照葉峡・榛名山散策(3)(完)
(山旅スクール第5期同窓会)
2007年10月28日(日)~29日(月)
第2日目 10月29日(月)(つづき)
<榛名湖へ>
■キノコを買いあさる
早朝5時頃目覚める。暫くの間,布団の中でジッとしていたが,間が持たないので,朝風呂に入って,時間つぶしをする。
昨日の懇親会と同じ場所で,7時30分から朝食。
<洞之荘の朝食> <食堂の飾り付け>
8時31分に,昨日と同じフジバスのチャーターバスに乗車,洞之荘を出発する。私達を乗せたバスは木の根沢に沿って下り続ける。そして奈良俣ダム近くを通過後は,一路南に向かって進む。
途中,8時33分,道路沿いのキノコ売り場に立ち寄る。ほぼ全員がキノコ売り場に殺到して大混雑となる。私は最初からキノコなど買う気がないので,やや離れたところから,クールな気分で,荒々しいおばさん達の競争を面白く拝見させて頂く。その内に,「お地蔵さん」と「隊長」のお二人が,売り子のボランティアを始める。お二人のキビキビした対応ぶりには感心させられる。このお二人は,多分,優秀な添乗員になれるだろうと勝手に想像する。
<キノコを買いあさる> <美味しそうなキノコ>
■榛名湖駐車場
私達の仲間が買いあさったので,売り場にあったキノコの大半は売り切れてしまった。
8時44分にキノコ売り場を出発する。多分,キノコ屋さんは,突然,沢山の買い物客が押し寄せたので,台風に襲われたような気分だったと思う。
バスは更に南下する。そして,9時44分に天城高原SAに立ち寄る。広い駐車場に泊まっている車はほんの数台で,何となく閑散としている。特段,買いたいものもないので,のんびりボンヤリと出発時間を待つ。9時58分に天城高原SAを発車する。
秋の柔らかい日差しを浴びながら,私達を乗せたバスは,やがて北の方向に新路を取る。この辺りの地勢に詳しくない私には,バスがどの辺りを走っているのか,はっきりとは分からないが,10時48分に榛名湖駐車場に到着する。さすがに有名な観光地である。沢山の観光客で賑わっている。
<相馬山>
■榛名富士散策組と相馬山ハイキング組に分かれる
私達は,榛名湖駐車場で,のんびり榛名富士観光組と,相馬山ハイキング組の二手に分かれる。のんびり観光組は,添乗員のヤマンバさんに付き添われて,ここからリフトに乗って榛名富士(標高1,300m)へ向かう。そして,散策組はガイドのサンダーさんの案内で,近くの相馬山を訪れる予定である。相馬山には,私もスクール1年目に訪れたことがあるが,ほとんど記憶に残っていない。
私は相馬山ハイキング組に入り,秋の榛名高原を満喫することにする。
11時10分,私達ハイキング組は,チャーターバスに乗って,榛名湖駐車場を出発する。榛名富士の南側から北東の方向に向かう自動車道に沿って進み,11時06分にヤセオネ峠(1,110m)に到着する。軽くストレッチをした後,11時19分に,相馬山に向けて歩き出す。
<駐車場から見た榛名富士> <相馬山登山口>
■相馬山を目指す
11時22分に相馬山登山道入口に到着する。程良く紅葉した樹林帯の中を進む。直ぐに紅い鳥居を潜る。その後も雑木林の中を,なだらかな散策路が続く。傍らに「利根霊神」「泰姫霊神」などと書かれた大きな石碑が並んでいる。ここは,どうやら信仰の道のようである。
<石碑の群> <大きな鳥居を潜る>
11時45分に大きな石仏の前に到着する。ここは,磨墨岩方面に向かう散策路の分岐点(1,235m)でもある。ここから古びた石段が始まる。落葉が石段を埋めている。落葉を踏みしめながら,石段をユックリと登る。そして,11時47分に紅い大きな鳥居を潜る。鳥居の真ん中には「相馬山」と書かれた額が取り付けられている。
登山道は次第に急勾配になる。やがてハシゴも現れる。所々に大きな石碑が建てられている。急勾配のヤセオネを注意しながら登り続ける。そして,12時13分に相馬山山頂(1,411m)に到着する。
<階段が始まる> <相馬山山頂>
山頂には黒髪山神社の社殿がある。立派なお社である。社殿の周りには沢山の石塔が建てられている。ここからの鳥瞰は素晴らしい。少々霞がかかっているが,眼下には見事に紅葉した榛名湖畔や周辺の山々が良く見える。
<黒髪山神社の説明文>
<磨墨岩>
■昨日生まれた豚の子
12時33分に相馬山山頂を出発する。急傾斜の斜面を注意しながら下り続ける。その内に,痛子さんたちが,懐メロ「湖畔の宿」を歌い始める。これを聞いていた私は,戦時中に流行った「替え歌」を思い出した・・・
“昨日生まれた豚の子は
ハチに刺されて名誉の戦死
豚の遺骨は何時帰る
四月八日の朝帰る
・・・・・・・・”
この後の句は,残念ながら忘れてしまったが,私がこの替え歌を口ずさむと,周りの方々が面白がって真似をする。その内に,皆で替え歌を歌いながら,急傾斜の坂道を下り終える。
ガイドのサンダーさんが,
「初めて皆さんが,スクールで,ここを下ったときは,オッカナビックリだったのに,今は鼻歌を歌いながら下れるんですから,ずいぶんと進歩しましたね・・・」
と呆れている。
■磨墨峠
13時01分に分岐まで戻る。私達は分岐から磨墨峠の方へ向かう。なだらかな下り坂が続く。素晴らしい紅葉の樹林帯を進む。とても気分がよい。
13時11分にヤセオネ峠とスルス峠の分岐点を通過する。そして,13時19分に磨墨峠(1,135m)に到着する。とても眺望の良い広場である。辺り一面にススキが生えている。ここから振り返ると,今,下ってきた相馬山が鋭く聳えているのが見える。前方を見ると,奥歯のような形をした磨墨岩が聳えている。
その内に,ガイドのサンダーさんが居なくなる。何処へ行ったのかなと思っていると,いつの間にか磨墨岩の山頂に居る。若い彼は,山頂で足を上げたり手を振ったりして,私達を驚かす。何人かが,
「危ないから止めてよ・・」
と叫ぶ。
<磨墨岩:右端の人影がガイド> <行人洞への案内板>
■磨墨岩に登る
やがて,ガイドが戻ってくる。
「あの岩に登りましょう・・・皆さんなら,大丈夫ですよ」
と私達を誘う。あんな凄い岩に登れるのかなと半信半疑だったが,13時27分に,兎に角,磨墨峠を出発する。平らな遊歩道を歩き始めると直ぐに磨墨岩に向かう枝道に到着する。枝道を入ると間もなく急な登りになる。
やがて,行人洞へ向かう道を左に分岐して,さらに急な登りになる。急坂の途中にリュックを置いて,更に岩場を登る。最後に20段ばかりのハシゴを登ると,磨墨岩頂上(1,135m)に出る。
頂上からの見晴らしは最高である。左手に榛名湖を見下ろせる。その右には榛名富士が聳えている。さらにその右には紅葉真っ盛りの樹海が一面に広がっている。
山頂で全員の記念写真を撮る。狭い山頂が幸いして,なかなか面白い記念写真を撮ることができた。
<磨墨岩の山旅スクール5期メンバー>
<沼ノ原からスカイメルテ渋川へ>
■行人窟
13時58分に磨墨岩から下山を開始する。
私は,後から下山する人を待っている間に,一寸足を延ばして,行人窟を見学する。大きな祠の側にある線彫観音像が見事である。
その後,ススキが見事な平原を横切って,14時09分に「ゆうすげの道入口(1,130m)」を通過する。そして,14時22分に沼ノ原(1,105m)に到着する。
<行人窟> <線彫仏>
■スカイメルテ渋川を目指して
14時40分,バスに乗車して沼ノ原を出発する。
バスに乗った途端に眠くなる。ウトウトと居眠りをしている内に,バスは順調に走り続けて,15時22分に,スカイメルテ渋川に到着する。円筒形の奇抜な外形の温泉施設である。
受付の脇にさりげなくザクロが置かれている。高い天井。壁には見事な絵が2枚飾られている。
2階に風呂場があるが,ヤケに高い階である。備え付けのパンフレットによると,2階の高さは地上15メートルのようである。
大きな浴場は実に気持がよい。ロビーからの眺望も素晴らしい。
入浴後,休憩室で,うどんを賞味する。具沢山で美味。
<スカイテルメ渋川> <美味しいうどん>
<一路帰宅>
17時00分にスカイメルテを出発する。途中高坂SAで休憩を取り,19時52分に町田駅に到着する。ここから小田急,東海道本線を乗り継いで,21時頃帰宅する。
[ラップタイム]
第1日目 10月28日(日) 晴
7:15 新横浜発(フジバス貸切)
8:34 高坂SA着(8:55発)
11:02 洞之荘(11:20発:フジバス)
11:52 群馬県自然の野営場着
12:33 歩き出し
12:53 峠着(12:58発)
12:59 山頂の分岐
13:11 往路に戻る
13:15 自然の野営場着(13:26発:フジバス)
13:34 1420m地点で下車
13:42 照葉峡着(13:46発)
14:47 湯ノ小屋取水堰着(15:10発:フジバス)
15:18 洞之荘着
18:30 夕食
第2日目 10月29日(月) 晴
7:30 朝食
8:31 洞之荘出発(フジバス)
8:33 キノコの屋台着(8:44発)
9:44 天城高原SA着(9:58発:フジバス)
10:48 榛名湖駐車場着(11:01発:フジバス)
11:06 ヤセオネ峠着
11:19 歩き出し(1110m)
11:44 石段に到着
11:45 分岐(1235m)
12:13 相馬山山頂着(1411m)(12:33発)
13:01 分岐(1235m)
13:19 磨墨峠着(1135m)(13:27発)
13:42 磨墨岩山頂着(1130m)(13:56発)
14:09 ゆうすげの道入口(1130m)
14:22 沼ノ原着(1105m)(14:40発:フジバス)
15:22 スカイテルメ渋川着(※入浴・食事:17:00発:フジバス)
17:49 高坂SA着(18:11発)
19:25 セブンイレブン着(19:36発:フジバス)
19:52 町田駅前着
(おわり)
多分に専門的でよく理解できないこともありますが、その筋の人には興味津々の紀行文ですね。そして、たいへんな筆力です。
山歩き的紀行文を発刊されたらいかがですか!!!
このところ、ブログ記事更新をサボっていましたけれど、ようやく一段落しましたので、ひと休憩です。ぼつぼつブログ記事更新再開したいと思っている今日この頃です。
またお伺いします。
わざわざ私のブログにお運び頂き有り難うございました。
紀行文発刊のご提案を頂き有り難うございました。その気も多少あるのですが,なかなかコマーシャルベースに乗った本を出版するのは困難なようです。
私も専門書は単著・共著を含めて,過去に10数冊発刊しておりますが,その約半数は,何らかの出版補助を受けて,やっと発行しております。
でも,バロン様のご助言もありますので,将来,何らかの形で,出版も考えてみたいと思い始めております。
その節は,またご助言を頂ければ幸いに存じます。
とりあえず御礼まで。