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ぐるり鎌倉ひとまわり
(単独ハイキング)
2007年6月15日(金)
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■急遽出発
昨夜の天気予報では,「今日(6月15日)午前中は雨,午後から曇」だった。もともと塔ノ岳へ登るつもりだったが,天気予報を見て中止した。ところが,実際には朝から好天である。関東地方は昨日から梅雨入りのようである。そうなると,今日はつかの間の晴ということになる。もうこれから塔ノ岳へ登るには,時間が遅すぎるので,鎌倉を一回りすることに決める。
10時55分に家を出る。山の上ロータリーから,山ノ内浄水場を経て尾根伝いに北鎌倉へ下る。途中,路傍には沢山の花が咲いている。尾根の展望台からは,紅色の美しい花の向こうに,緑溢れる六国見山が望める。いつもながら素晴らしい風景である。
<山ノ内浄水場付近から六国見山を望む>
■北鎌倉の「猫箱」
10時25分,北鎌倉駅前のコンビニに立ち寄る。ご主人は不在のようである。オニギリを2個買って,JR北鎌倉駅に出る。駅周辺は瑞泉寺のアジサイお目当ての観光客で大変な賑わいである。
円覚寺側の線路沿いの道を進む。今日は珍しく「猫箱」が開店している。数名の観光客が店内のネコの絵を眺めている。留守番をしているご主人に,
「私この山の上に住んでいるものです・・・お宅のホームページを拝見していますよ・・・」
と話しかける。
「ところで,このネコの絵は売り物ですか・・・」
とぶしつけな質問をする。
「・・・ええ,売り物といえば売り物ですが・・・実はお客様がお飼いになっているネコを拝見して画くのを商売にしています・・・」
「ぶしつけな質問で恐縮ですが,1枚大体幾らぐらいするんですか・・」
すろとご主人はA4位の大きさの絵を指し示しながら,
「この程度の大きさの絵ですと,1枚3万円でお願いしています・・・」
絵の大きさや手の込み方から見て「3万円は安いな」と思ったが,口には出さなかった。
「ホームページを拝見すると,ネコが3匹住んでいるようですが,ゴハンちゃん,プリンちゃんの他にも居られるんですか?」
「ええ,もう1匹居るんですが,人見知りをするんで,お店には出てこないんです・・」
これ以上,油を売っていると,ご主人の商売の邪魔になるので,私は退散する。
■混雑する名月院
裏道(俗称「裕次郎小径」というらしい・・)を抜けて,名月院参道に出る。途端にアジサイ見物の客で溢れている。人混みを抜けて名月谷に入り,ホツとする。
いつもは名月谷登山口から山にはいるが,今日はジメジメした登山道を歩きたくないので,そのまま今泉住宅地まで登り詰める。右折して,11時06分に住宅地側の登山口から山道に入る。
11時11分に勝上嶽に到着する。
勝上嶽の展望台に立ち寄る。富士山が見えるかと期待していたが,箱根,富士山,丹沢方面一帯に雲が立ち込めていて,残念ながら見えない。
<路傍の花1>
■横須賀のアメリカ人生徒
そのときアメリカ人らしい集団が,勝上嶽から誤って住宅地方面に降りようとしているのに気が付く。私は,お節介かなとも思ったが,
「どちらに行かれるんですか・・・?」
と尋ねる。するとリーダーらしい中年の男性が,
「トレイル(散策道のこと)を廻って,鶴岡八幡宮へ出たい・・」
という。私は,
「それならば,こちらの山道を通らないとダメですよ」
と説明する。彼らと話している内に,彼らが横須賀にあるハイスクールの生徒達と引率の先生であることが分かった。引率の先生は,もう14年も日本に住んでいるという。でも,鎌倉の天園ハイキングコースを歩くのは初めての経験だという。私は英語でのやり取りが面倒くさいので,
「それでは,日本語,話せるでしょう?」
と英語で聞く。
「ダメ,日本語は殆ど話せません・・・でも,生徒達は日本語を習っているので,多分分かると思います・・・・」
そこで日本語と英語をチャンポンに交えながら,ハイキングコース沿いの歴史的遺構を説明する。それでも,四国八十八箇所巡りや,ヤグラの説明はとても面倒である。引率の先生が,
「貴方,英語が上手ですね・・・アメリカに住んでいたことがありますか?」
と私に聞く。
「私も上手になりたいです(I hope so!)。でも英語はハイスクールで習っただけです」
このやり取りを聞いていた生徒が「くすくす」を笑う。
<鷲峰山:四国大窪寺の薬師如来>
私達が日本人に向かって「日本語がお上手ですね」とは言わない。ちょっと片言の日本語を話す外国人に「日本語がお上手ですね」と褒めるのと同じことである。その意味で,是非,褒められなくなるほど,英会話が上手になりたいものである。
■成り行きで同行
彼らの中に太った少年が1人居る。彼は坂道を上り下りするのか,カラッキシ,ダメで,一寸した段差でも硬直してしまい足が前に出ない。早々に彼らと別れて先へ進もうと思ったが,この少年の危なっかしい歩きを見ていると立ち去るわけにも行かない。仕方なく文字通り手を取り足を取りながら同行する。
太平山の山頂直前の急坂では,滑り転んで一歩も登れなくなる。私は彼の後に廻ってお尻を押しながら,坂道を登り切る。そこからの露岩帯の下りも大変である。
「私の足の置き方を見なさい・・・私と同じ場所に足を置いて折りなさい」
と言いながら,彼の手をシッカリ確保して,少しずつ下る。
<横須賀のハイスクールの生徒さん:素直な良い子ばかり>
※プライバシ保護のため画面を小さくした。
これから先,獅子舞を降りるにせよ,瑞泉寺口に降りるにせよ,滑りやすくて大変である。でも,私も何時までも,彼らにお付き合いするわけにもいかない。私は引率の先生に,
「これから先,どちらの道を降りるにしても,滑りやすい急坂があるので,十分に注意して下さい」
とコメントして,先を急ぐ。
■峠の茶屋のご常連
12時15分に天園「峠の茶屋」に到着する。ここで昼食を摂るつもりである。
私の山仲間で,この茶屋のご常連のEさんが,数名の仲間と宴会を開いている。Eさんは私の姿を見受けると,直ぐに手招きをする。そして,
「これ,食べなよ・・・」
と言って,お新香や九州みやげを私に差し出す。
あいにく,私はEさん達にお裾分けするものは何も持っていない。貰う一方なので,大いに恐縮するが, 折角のご厚意なので,有り難く頂戴する。
「ところで,仙人は元気ですか・・?」
と仲間の一人が私に聞く。
「私もこのところ彼に会っていませんが,多分元気だと思いますよ」
そうこうしている内に,先ほどのアメリカ人一行が峠の茶屋に到着する。彼らは思い思いに自動販売機でジュース類を買っている。そして私を見付けて,ニッコリと会釈する。
「良い子達ばかりだな・・・」
と私は嬉しくなる。
<路傍の花2>
■峠の茶屋を出発
私は,アメリカ人一行に,
「気を付けてね・・・・良い週末を・・・」
と声をかけてお別れする。彼らは,英語と日本語をごちゃ混ぜにして,
「ありがとうございました・・・」
と言いながら私に手を振る。
彼らとお別れしてからも,暫くの間,Eさん達と四方山話をする。そして,12時40分に峠の茶屋を出発して帰途につく。12時53分に瑞泉寺登山口に下りる。途端に沢山の観光客とすれ違うようになる。そして,13時07分に大塔の宮に到着する。ここでトイレ休憩をとった後,源氏山公園を抜けて,鎌倉中央公園近くにある自宅まで,ブラブラ歩きをするつもりである。
■丁度ピッタリの時間にバスが来る
丁度そのときに,鎌倉駅行のバスが到着する。京急バス全線共通6ヶ月定期券を購入している私は,今バスに乗っても余計にバス代が掛かるわけではない。成り行きでこのバスに乗ってしまう。こうして,「家から家まで一周歩く」という目論見は,簡単に破られる。
こうなると,後はデタラメ。鎌倉駅前のマクドナルドに入って,1杯100円也のコーラを注文して一休みする。その後,梶原行きのバスに乗って帰宅する。
夕方から,テレビで「水戸黄門」をボンヤリとしながら眺める。
これで,外へ出たがりの「老人の1日」は終わりになる。
「貴重な今日一日,私は一体何をしていたのだろうか!」
ぐうたら生活に反省することしきりである。
天気予報によると,梅雨入りしたばかりなのに,明日も天気が良さそうである。
「ならば,丹沢の塔ノ岳へ出掛けよう」
と固く決意する。
(おわり)
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