行を)止めちゃったんですね.1000日もやると悟り過ぎちゃうんですね」
と減らず口をたたいている.
 私は,今朝,駅で購入した「神奈川新聞」を,小屋番のHさんにお渡しする.早速,Hさんは,新聞を読み始める.テレビ番組のページを開いて,
 「おや・・・今日も水戸黄門がありますね・・」
と言いながらニヤリとする.
 「大急ぎで下山しなければ・・・」
と言いながら,私は11時49分に尊仏山荘を出発する.

                   <修行僧の筆(11:43頃)>

■ユックリと大倉尾根を下山
 外は大分寒い.今日の山頂は,登山客が少なくて閑散としている.
 大倉発,13時52分のバスに間に合うように下るには,あまり道草はできない.そうかと言って,余り早く下山しても詰まらない.私は時計を見ながら,下山速度を適当に早めたり,遅くしたりしながら下り続ける.
 下山途中で,10数名の登山客とすれ違うが,知っている顔はない.
 13時37分,バス停大倉に到着する.
 靴を洗ってから,荷物を整理する.そして,バスの到着を待つ.
 すると,ネコのSさんが,突然,目の前に現れる.
 「・・今日は,登りで会いませんでしたね・・」
と私に話しかけてくる.私は鍋割山から縦走したことをお話しする.
 夕方,16時から始まるテレビ番組「水戸黄門」には十分間に合った.

                 <今日の萱場平(12:20頃)>

[山行記録]

<大倉→鍋割山>
■登攀高度

  鍋割山     1,273m
  大倉       280
  (標高差)    993
■水平移動距離    7.5km
■登攀所要時間
  大倉発      7:40
  鍋割山山頂着  10:10
  (所要時間)  2時間30分(2.50h)
 登攀速度    993m/2.50h=397.2m/h

<鍋割山稜:鍋割山→塔ノ岳>
■登攀高度(概算)
  260m
■水平移動距離    2.3km
■所要時間
  鍋割山山頂発  10:16
  塔ノ岳山頂着  11:20
  (所要時間)  1時間04分(1.07h)
 登攀速度
   260m/1.07h=243.0m/h

<塔ノ岳→大倉>
■下降高度(概算)
  1,250m
■水平移動距離     7.0km
■下降所要時間
  塔ノ岳山頂発   11:49
  大倉着      13:37
  (所要時間)  1時間48分(1.80h)
 下降速度
   1,250km/1.80h=694.4m/h

<鍋割山稜・塔ノ岳縦走全体>
■水平移動距離
    16.8km
■累積標高      1,516m
■所要時間累計(山荘での休憩時間は含まず)
 大倉→鍋割山   2時間30分
 鍋割山→塔ノ岳  1時間04分
 塔ノ岳→大倉   1時間48分
 (合計)     5時間22分
  ※全体データはカシミールで算出(各部分の合計値とは合致しない).
                             (おわり)
前回の塔ノ岳の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/814eed13c419de767f659c7648642ef9
次回の塔ノ岳の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/48f1986fb29a8018dd7b146d05cafd39



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。