中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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フラフラしながら登る丹沢:大倉尾根(今年21回目)

2011年05月09日 11時14分15秒 | 丹沢の山旅

                               <堀山付近に豆桜>

       クラクラしながら登る丹沢:大倉尾根(今年21回目)
                (単独山行)
           2011年5月8日(日) 


■もう5月も中旬になる
 先月(4月)26日に塔ノ岳を往復して以来,随分と日数が経ってしまった.
 26日の実績は,登り所要時間が2時間21分,自分の体調からすれば,まあまあ満足できる記録であり,このまま登山を続ければ,今年も何とか無事に過ごせるかなと思っていた.
 所がその翌日の4月27日,所用があって東京へ出掛けようと思って,家を出たら,どうも目眩がクラクラして,足許がフラフラする.これは大変だと直感して,東京行を取りやめて,近くにある鎌倉記念病院に駆け込んだ.
 長い間待たされて,医師の診断を受ける.横に寝かされて頭を右左に動かされ,クラクラするかチェックを受ける,つづいて足の裏など数カ所を棒のようなもので擦って感覚以上がないか確かめる.膝下をブラブラさせた状態で膝小僧を叩いたりした後,
 「特に問題はないですね・・・ついこの間撮った頭のCTに異常はないし,高年齢になると目眩は良くあることです.自然に治りますので,今日は薬も出しませんよ・・」
ということで追い返される.
 他の専門病院を訪ねて,さらなる診断を受けようかと思っていたが,折からの大型連休でそれもままならない.その内に,3人の子ども達が,孫を連れて入れ替わり立ち替わり我が家を訪れるので,結果的に山はおろか医者にも行けないまま,何日か経過した.
 その間,5月2日には,旅の知人2人とともに,藤沢のフジ史跡ロートを歩き回った.このときは,まだクラクラ感が幾分残っていて,全くよろけずに真っ直ぐ歩くのがきつい感じであった.
 その後,医師の診断通り,日ごとに症状は快癒し,5月7日には,真っ直ぐな路を歩くのには,ほぼ差し支えないところまで回復した.では,山道を歩いたらどんな感じだろうと思って,今日,5月8日,とりあえずは大倉尾根の堀山まで往復してみようと思い立つ.
 そろそろ,夏山の供えも必要なので,飲料水を3リットルほどもって,リュックの目方をおよそ10キログラム程度の重さにする.何時もは7キログラム程度にしているので,少々重めである..
 例により渋沢発大倉行1番バスに乗車する.日曜日なのでバスは満員.K女史,韋駄天のTさん,Sさん,三角髭のTさん,丹沢ウッズさん,K大Nさん,Y川さんなどのご常連の顔も見える.

■身体が重い
 7時10分頃,バス停大倉から歩き出す.例によって韋駄天組は,バス到着と同時に歩き出すが,私はまたもやモタモタ.今日は日曜日なので,どこかの係員が来て,登山者全員に登山届を提出させている.そんなこんなで,随分と出発時間が遅れてしまう.
 歩き出して直ぐに今日の体調が最悪なことを自覚する.今日は最初から堀山の家で引き返すつもりなので,気楽と言えば気楽である.
 登山道に入る.足許に敷き詰められた石が濡れていてヌルヌルと滑って歩きにくい.
 こんなときに,どうしてもクラクラ感が蘇生してくる.足許に気が取られてなかなかリズムに乗った歩きができない.
 それでも何人かの登山客を追い抜いて,7時22分頃,丹沢ベースを通過する.やがて,前方にK女史に後ろ姿が見え出す.
 「ご無沙汰しています・・・」
と挨拶して,とりあえずは先へ行かせて貰う.
 7時48分,見晴山荘を通過する.ここまで,大倉を歩き出してから37分経過している.
 「やっぱり,今日は本調子でないな・・随分と遅いな・・」
と思う.
 やがて目の前に見晴山荘の急坂が見え出す.沢山の登山客が数珠つなぎになっている.
 登山道の両側の森から,ツツドリの啼き声が盛んに聞こえてくる.
 今日は気温が高い.手許の寒暖計では,もう20℃を越えている.

<見晴山荘からの急坂;登山客が数珠つなぎになっている>

■駒止茶屋
 駒止茶屋手前の急な階段に差し掛かる.リュックが重いのと,体調不良で,なかなか思うような速度では登れない.ユックリ時間を掛けて登り続けて,8時21分に駒止茶屋を通過する.
 ここまで,大倉を歩き出してから,1時間12分も掛かっている.何時もより5~6分ほど余計な時間が掛かっている.
 急階段を登っている間に,転倒しないように随分と気が張っていたので,駒止山荘を通過して大倉尾根の平地に入った途端に,何とも形容しにくい疲労感に陥る.

■堀山からの富士山
 やがて,堀山の尾根に到着する.ここからは,なだらかな尾根道になるが,何時ものように足早に歩く気がしない.スタミナ切れである.だらだらと平坦路を歩き続ける.
 少し雲が多いけれども,富士山が良く見えている.
 歩き出してから,ここまで,こんなに遅い速度でも,何人かの登山客を追い越したが,逆に随分と沢山の登山客に追い越されてしまう.
 途中,尊仏山荘の小屋番Oさんとすれ違う.
 「やあ,こんにちは,ネコ元気ですか?」
 「元気ですよ・・私が辞めてもネコ大丈夫ですよ」
 「えっ! 辞めないでしょう」
 「いや~ぁ・・先のことなど.どうなるか分からないですよ」
とOさんが意味深なことをいう.

<堀山の尾根からの富士山>

■堀山の家
 8時44分,当面の目的地だった堀山の家に到着する.家の前の小草平には若い方々ばかりの登山グループが休憩を取っている.
 堀山の家は,もう開店営業中である.有名なオーナーも,外に出て接客している.
 当初の登山目的は,堀山の家までであった.
 ところが,ここまで来ると,多少クラクラでも,何となくもう少し登ってみたくなる.私は迷った末に,もう少し登ることにする.

■萱場平
 ここから先は,当初予定になかった付録なので,気楽に登り続ける・・・が,足許を確かめるために,あちこちを見ている内に,クラクラの頻度が増してくるような気分がする.
 そこで,何時もの調子で登るのを諦めて,ごくユックリペースで登り続けて,9時07分に,やっと萱場平に到着する.萱場平には人の気配はなく静まり返っている.
 大倉を歩き出してから,1時間58分経過している.体調が普通の時ならば,花立山荘に到着している時間である.


■ご常連と擦れ違う
 ガレ場を登っていると,ご常連のKシゲさんが下ってくる.すれ違いざまに,
 「やあ,珍しい方とすれ違いますね.今日は早くに登り始めましたので,楽に登れましたよ・・」
と言う.
 暫く登っていると,今度は三角髭のTさんが降りてくる.
 「やあ,今日は蒸し暑いですね・・」
とTさんが私に挨拶する.
 「今日はすっかり出遅れて,やっと今頃,こんな所を登っていますよ・・」
 それにしても,同じバスに乗り合わせたご常連と,こんなに低いところで擦れ違うとは,情けない.

■辛い後7分坂
 その後も,調子が上がらない.
 若い登山者に次から次へと追い抜かれる.それでも,9時20分頃,後7分坂に到着する.何時もならば塔ノ岳山頂直下の階段を登っている頃である.
 今日は,後7分坂の階段が殊更に長く感じる.リュックも重いし,2本ストックで支えているから良いものの.足許もおぼつかない.坂の途中で1呼吸入れる.坂の途中で立ち止まるなど,ここ数年全くなかったことである.

■花立山荘
 喘ぎに喘いで.標準7分の坂を15分も掛けて,9時35分,漸く花立山荘に到着する.
 山荘前から富士山が見えているが,写真を撮る気もしないほど疲労困憊である.写真はやめて,数分立ち休憩を取る.
 ここまで登れば,山頂まではあと僅かなことは,充分に分かっている.あと,どんなに時間が掛かっても,10時10分頃には塔ノ岳山頂に到着するだろう.所要時間は3時間を少々オーバーするが標準時間内には充分到着するに違いない.
 でも,今日は山頂まで登っても,小屋番のOさんが居ないのでは,ネコのミー君に会える宛もない.そう思うと,途端に,登頂意欲が損なわれる.

■早々と下山
 でも,もともと今日の登山目的は堀山の家であった.
 私は随分と迷った末,リハビリ1回目の安全登山であることを優先して,花立山荘でリタイアして下山することに決める.

■ご常連すれ違う
 9時39分,花立山荘を出発する.山荘直下の急坂は,クラクラの私には鬼門である.2本ストックを注意深く使って,転倒しないように,1段1段,丁寧に下り始める.
 下り始めて直ぐに,下から登ってくるK村女史とすれ違う.
 「あれ,FHさん.もう下るの・・」
 「はい,何だか調子が悪いので,花立山荘で引き返します・・」
 「そうですか・・それが良いです,無理しないで,何時までも登りましょう・・」
 そうこうしている内に,一人の男性が,私の脇を追い越していく.韋駄天のTさんである.どうやら私に気がつかなかったらしい.
 後7分坂の下りが長いのなんのって・・・登り以上に時間が掛かる.そこから先のガレ場を降りるのも随分と苦労する.その間,何人もの登山客に追い抜かれる.
 11時45分,やっと見晴山荘まで下山する.ここから先,大倉までは,急な下り坂はないので,やっと何時もの調子に戻る.
 花立山荘を出発してから,実に2時間51分掛けて,12時30分に漸く大倉バス停に到着する.12時40分の渋沢駅行きバスに乗車する.今回は達成感がほとんどない悔しい登山になってしまったが,来週にももう一度チャレンジしたいなと思っている.それまでにクラクラ感が完治することを願うのみである.とはいえ,時々はこうした心身の不調を重ねながら,だんだんとあの世に近付いていくのだから堪らない.

■母の日
 小田原で東海道本線に乗り換えて,14時少し過ぎに自宅へ戻る.
 当初の堀山登山には,もちろん成功したのだから,当初の目的は達成しているには違いないが,塔ノ岳の途中までしか登らなかったので,どうの達成感は皆無だ.でも,いつも以上に心身ともに疲労困憊である.すぐに風呂を沸かして入浴する.風呂に入ると気分は,まあ,まあに戻る.
 夕方,北鎌倉に住んでいる長女一家がカーネーションを持って来訪.我が家の玄関は,3人の子ども達が,それぞれ持参したり贈ったりしたカーネーションがズラリ.そういえば今日は母の日だった.
 長女一家を含めて,5人で賑やかな夕食を楽しむ.
 食事をしながら,私は心の中で,
 「来週も塔ノ岳にリベンジしよう・・・」
と密かに思っている.

<ラップタイム>

※山頂まで行っていないので参考値

 7:09  大倉歩きだし
 7:30  観音茶屋
 7:49  見晴茶屋
 8:21  駒止茶屋
 8:44  堀山の家
 9:35  花立山荘 着
============================================
 9:39  花立山荘 発
10:43  堀山の家
10:55  駒止茶屋
11:45  見晴山荘
12:03  観音茶屋
12:30  大倉着

[登山記録]

■水平歩行距離
      約6km

■累積登攀下降高度   1078m

■登り所要時間
   大倉    発     7:09
   花立山荘 着     9:35
  (所要時間)   2時間26分(2.43h)
 登攀速度     1078m/2.43h=443.6m/h
 水平歩行速度  6.0km/2.43h=2.47km/h

■下り所要時間
   花立山荘 発     9:39
   大倉    着    12:30
  (所要時間)    2時間51分(2.85h)
 下降速度     1078m/2.85h=378.2m/h
  水平歩行速度  6.0km/2.85h=2.11km/h 

※この登りと下りの数値を見ても,クラクラが如何に下りに影響を与えるかが分かる.
 何時もならば,下りの方が20%程度速く降りるのが普通だが,クラクラだと下りに
 転倒し
ないいように,細心の注意を払うので,随分と時間が掛かってしまう.
 一方では,不調,不調と言いながら,1時間当たり443メートル登っているのだから
 一般的な指標から言えば決して悪い数字ではない.
 だんだんと,何が何だか分からなくなってくる.
                                  (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ed0a8d8436424410246b408849e3114a
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/fc61e7731283d1cf6f290627172b2ead





 




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2 コメント

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お大事に。 (若葉マーク)
2011-05-11 14:09:44
こんにちは。御無沙汰しております。
最近やっと余震が減ってきて普通の生活に戻ってきましたね。
私はここ2カ月ほどひどい地震酔いに悩まされていまして、目眩の苦しさを初めて味わいました。
GWは実家の岡山で静養したできたおかげですっかり良くなり、また山登りを楽しみたいと思ってます。
FHさんの目眩も早く良くなりますように。
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コメントありがとうございます. (FH)
2011-05-11 19:03:51
若葉マークさん

コメントありがとうございます.
若葉マークさんのようにお若い方でも目眩に悩まされることがあるんですね.

まして,ロートルの私など,多少の目眩で,ヤケになってはいけないなと勇気づけられました.

目眩を感じてから2週間が過ぎました.
今は普通の立ち居振る舞いでは全く目眩はありませんが,急ぎ足で歩いていて,急に立ち止まったりすると,その瞬間に,クラクラがあり,つい足元がふらつきます.

平素,あまり病気をすることがないまま過ごしてきた私は,ちょっとした体調不良でも針小棒大に心配してしまう嫌いがあるようです.

今週は2~3のグループとの散策のお付き合い,来週は横浜の県民ホールで開催される展覧会に水彩画を出品する関係で,ほとんどが展覧会場貼り付け.

その間,合間を見て,塔ノ岳に再チャレンジできたらいいなと思っています.

どうも有り難うございました.また,当ブログをお尋ねくさい.
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