中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ミルフォードサウンド(10):第5日目(トレッキング3 日目)(2):サザーランド滝

2011年02月26日 00時02分39秒 | ニュージーランド:ミルフォードサウンド

                            <ローミングリバー沿いに下る>

   ミルフォードサウンド(10):第5日目(トレッキング3 日目)(2):
           サザーランド滝
           (スケッチ旅行)
      2003年1月28日(火)~2月5日(水)

第5日目:2003年2月1日(金)

<クインティンハット>

■ローミングバーン寸景
 ※記事の容量の関係で,前回掲載できなかったスケッチを補足する.
 
           <危険箇所を示す案内板>



                                <滝のような川が続く>

          

■クインティンハットにチェックイン
 14時47分,今日の宿泊場所,クインティンハットに到着する.私は数十名の同行者の中で,2番目に到着したようである.トレッキング中,私の前後にはトレッカーの姿がほとんど見えなかったので,私は,大方のトレッカーより,大分遅れているのではないかと心配になり,一生懸命に歩いてきた.それが裏目に出た.もっとユックリ歩けるのならば,途中でスケッチをする時間を,もっとタップリ取れば良かったと悔しがるが,致し方ない.
 私より少し先に到着した中年の紳士がロビーにいる.中肉中背の格好いい白人紳士である.どうやら,奥さんと一緒にトレッキングをしているようである.私の顔を見て愛想良く挨拶をする.英語で話をするのは,私にとって苦痛だが,袖ふれあうも何かの縁.早着組同士で,他愛のないオシャベリをする.この紳士は英国から,このトレッキングに参加したという.英語が自由に話せる人は,本当に羨ましい.この紳士はこれからサザーランド滝を見に行くという.
 受付の女性が,受付台帳を持参して,私に名前をサンするように言う. 私も,サザーランド滝を見に行きたいが,その前に,今日宿泊する部屋に入って,旅装をほどきたい.


■宿泊部屋
 受付の女性は,私の名前をチェックしたあと,私を部屋に案内する.あてがわれた部屋に向かう.ロビーから一旦外へ出て,屋根付きの渡り廊下を進み,隣接する建物に入る.入ってすぐにシャワー室とトイレがある.その先に宿泊部屋が背中合わせに並んでいる.
 私が案内されたのは,シャワー室から2番目に部屋である.部屋の広さは10畳ほど.そこに2段ベッドが2台備え付けられている.私達,日本人男性は同じ部屋のようである.私は同行者の中で最年長,しかもこのハットに一番乗りしたので,下段のベッドを使わせて貰うことする.
 リュックを降ろし,ヤッケを脱ぎ捨てて,くつろいだ服装になる.そして,一息入れた後,このハットのファシリティを一通り見て回る.シャワー室やトイレは清潔で数も多い.大変綺麗なので気分が良い.やっぱり,先進国の旅は快適だなとつくづく思う.


<サザーランド滝往復>

■サザーランド滝 へ向かう
 クインティンロッジに到着してから小1時間休憩した後,片道2.5キロメートルほど東へ向かったところにあるサザーランド滝の見物に向かう.ハットに向かって左手にサザーランド登山道の入口がある。入口からほんの100メートルほどの道はとても良く整備されている.まさかそのお先が本格的な登山道になるとは予想しなかった私は,わざわざ持参している室内履きに履き替えて歩き出す.
 しかし.舗装道路の先は,石がゴロゴロと転がる登山道に変わる.これでは,とても室内履きでは先に進めないので先へは進めないので,一旦ロッジへ戻ってトレッキングシューズに履き替えて,もう一度,出直しをする.丁度このとき,日本から一緒に来た仲間達で足の速いグループの人が,ハットに到着する.
 再び,先ほどの道を辿る.そして,100メートルほど進んだところから,岩や礫がごろごろと転がっている山道に入る.そして,山道をひたすら進む.やがて,山道は次第に嶮しい様相になりはじめる.結構な急坂の上り道である.山道の周辺はブナの密林になっている.私は,
 「甘く見てはいけないな・・」
と自分を律しながら先へ進む.


■地響きのような滝の音
 今朝ほど,ガイドから,
 「・・・サザーランド滝を見学するならば,夕食に間に合うように,遅くても16時45分までにはハットを出発してください・・・」
と,あらかじめ注意を受けている.
 靴を履き替えるのに,多少の時間的なロスはあったが,まだ時間はたっぷりある.急ぐことはないので,ユックリと先へ進む.
 それでも,滝はまだかな,まだかな,と思いながら,多少不安な気持ちのまま歩き続ける.道は次第に急傾斜になる。どこまでも,登山道が続くように思えてくる.だんだんと心細くなる.
 歩き出してから,1キロメートルほど進んだ辺りから,腹の底に響くような滝の音が響いてくるようになる.そして,1.5キロメートル付近まで到着すると,登山道の傾斜がなだらかになりはじめる.滝が近いためか,登山道は次第に水浸しの道に変わる。

■“ビショビショだよ”
 濡れた平坦な道を歩いていると,前方から,ハットに一番乗りした夫婦が戻ってくる。私とすれ違いざまに,大げさな仕草で,
 「・・・こんなにびしょ濡れに(soaking wet)なっちゃったよ・・・」
と言う.
 「うわあ~,ビショビショですね・・」
私も釣られて,不器用に大げさな仕草で返事をする.
 私は,どうして,彼らがあんなにビショビショになったのかなと半信半疑で先へ進む.

■迫力満点の滝
 なるほど,滝の数100メートルほど手前から,すさましい水しぶきが吹き荒れている.
 更に進むと,強烈な台風の中に立っているような強い風と水滴である.目の前一杯に巨大な水柱が「ドドドド~」と轟音を発しながら落下している.辺り一面に粗い水粒が渦を巻きながら降り注いでいる.とても,とても,これ以上先へは進めないし,写真も全く撮ることができない.ましてや,スケッチをするなんて到底無理.
 「・・・条件さえ良ければ滝の裏側へも廻れます・・・」
と現地ガイドは言っていたが,それどころではない.ほんの少し,滝を見物しただけで,もう,頭から足の先まで水浸しになってしまう.
 ガイドの説明によると,サザーランド滝の落差は540メートルもある.世界で5番目の大滝だという.しかし,昨日来の大雨で,今日の滝は大幅に水量が増している.折角,滝の近くまで行ったけれども,猛烈な水しぶきを全身に浴びただけで,滝の全貌は全く見えなかった.
 「日本だったら,多分,立ち入り禁止になっているだろうな・・」
と想像する.

■大げさに仲間達に伝える
 やむなく引き返すことにした.帰途,ツアー仲間と次々に出会う.私は先ほどの英国人夫婦の真似をして,大げさな身振りで,
 「いやあ~・・大変ですよ.こんなにビチョビチョになっちゃった・・!」
を連発する.

<翌日(2月2日),少しは馴れたところからサザーランド滝を眺める>

<夕食そして就寝>

■ロビーで雑談
 夕食まで時間がある.私はシャワーを浴びて,濡れた衣類を脱ぎ捨てて,乾いた衣類に着替える.1人でベッドに座っていても仕方がないので,ロビーに行く.そしてセルフサービスのコーヒーを賞味する.
 三々五々と集まってくるトレッカーと,他愛のない会話を楽しむ.どうせ片言の英語なので,込み入ったことは話せない.日本に興味のある方から,いろいろと聞かれるが,言いたいことの半分も伝えられない.

■夕食
 18時丁度に夕食が始まる.
 例によって,われわれに付き添っている3人の現地ガイドが 夕食の準備,後片付けを全部こなしている.大変な働き者である.
 夕食後,暫くの間,雑談.そして,就寝.
 こうして,トレッキング3日目は無事終わった.
                            (つづく)
「ミルフォードトラック」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4f61ecdc4a959ea506995c21c3e271a2
「ミルフォードトラック」の次回の記事
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