寸又三山:沢口山・朝日岳登頂記(3)
(山旅スクール山岳会スタンダードコース)
2007年5月13日(日)~14日(月)
第1日目:2007年5月13日(日) 晴
<沢口山山頂を目指して>
■東神奈川を出発
いよいよ待望の寸又三山を訪れる日である。
早朝,5時10分に家を出発する。もうすっかり夜が明けて,爽やかな気温になっている。5時過ぎと言えば,つい1~2ヶ月前まで,暗くて寒かった。そんな寒くて暗い中を,週に1~2度は塔ノ岳へ通い詰めてきたが,ほんの一寸月日が流れただけなのに随分と気持ちの良い季節になったと実感する。
大船から東海道本線,京浜東北線を乗り継いで,6時30分に集合場所の東神奈川に到着する。集合時間の7時15分まで,まだ時間があるので,駅近くのコーヒーショップでモーニングティーを楽しもうと思ったが,東神奈川駅近くには適当な店が見当たらない。
7時少し前に,三浦観光のチャーターバスに乗り込む。同行者は約10名。大半が山旅スクール第6期の卒業生である。Flower-hillと同期の5期生は,自分を含めて,たった2名である。しかも,アルカリ性の自分以外は全て女性ばかり。この先が思いやられる。スタッフはサンダーNとヤマンバさんである。
帝国7時15分,私達を乗せたチャーターバスは,東神奈川を発車する。
■寸又温泉郷へ
どこをとう通っているのか,普段自家用車であまり出歩いたことのない私にはサッパリ分からないが,8時50分に藤川SAに到着する。買い物を済ませて,9時05分に藤川SAを出発,くねくねとした山道を辿って,11時19分に寸又峡温泉中央にある駐車場広場(標高510m)に到着する。
広場の目の前に,私達が今夜宿泊する翆紅苑の建物が見えている。2階建ての中規模の旅館のようである。
■木馬の段ルート登山口へ
駐車場広場で荷物整理をした後,11時28分に駐車場を出発する。
沢口山の登山ルートは,木馬の段ルートと猿並平ルートの2ルートがある。木馬の段ルートは沢口山の西側の尾根を登るルート,それに対して,猿並平ルートは東側の尾根を登るルートである。どちらも登山口から山頂までの標高差は,ほぼ同じだが木馬の段ルートの方が水平移動距離は短い。
<沢口山登山口>
今回,私達は木馬の段ルートを辿って登る予定である。
温泉街を抜けて,11時31分にかじか沢登山口(540m)に到着する。ここでストレッチを済ませて,11時42分に登山を開始する。
■登山ルートが地形図と微妙にずれている
すぐに西北西に向かう急な登り坂になる。広い谷間の左岸のジグザグ道を登り続ける。最初からかなりユックリとした速度で登り続ける。手許のスントの高度計を見ていると,分速6~7メートルで登っている。時速に直すと300~400メートルの速度になる。辺り一面は檜林である。
地形図を確かめながら登り続けるが,途中から,実際の登山道が,地形図上の登山道と,かなりずれていることに気が付く。本来ならば斜面を直答する筈だが,微妙に西側へトラバースするようになる。そして,12時08分,地形図上の登山道よりも150メートルほど低い標高750メートルの位置で,南南西に延びる尾根筋に出る。ここで10分ほど休憩を取る。
その後,尾根筋に沿って登り続ける。やがて,稜線上にTV中継アンテナが見え出す。手許の高度計を見ると標高820メートルである。エアリアマップに示されているTVアンテナの位置とは,大分ずれているように思えるが良く分からない。周囲は檜林と雑木林が交互に混じり合っている。
■イワカガミ群生地から木馬の段へ
12時51分,イワカガミ群生地(945m)を通過する。辺り一面にイワカガミが見事に群生している。さらに登り続けると,登り勾配が次第に緩やかになる。小さな登り返しを通過して,13時13分に展望所(1095m)に到着する。ここで10分ほど休憩を取る。ただ,展望所にしてはほとんど眺望がないのが残念である。
<イワカガミ群生地>
12時26分に展望所を出発した私達は,さらに登り続ける。相変わらず大きなブナが混じる雑木林が続く。高度が増すにつれて,新緑の若葉が小さくなってくるのが分かる。明るい雑木林の新緑はとても清々しい。
13時41分,木馬の段(1155m)に到着する。辺りは明るい雑木林に囲まれた小さな広場である。ここでほんの1~2分立ち休憩を取って,再び歩き出す。花の名前は良く分からないが,白い可憐な花が,私達を和ませてくれる。
<可憐な花が気持を和ませる>
■富士見平
14時04分,富士見平(1275m)に到着する。ここは,猿並平ルートとの合流点である。尾根から少し下ると眺望が開けている。
<富士見平の眺望>
手前の山が何処かは良く分からないが,その山の奥に真っ白に雪化粧した富士山が春霞の中で茫洋と見えている。南アルプスもここまで南下すると,大分富士山から遠ざかっているらしくて,威圧感を感じるほどには大きく見えていない。ここで10分ほど休憩を取る。
■鹿のヌタ場
14時15分に富士見平を出発する。この辺りからは稜線の幅が広くなる。雑木の疎林で覆われたなだらかな山並みがくねくねと続いている。やがて,前方の少し低い場所に700~800平方メートルほどの小さな沼地が見えてくる。鹿のヌタ場である。
<鹿のヌタ場>
登山道は,わざわざこの沼地を半周するように作られている。だらだら道を少し下って,16時32分,鹿のヌタ場(1320m)に到着する。ここで8分ほど休憩を取る。
沼の傍らにミズナラの大木が生えている。この大木を背景にして集合写真を撮る。
<ミズナラの大木>
※画面の解像度が悪いので写真から人物が特定できない
と判断して掲載した(問題が生じたら消去する)。
沼には大きな蛙が住み着いている。水面を揺らすと,泥の中から大きな蛙が,「何事か?」というような仕草で顔を出す。
■沢口山山頂に到着
14時40分に鹿のヌタ場を出発する。ここから暫くの間,急傾斜の登り道が続く。そして,14時56分,私達は沢口山山頂(1425m)に到着する。山頂はそれ程広くないが,北側の展望は素晴らしい。屋根付きのベンチも設置されている。山頂の傍らには電波塔が建っている。
私達は暫くの間,沢口山からの展望を楽しんだ。
(つづく)
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