中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ルートバーン(31):ルートバーントレッキング第3日目(5)

2011年05月08日 17時24分15秒 | ニュージーランド;ルートバーン

                                    <夕暮れのワカチブ湖>

       ルートバーン(31):ルートバーントレッキング第3日目(5)
              (湘南カラビナ隊)
        2002年1月25日(金)~2月5日(日)

第7日目:2005年2月2日(水)
 (つづき)

31 ディナーパーティ

<レセプション>

■レセプション会場へ
 いよいよ,ルートバーントレックのフェアウェルパーティ,つまり打ち上げ会に参加する時間である.私と同室のフクロウは,風邪が悪化しているのか,ベッドでフウフウ言っている.かわいそうだなと思ったが,私は,18時19分に,
 「そろそろ行きましょう」
とフクロウを促す.フクロウは相変わらず「ゴホン,ゴホン」と変な咳をしている.
 18時23分,ロビーに全員が集合する.すぐに会場へ向かう.打ち上げ会の会場は,私たちが宿泊するノボテルホテル2階のレストランである.30人ほどが座れるように大きな「ロ」の字形に机が並べてある.右側にガイド3人がもう着席している.参加者はガイドを取り囲むようにそれぞれが座る.私たちは,Sさんの指示で,片隅に並ぶように座る.私個人は,こんな機会だから,グループ別ではなく,適当にバラバラに座って,よその国の方々と雑談したかった.しかし,今回は集団行動なので,おとなしくSさんの指示に従う.
 私はたまたまテーブルの角に座ることになった.角を挟んで私の隣に仁王様が座る.その隣に,バーダーさん,消防署員が続く.消防署長やノシイカさん達女性軍は私の向かい側に座る.
 私の隣には,例の東京組2人が座る.
 
<レセプション会場>

■美味しいディナー
 とりあえずは,アルコール類の注文である.私の廻りの人たちが積極的にアルコール類を注文している.私も,廻りの勢いに押されて,とりあえずは赤ワインをグラスで注文する.6ドルである.一同揃っての乾杯もなく,何となくレセプションが始まる.
 お隣の仁王さんは,私と一緒に赤ワインを注文したが,私が半分も飲まない内に,もう追加の白ワインを注文している.私の斜向かいのノシイカさん,消防署長付近は,賑やかに盛り上がっている.皆さん,今日はブラウスをお召しである.いつもリュック姿しか見たことがない私は,見たことのない別人が座っているように思える.
 それに対して,男性群の集団は至って静かである.
 いよいよディナーが始まる.まずは前菜.赤ピーマン,黄ピーマン,アボガド,むきエビなどがスパイシーなドレッシングで和えてある.冷たくて,さっぱりしている.なかなか美味しい.
 次いで,メインディッシュ.少々食べ過ぎの懸念がある私は,あえて健康食,ベジタリアンを選んだ.4角の大きなお皿に,いろいろな具が綺麗に盛りつけてある.

■陽気なウエイターとメインディッシュ
 ウエイターが大げさな身振りで,メインディッシュを持ってくる.その動作が面白かったので,私は,ウエイターに,もう一度同じ仕草をして貰ってデジカメに収める.

<陽気なウエイターがメインディッシュを運んでくる>



■デザート
 デザートは色々なフルーツを寒天で固めて三角に切ったものである.それにアイスクリームが盛りつけてある.名前は良く分からないが,食べるとシャキシャキ感があって美味しい.


■東京組に振り回される
 私の隣に座った東京2人組が,私に私のミルフォードサウンドトレッキングの記録資料を見せてくれと言い出す.
 「また,あとで・・・」
と一旦断るが,今見たいという.
 私は仕方なく,自室に戻ってミルフォードサウンドの資料を持ってくる.だが,そのとき,この2人組は,私に見せてくれと強要したことを,もう忘れてしまったらしい.盛んに席を立って別の人と話をしたり,席に戻ったりで,落ち着かない.
 私は敢えて自分の資料をお見せするつもりはないので,ディナーが終わるまで机の下に資料を置いたままにしておく.

<完走認定書を貰う>

■認定書の授与式
 19時51分,現地ガイド3人が,会場の一番奥に並んで立つ.
 「皆さん,ちょっとこちらをご覧下さい」
とガイドのサラさん大声を出す.
 いよいよ,完走証明書(Certificate of Achievement)の授与式である.
 「皆さん,3日間,どうでしたか.ワタシも楽しみました」
と,ちょっと英語的な日本語と,英語で挨拶を始める.
 「これから,証明書をお渡しします.このしおりの中には,証明書と私たちの会社の社長の挨拶,それにアンケートも入っています.英語,日本語どちらでも結構ですから,書いてください.書かない人は,サインだけしてください.あとで,ワタシが勝手に良いことだけ書きます」
と参加者を笑わせる.
 「ミルフォードトラックとルートバーントラックの両方に参加した方には,特別の賞を差し上げます」
 どんな順序になっているのか分からないが,次々に名前が呼ばれる.そして,1人ずつ前に出てチャドから証明書を受領する.その度に,取り巻きが写真を撮る.
 ハイライトは,ノシイカさんが証明書を受領したときである.彼女は跳びあがりながら全身で喜びを表現する.その様子を見ていた参加者全員が,思わず拍手を送る.

<認定書授与式>

■認定書の中身
 私も証明書を貰う.照れ屋の私は,大げさな身振りは,てらいがあってできない.でも私なりに嬉しさを表現して,写真に撮って貰う.
 (※写真31-2を挿入)
 証明書は,B6版の大きさに2つ折りになった表紙の中に入っている.表紙にはどこの写真か分からないが,雪を戴いた山の写真が印刷されている.そして,上の方に
  「ROUTEBURN WALK, GREENSTONE WALK」
と黒い字で印刷されている.下には白抜きで「FIORDLAND, NEW ZEALAND」の文字が浮き出ている.
 中を開くと, 完走証明書
   ここに山欠菌氏はルートバーンガイデドウオークを完走したことを証明する
と書いてある(注1).
 その下に,3人のガイドの名前が印刷されている.
 証明書と一緒に参加者全員の写真が挟み込まれている.そして,社長のメッセージを印刷した紙が入っている.社長のメッセージは以下の通りである.
 「トレッキングお楽しみの皆様 おめでとう.そして,クイーンズタウンへようこそ! この数日間が貴方にとって素晴らしい経験だったと思います.
 この旅をより良くするために,何かご意見,あるいは不都合なことがありましたら是非お聞かせ下さい」(以下略.注2)
 さらに,参加者名簿が挟み込まれている.これを見ると,デンマーク,ニュージーランド,イギリス,カナダなど,実に沢山の国々から参加していることが分かる.
 「もう少し,これらの方々と交流してみたかったな」
と思ったが,後の祭りである.
 21時30分頃,流れ解散となる.
 レストラン入口でワイン代6ドルを支払う.


<クイーンズタウンの夜>

■暮れゆく湖面
 レセプション会場を出る.
 まだ,外は明るい.このまま真っ直ぐホテルに戻って,寝てしまうのはもったいない.その足で,バーダー,仁王様と3人で,暫くの間,湖岸を散策することにする.
 ルートバートレッキングのリセプションが終わった後,フクロウは具合が悪いらしくて,すぐに部屋へ引き上げる.私は,仁王様,バーダーと3人で,ホテルの庭先へ出る.そのすぐ先がワカティブ湖の湖岸になっている.
 夕方(と言っても21時近い)の湖面が夕日で赤く染まるのを,満ち足りた気持ちで,暫くの間,眺めていた.まだ,辺りには沢山の観光客がいる.皆,暮れゆく湖面に見入っている.沢山の鴨が夕日に光る水面で黒いシルエットになって揺れながら浮かんでいる.
 やがて,21時過ぎになる.さすがに辺りは薄暗くなる.私たちも,そろそろ湖畔から引き上げることにする.
 私は,いろいろなことを記録するために,トレッキングの間,ずっと分厚いノートを1冊持ち歩いている.何かにつけて,私がこのノートにいろいろなことを書き付けている.ノートを持ち歩く内に,表紙が破れてしまう.何とか補修したいが,あいにく私はセロテープの類を持ち合わせていない.ところが,仁王様が粘着テープを持っているという.自室に帰りしなに仁王様の部屋に立ち寄って,このテープを分けて貰う.

<21時頃夕日が沈む>

■ホテルに戻る
 21時10分,部屋に戻る.薄暗い部屋の中で,フクロウが弱々しくベッドで横になっている.フクロウが,
 「灯り点けて良いですよ・・」
と弱々しく私に言う.でも申し訳ないので,部屋の入口以外の電気は点ける訳にはいかない.まずは,トイレと歯磨きを済ませる.
 部屋の中は,冷房がないために,蒸し暑い.窓を開けてみるが,全く風が入らないので,一向に涼しくならない.仕方なく,そのままベッドに入る.そして,毛布を被る.毛布の中でヘッドランプを点して,ごそごそとメモを書き留める.
 22時10分頃,少し眠くなる. 添乗員のSさんに戴いた「熱ざまシート」を右足首に貼り付け,その上から靴下を履く.ベッドに潜り込むが,靴下を履いた右足が,何となくウサウサした気分がして,落ち着かない.
 すぐに寝付くが,23時30分頃,目が覚めてしまう.その後,夜中の2時頃,4時頃と,2時間ごとに目が覚めてしまう.暑いので,無意識のうちに,毛布を蹴飛ばしている.Sさんから,
 「寝るときは,枕を右足の下に置いて,捻挫した足首を高くしてください」
と注意を受けているが,平素から寝相が悪い私は,寝付くと無意識のうちに,すぐに枕を蹴飛ばしてしまう.
 眠れないままに,これまでのトレッキングを,あれこれと回想する.
 まず,今日.足を痛めた翌日ながら,素晴らしいテーピングのお陰で,ほぼいつもの通りのピッチで完歩することができた.素晴らしい1日であった.
 美しい風景の中を,毎日歩いた.まるで,毎日が夢のようであった.
 トレッキングの途中で,Sさんから,ニュージーランド北島の様子を何回も伺った.北島には火山を中心とした歩きごたえのあるコースが沢山あるという.北島には南島にはない独特の魅力があるらしい.
 私たちは,今回のニュージーランド(新しい爺さんのランド)に対して,パロティの名前「オールドバーランド計画(古い婆さんのランド)」と名付けて,実現を目指す.気心が知れていて,登山技術も「そこそこ」持っていて,山行文化の同じ仲間同士で,是非,実現したいと真剣に思っている.
                                 (つづく)

(注)
1.原文は次の通りである.
  CERTIFICATE OF ACHIEVEMENT, This is to certify that (私の名前) has completed the Routburn Guided Walk
2.原文は次の通りである.
  Dear Trackwalker, Congratulation and welcome to Queenstown! I hope that the last few days have been a really enjoyable experience for you. If you have any suggestions to improve our operation – or any criticism – I would be delighted to hear from you. Enjoy your final evening with us and have a safe return to your respective home. Thank you for walking with us. John Davis CHAIRMAN OF THE BOAD

「ルートバーン」の前の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4e1a742fcca6af6ebbfedb34825021a6
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[編集後記]

2011年5月8日(日)
 ・蒸し暑い

 医師に取り上げて貰えなかった「クラクラ感」は,発症以来1週間を過ぎた.昨日辺りは,大分落ち着いてきたが,まだ急に方向転換したり,頭を振ったりすると少しクラクラすることがある.丁度,弱い地震の時に感じる船酔いのような感じに良く似ている.とにかくジッとしていれば何の違和感もないし,平地を普通に歩いている分には,なんの不便もないのだが・・・
 何時までもこんなことで,グダグダと家で蜷局(とぐろ)を巻いていても仕方がないので,今日は思い切って堀山登山に出掛けた,堀山は丹沢塔ノ岳の登山ルート,大倉尾根の中程にある山である.そろそろ大きな山へも行きたいので,そのテストを兼ねて,何時もより水を2リットルほど多くリュックに入れる.さらにツエルド,着替え一式など,準本番体制の装備をする.リュックの重さは正確には計っていないが多分10キログラム弱はあると思う.
 大倉からいざ歩き出すと,路面の石は滑りやすいし,気温も高い.ツツドリの声や豆桜を鑑賞しながら登り始めたのは良かったが,一苦労.
 今日の目的の堀山の家までは何とか辿り着いた.欲が出て,当初の目的を越えて花立山荘を目指す.途中のガレ場を登っている内に,頻繁に方向転換するし,登山道の様子を見るために視線をあちこちに向けなければならない.途端に「クラクラ感」が誘発される.
 私は体力には充分に余裕があったが,花立山荘で登山を打ち切った.でも下りのシンドイこと.勿論,今日は万全を期してダブルストック.転倒することはないが,とにかく神経を使う.やっとの思いで,大倉バス停まで下山する.
 大倉発12時40分のバスに乗車して,14時過ぎに帰宅する.
 何だが妙な具合に疲れた.
 このときの記録は,一両日中に,このブログに掲載する予定である.
 来週,もし「クラクラ感」が軽減されていたら,今度はリュックの重さを6~7キロ程度に抑えて,もう一度堀山までの登山をしてみたいなと思っている.
 それにしても,この「クラクラ感」,早く快癒しないかなと,つくづく思う.
 夕方,北鎌倉に住んでいる娘一家が孫を連れて我が家に来る.母の日のプレゼントだといって,大きな鉢植えのカーネーションを持ってくる.今夜も親子三代が顔を揃えた夕食である.ハッピー,ハッピー.
                           (愚痴終わり)



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