中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ルアペフ山・タラナキ山登頂記(32)ニュープリマス空港へ向かう

2006年05月08日 07時36分57秒 | ニュージーランド:ルアペフ・タラナキ

ニュープリマス空港へ向かう
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2006年2月3日(金) その1


 早朝に目が覚める。何時頃だろうか。
昨日の霧雨で,私の腕時計「スント」が壊れてしまった。何時だか分からない。枕元に置いていたデジカメのスイッチを”on”にして,時間を見ると,もう5:50である。もう,起き出しても良かろう。私は,ベッドの中でもう部を被り,ヘッドランプを付けて,昨日の資料まとめを始める。しかし,後で気が付いたが,実は,私のデジカメの時間は1時間早く設定してあった。したがって,私が5:50だと思ったが,実は,4:50だった。その後,ウトウトと眠ったり,目覚めたりしながら,ベッドの中で過ごす。
時間があるので,トンガリロのビジターセンターで購入したCDのジャケットを取り出して見る。ジャケットにビニールカバーがないのに気が付く。
「・・・これは,おかしいぞ!」
と思い,ジャケットを開けてみる。ジャケットの中にCDが入っていない。空である。迂闊にも,私はショーケースに置いてあった空のジャケットを,中身も確かめずに購入したことになる。わずか千円程度のものだから諦めるしかないが,自分の迂闊さに嫌気がさす。
7:00にモーニングコールの電話が掛かる。資料整理を途中で止めて,7:25,ロビーへ降りる。まだ誰も降りてきていなかったが,間もなく全員が揃う。
7:30から朝食である。レストランに入る。先客がチラホラと見える。例によってバイキング。私はカロリーの取りすぎに注意しながら,料理を選ぶ。まずは前菜,トマトジュースと各種の果物を選ぶ。トマトジュースは特に美味である。それに,ヨーグルト,パン,紅茶などで朝食を済ませる。
9:00にバゲージダウン。少し眠くなるが我慢する。
まだ,出発時間まで,1時間ほど余裕がある。
もう,ニュープリマスを訪れることもないだろうと思うと,少々寂しくなる。ニュープリマスの名残を惜しむために,もう少し散歩しておこうと思い立つ。
9:20,ホテルを出る。丁度そのとき,先に散歩に出ていたビアンコさん達がホテルへ戻ってきた。私は一人でホテル周辺を散策する。ホテルの裏手に出てみる。道路の両側は,木々の緑がむせかえるほどに豊かである。歩道には誰も居ない。静かな街である。私は,道路の片隅に座って,裏手から見たホテルをスケッチする。近くの土手に白い花が咲いている。この花もスケッチする。ホテルの周囲を回り込むように歩き回る。途中ですれ違ったのは,ほんの2名だけである。私も,こんな静かな素敵な町に住んでみたい。
9:54,ロビーへ戻る。
もう,ビアンコさん,ドッジご夫妻,酋長さんがロビーで,ぼんやりと待っている。私もぼんやり組に参加する。
10:25,送迎バスが到着する。すぐに乗車して発車する。今日の送迎バスは,一昨日からお世話になっている日産製の中古バスである。運転手がとても親切である。飛行機が出発するまで少し時間があるので市内観光をしながら空港へ行こうと提案してくれる。
私は,道すがら,添乗員のSさんに,迂闊にも空のCDを買ってしまったことを報告する。
バスは,どこをどう通っているのか分からないが,まずはセントメリー教会の前を通過する。この教会は,海岸の石を少しずつ運んで造ったものだという。次いで,10:35,サッカーで有名なオールブラックスの本拠地であるサッカー場の前を通る。しかし,金網の塀しか見えなかった。その後,このサッカー場の近くにあるチャーチルヒル(Churchill Hill)という丘に登り,ここで下車する。広い丘は芝生で覆われている。日差しが強い。
丘から東を見ると,昨日登ったタラナキ山が良く見える。鋭く尖った山頂が,時折,雲間に見え隠れする。やはり素晴らしい山である。鋭い稜線が聳えるタラナキ山は圧巻である。良く見ると,先端が二つに割れている。向かって左側の峰が例の「サメの歯」である。昨日,私達は今見ているタラナキ山の裏手から登り,この「サメの歯」の付け根のリムに登った。そして,そこから雪渓のクレーターを横切り,もう一方の峰に登ったのだ。私達はタラナキ山の雄姿を何枚も写真に収める。

10:52,チャーチルビルを発車する。坂を下り,ホテル近くから続くメインストリート(Main St.)から続くデボンストリート(Devon St.)を北東に進む。途中でセカンダリースクールの脇を通過する。セカンダリースクールでは,13歳から大学へはいるまでの間,通う学校だという。
11:02,スコットストリート(Scott St.)を右折して海岸沿いの道を進む。やがて大きなガスタンクが並ぶ海岸沿いの近くでバスは停車する。小高い丘の上の道である。目の前には鋭く尖った小山が聳えている。スラペフロックである。添乗員のSさんは,このスラペフロックに登った経験があるとのことである。山頂付近は鋭い岩稜になっており,時々,降りられなくなって助けを呼ぶ人がいるそうである。
 11:07,バスに乗り込む。Sさんが,運転手と何か話をしている。すると,運転手が自分の携帯電話で,どこかへ電話している。細かい話の内容は良く分からないが,どうやら私の購入した空のCDのことで,トンガリロのビジターセンターへ電話をしてくれているようである。有り難いことである。Sさんが,私の所へ来て,
「・・・ネーティブの方に交渉して貰った方が良いと思いましたので,運転手に頼んで,ビジターセンターに電話して貰いました・・・・後で,私が確かめのファックスを送っておきます・・・」
という。私の不注意で,空のCDを買ってしまったので,完全に諦めていたが,少しばかり希望が見えてきた。
 そんなこんなで,少し遅れて,11:12にバスが発車する。これから空港へ向かう。バスはニュープリモスの中心部を走っている。11:23,海岸線が左に見えてくる。近くには,ベルウオークウェー,全長7キロメートルがある。すれ違う車を見ていると,圧倒的に日本車が多い・・・この辺りから,つい,ウトウト。得体の知れない夢を見るが,すぐにどんな夢だったか忘れる。
 「・・・もうそろそろ空港に着きます」
という添乗員の声に目が覚める。
 11:40,私達はニュープリモス空港に到着する。
          (第32話おわり)



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