中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

ノルウェー紀行;第8日目;ガルホピッケン登頂(2);山頂を極めて下山

2013年10月14日 17時15分12秒 | ノルウェー;カルホビッケン登頂

                                 <ガルホビッケン山頂からの眺望>
 
 ノルウェー紀行;第8日目;ガルホピッケン登頂(2);山頂を極めて下山
           (アルパインツアー)
      2013年8月19日(月)~8月30日(金)

第8日目;2013年8月25日(土) (つづき) 

<コース地図>


※再掲;この地図はアルパインツアー社とは無関係です.正確さは保証しません.

■山頂付近の見取図


<ガルホビッケン山頂>

■山頂近くで休憩
 13時46分,ガルホビッケン山頂の山小屋が見える小ピーク(標高2372メートル)で,休憩を取る.この辺りは大きな石が一面にゴロゴロと転がっていて踏み跡もない場所である.
 気温は10℃.でも山麓から冷たい風が吹き上げてくるので,休憩中には防寒具が手放せない.
 上空にはいくらか雲が湧いているが,まずまずの天気である.
 私は,眼下に広がる氷河と雪山の雄大な景色に感動する.


<雄大な景色を眺めながら休憩>

■山頂はもうすぐだ
 休憩を終えて,13時53分に歩き出す.まずはけれども急な岩稜下りである.距離は短いけれども,足許が悪いので,緊張しながら下る.
 ガルホビッケンの山頂が右手前方に見えている.その手前にピラミッド状に聳える小ピーク(標高2438メートル)が見える.
 私たちは急坂を下ってから,さらにこの小ピークを越えてガルホビッケン山頂を目指す.登るのが嫌になるほどの岩稜続きで,緊張感を強いられる.山頂が直ぐそこにあるように見えるが,実際に歩いていると,焦れったくなるほど歩き出がある.

<山頂が見える>

■ガルホビッケン山頂に到着
 最後はなだらかな上り斜面である.直ぐ目の前に山頂が見えているのに,もどかしいような焦れったいような気分で登り続ける.そして,小さな無人小屋の脇を抜けて,14時28分に,やっとガルホビッケン山頂(標高2469メートル)に到着する.
 スピターストゥレーン小屋から歩き出しのが8時30分だった.したがって,山頂まで約6時間もかかったことになる.スピタストゥレーンとガルホビッケン山頂の間の累積登攀高度は約1400メートルである.したがって登攀速度は,
  1400m/6.0h=233.3m/h
ということになる.
 “やっぱり,大分,時間がかかったな.塔ノ岳とは大分違うな…

というのが率直な印象である.
 山頂は意外に狭くて,岩塊ばかりなので,落ち着いて座れる雰囲気ではない.
 日本の山の山頂には,必ずといって良いほど神社が祀られているが,ここの山頂には日時計のような粗末な標識があるだけ.山頂に神社があると,やれやれ登ったぞという気持ちになれるのは日本人だけかな.その点では,ガルホビッケン山頂は少々寂しい.
 狭い山頂で,一同,交替で記念写真を撮る.

<ガルホビッケン山頂>

登頂記念の集合写真
 山頂からほんの少し下の広い所で,全員の記念写真を撮る.2人のツアーリーダーが,参加者のカメラを集めて,繰り返し写真を撮る.
 若手のツアーリーダーが,「北欧最高峰ガルホビッケン登頂!!」と何枚かの用紙にプリントしたものを参加者に持たせる.面白い嗜好である.
 それにしても,1人の落伍者もなく,参加者全員が山頂まで登ったのは凄いことだなと思う.

<山頂で記念の集合写真を撮る>

<山頂からの風景>

■幾重にも重なる白銀の山々
 山頂から360度の展望を楽しむ.
 まずは南の展望である.幾重にも重なる白銀の山々と,その手前の氷河の眺めが素晴らしい.形式を眺めながら,
 “やっぱり,苦労して登ってきた甲斐があったな”
と思う.

<山頂から残雪が美しい山々を望む>

岩稜の山
 反対側を見ると,先ほど登ってきた小ピークが目の前に見えている.
 “ああ…また,あの小ピークを越えて,山麓まで戻るんだ”
 多分,下りも大変だろうなと思う.

<山頂から小ピークを見下ろす>

<下山開始>

■にわかに腹痛
 14時56分,ガルホビッケン山頂から下山開始である.
 最初はなだらかな下り坂だが,やがて最初の小ピーク越えになる.岩礫がごろごろと転がっている小ピーク越えも結構きつい.それに緊張が強いられる.
 数名の人が小ピーク脇の雪渓を下って,小ピークの登り下りを省略する.私も,
 “しまった~っ! 雪渓を下った方が楽だったかな”
と思ったが,もう遅い.
 小ピークを登っている最中に,突然,下腹部に鈍痛を感じる.昼食の食べ合わせが悪かったのかな.どうも,最近,胃腸が弱くなってきた感じがする.
 15時30分,小ピークの山頂で,展望を眺めながら休憩を取る.
 どうにも腹の調子が悪い私は,こらえきれなくなる.そこで,休憩している場所から少し離れた岩稜の陰で,残雪の中に穴を掘る.もの凄く冷たいので閉口する.終わった後を雪で埋めるが,かなり埋めないと色がしみ出してくるので一寸戸惑う.でも,跡が残らないように沢山の雪を積み重ねる.
 終わると渋り腹も何とか平常に戻る.

■楽しい雪渓下り
 15時37分,
最初の小ピークでの休憩を終えて,2番目の小ピークに差し掛かる.この小ピークも急登と急な下りの岩稜である.数名の方々は,オーソドックスに小ピークの岩稜を登り始める.
 私を含めて残りの人達は,この小ピーク越えを避けて,雪渓を“尻制動”で下るつもりである.
 最初の小ピークと2番目の小ピークの間のコルから雪渓に降りる.蛇足ながら,この雪渓の下には氷河が隠れている.
 15時57分,下の写真で,数名の人が断っている所が尻制動の滑り出し地点である.ずっと下方に2人が立っている所が尻制動の終点である.そこから先は氷河歩きになる.
 次々に雪渓をすべり下る.天然の滑り台である.滑り台の長さはどれくらいだろうか.多分,200メートルほどかな.あるいはもっと長いかもしれない.
 雪の斜面を尻制動で滑り降りるのは実に爽快である.随分と長い距離を滑り降りたが,呆気ないほど短い時間で滑り降りてしまう.

<尻制動で雪の斜面を滑り降りる>

山頂を見上げる
 16時10分,尻制動を終えて,たった今滑り降りた雪渓を見上げる.
 “ありゃ~ぁ…,ちょっとの間に随分と下まで来たな”
というのが率直な感想である.
 先ほどまで居たガルホビッケン山頂が,もう見上げるように高い所になっている.
 “尻制動しないで,小ピークの岩稜を登り下りしていたら大変だったな”
 これ実感である.

<尻制動を終えてガルホビッケン山頂を見上げる>

雪渓を下る
 小ピークの岩稜を登り下りした人達と合流してから,引きつづき雪渓を下る.登りのときに歩いた岩稜の尾根道の直ぐ下の雪渓を,尾根道と並行して下る.軽アイゼンなしの雪渓歩きはちょっと歩きにくいが,岩稜歩きよりは随分と気楽である.
 でも,下山の行程はまだまだ長い.

<雪渓を下る>

<長くて辛い道のり>

■迷いやすい下り道
 雪渓歩きが終わり,長い岩稜下りが続く.勿論,踏み跡など全くない.岩に書かれた赤いペンキを目指して,ガラガラとした岩礫の間で,歩き易い足場を自分で差がしながら歩く.ところが,肝心のペンキの目印にも,新しいものと,古いものがあるので,現地ガイドでもときどき迷うことがある.それに,何とも書くが実に歩きにくい.
 16時30分から16時42分まで岩稜の中で休憩を取る.

<迷いやすい岩礫を下る>

山を眺めながら休憩
 17時05分から17時10分まで,岩礫の斜面で休憩を取る.前方には,先ほどまで見下ろしていた山脈が見える.何時の間にか,々山脈を見上げる位置まで下っている.
 気温が少し下がっているらしく,ジッとしているとちょっと寒い.

<山を眺めながら休憩>

■立派な道標
 休憩を終えて,また歩き出す.下りも随分と長い.当初は丹沢山から大倉まで下る程度だと予想していたが,文字通り“道なき道”の岩稜歩きなので,予想以上に時間がかかる.
 18時50分,ここは分岐でもないのに,このコースでは珍しい立派な道標が立っている.ちょっと感激.早速写真を撮る.

<立派な道標>

<スピタストゥレーンはもうすぐだ>

ようやくスピタストゥレーンを見下ろす
 19時頃,眼下にスピタストゥレーンの小屋群が見え始める.長い下りにも漸く終わりに近くなったかと安堵する.
 でも,ここから先が意外に長い.

<スピタストゥレーンを見下ろす>

何だか分からない案内板
 19時10分,何が書いてあるか良く分からない案内板の前を通過する.
 “FOLGって何?…蛙みたいだな.MERKA STI …
多分,地名だろうな.”
 “…で,SARBARは? 分からない! VEGETASJONは? 植物のことかな?”
 まあ,さっぱり分からないまま,案内板の前を通過する.案内板の意味が分からないので,何となく気分が悪いし,焦れったい感じがする.

<意味不明の案内板>

平地に出る
 漸く平地まで下山する.
 19時頃,前方にビサ川(Visa)に架かる橋が見え始める.これまで踏み跡すらない山道が,この辺りまで来ると,舗装はされていないものの,立派な道路になっている.
 “もう少しで,今日のトレッキングも終わりだな.”


<橋が見える>

スピタストゥレーンに到着
 19時17分,橋を渡ってビサ川の左岸に到着する.目の前にはスピタストゥレーンの建物群が広がっている.
 19時20分,漸く,出発点のスピタストゥレーン小屋本館前に到着する.
 ガルホビッケン山頂を出発したのが,14時56分.したがって,下山に要した時間は,休憩時間込みで4時間24分(4.40h)も架かったことになる.下山速度は,
    1400m/4.40h=318.2m/h
であった.1時間当たり300メートルを越えているんなら,まあ,まあの下降速度だったなと思う…あの岩稜だらけのみちにしては…
 ツアーリーダーが,
 「皆さん,時間が押しているので,このまま夕食にします…部屋に戻らずに食堂に行って下さい.」

<スピタストゥレーン前の橋を渡る>
                                        (つづく)

前の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7c08ede30dfa432dc6c68fd3f2285e56
後の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/caae21f7cddb08c026f0f0731ab02c49
目次と索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/48f4e4d4ec64fe58371168794f7289c2

※記事の正確さは保証しません.





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。