<高架橋を渡ると東尾根が見える>
三浦アルプス南尾根・大峰山縦走(1)
(単独ハイキング)
2009年4月19日(日)
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少々気温は高いが,絶好の行楽日和である.本来の私ならば,こんな日は,早速,塔ノ岳に出掛けるはずだが,あいにく,昨日(4月18日),参加した「鎌っこ倉ぶ」のハイキングの疲れが若干残っていたためか,思わず朝寝坊してしまった.そうなると,もう,わざわざ塔ノ岳まで行く気がしなくなる.
今日一日は,家でおとなしくしていようかと思ったが.晴れ渡った春の青空を見ていると,とてもではないが,家に籠もっている気にはならない.そこで,早速,三浦アルプスに出掛けることにした.
朝食を済ませて,そそくさと出掛ける.そして,10時前にJR田浦駅に到着した.南尾根を行こうか,それとも北尾根か,あるいは中尾根かと迷ったが,結局は南尾根を辿った.その後,序でに,大峰山(三ヶ岡)を縦走して,森戸神社を参拝した.その後は海岸線とバス通りを,JR逗子まで歩いた.
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<ハイキング地図>
25,00分の1地形図『鎌倉』『横須賀』
<プロフィールマップ>
水平歩行距離 14.5km
累積登攀・下降高度 770m
<田浦梅林へ>
■急に思い立って出発
朝から上々の天気である.
本来ならば,こんな上天気のときは,さっさと塔ノ岳へ出掛けるのだが,昨日(4月18日)の「鎌っこ倉ぶ」定例会の疲労が残っていたためか,今朝は,少々,朝寝坊してしまった.私の胸の中には.塔ノ岳は,12時過ぎにバス停大倉まで下山するという不文律ができてしまっている.この不文律を守るためには,どうしても,大船発5時44分の東海道線小田原行きの電車に乗車する必要がある.そのためには,4時過ぎには起床しないと間に合わない.
結局,今朝は5時に起床する.何時もよりも一寸遅い.
「しょうがないな・・・今日は滞っている仕事を,家に籠もって,セッセとやるか・・・」
と覚悟を決める.
少々遅めの朝食を済ませる.2階の自室の机に向かう.すると明るい春の太陽に輝く鎌倉中央公園の森が,いやでも眼に入る.すると,外を散歩したいという気持が,どえらく強まってくる.
■JR田浦駅から田浦梅林へ
私は,8時頃,リュックを背負って,家を飛び出る.何処へ行こうかと迷うが,
「・・・そうだ! 軽く三浦アルプスでも横断してこよう・・」
と思い立つ.
早速,大船まで出る.駅前のコンビニで,おにぎり2個を購入してから,横須賀線に乗って,10時少し前に田浦駅に到着する.田浦駅前は相変わらず人気がなくて閑散としている.私は駅前広場で軽くストレッチをしてから,10時03分に歩き出す.
田浦郵便局前の陸橋を渡って,住宅地の路地を歩く.そして,10時19分に田浦梅林入口に到着する.前回訪れたときは梅祭りの真っ最中だったので,梅林入口の広場には沢山の人達が出ていたが,今日は全く人気がない.
進行方向左手に竹林を眺めながら急勾配の階段を昇る.今日は一人歩きなので,誰にも気兼ねすることがない.私は気楽な速度で階段を上り切って,梅林に到着する.相変わらず辺りには,不気味なほど人気がない.梅林を抜けて,見晴の良い原っぱに到着する.作業小屋近くで作業服を着た職員を1人見掛けるが,日曜日だというのに,散策している客は1人も居ない.
<田浦梅林の展望台>
<三浦アルプス南尾根>
■乳頭山を目指して
10時26分,梅林の一番高い所に建っている展望台に到着する.今日は面倒なので,展望台に昇るのは省略する.立ち休憩をしながら,今日1回目の給水をする.そして,直ぐに歩き出す.やがて,少々急な下り坂を下って,10時46分,横浜横須賀道路の高架橋を渡る.そして三浦アルプス東尾根の山麓に取りかかる.
枝尾根の路を進む.途中から,次第にヤセ尾根になる.二つの小さなコルを越えると,いよいよ急坂の尾根の取っ付きに到着する.ザレた崖に近い急坂を,およそ5~6分上ると東尾根に突き当たる.ここで,
「さて,・・・南尾根へ行こうか,それとも北尾根? 中尾根はこの間行ったばかりだし・・どうしようか?・・」
と1人で迷う.
このとき,5月に五十三次洛遊会の希望者を,三浦アルプスに案内することを思い出す.それならば,一番ややこしい南尾根を歩いて,自分の知識をリフレッシュしておこうと決める.
左折して東尾根を南に向かう.すぐに,中尾根と分岐する.ここからひと登りして.11時04分に乳頭山山頂に到着する.ここで景色を眺めながら,ほんの30秒ほど立ち休憩を取る.
<乳頭山からの眺望>
■小さな上り下りが連続する
ここから南尾根に入る.南尾根には小さな支脈が至る所で分岐しているので,詳細な地形図とコンパスを絶えず駆使していないと,一体,自分が,今,どの辺りを歩いているのか,全く分からなくなる.似たような姿の小さなコルが連続する.その度に,それ程長くはないが,絶えず坂の上り下りを繰り返すことになる.
私がこの三浦アルプスを頻繁に訪れるようになってから,かれこれ10数年の歳月が経っている.その間,歩きにくかった急坂には,電力会社が高圧線補修用の資材を運搬するために,金属製の階段の設置が進んでいる.また,まだまだ数が足りないが,案内標識も何本か建てられた.お陰様で,最近は随分と歩きやすくなったが,それでも油断をしていると,ついつい間違った尾根に入り込みそうになる.
11時07分,畠山分岐を通過する.東から西へ続く尾根に沿った道を進む.11時16分,Y字形の三叉路にぶつかる.尾根を意識しすぎると,ついつい左手の道に入り込んでしまうが,これは誤り.ここは,右側の幾分下り坂になるトラバース道を進まなければならない.
これまで,横浜横須賀道路を走っている車の音が絶えず聞こえていたが,三叉路を通過してからは,さすがに聞こえなくなる.車の騒音に代わってウグイスの啼き声が絶えず聞こえるようになる.辺りはむせるような新緑で覆われている.
<竹藪の中の道>
■複雑に分岐する登山道
心地よいトラバース道を進むと,前方に新しい金属製の階段が現れる.かなり急な登り坂である.左手に回り込むようにして,階段を登り詰めると,小さなコルの上に到着する.ここには東京南線3・4号と書いた板が取り付けられた鉄塔が建っている.鉄塔の下の芝生は格好の休憩所である.
私は鉄塔の下で立ち止まり,地形図とコンパスで現在地を確認する.そうこうしていると,反対側から4人組の老人男性チームが,疲れた,疲れた,を連発しながら,鉄塔下に到着する.私が今日初めて出会うハイカーである.彼らは,ここで早めの食事をするという.
地図上で現在地を確認してから,私は,すぐにまた歩き始める.人間の背丈の2~3倍もある竹林が現れる.竹林を半ばかき分けるようにして,先へ,先へと歩き続ける.11時43分,またY型の分岐に出る.地図で確かめて,右側の道を辿る.そして,また長くて急な登り坂を,半分四つん這いになって,駆け上る.そして,11時48分,一寸大きなコルを通過する.
11時53分,目標番号31の標識を通過する.さらに急坂を登って,11時56分に目標番号30,12時03分に目標番号29と,次々に通過する.
■石碑のあるコル
引き続き森戸川左岸を高巻きするトラバース道を進む.かなり急角度で落ち込んでいる斜面である.
12時06分,森戸川に下る道を分岐する.分岐点には「葉山アルプス連絡尾根の頭」と書いた案内杭が立てられている.
さらに尾根沿いの道を進んで,12時28分に目標番号26のコルに到着する.コルの山頂には三角点が設置されている.地図で確かめると,この三角点の標高は167mのようである.
12時35分に,また三叉路に突き当たる.ちょっと戸惑うが,右の道を選ぶ.そのまま進んで,12時38分に目標番号16のコルに到着する.このコルには小さな石碑が2基安置されている.何時も,この石碑を見ると,もう南尾根の終点も近いなと気分が高揚してくる.
<石碑のあるコルの山頂>
■ちょっと冒険
12時45分,またY字形の三叉路に到着する.目指す仙元山は左の道を選ばなければならない.ただ,右方向にも,かなりハッキリした踏み跡道が付いている.私は,ここを通るたびに,この道を進んだら何処へ出るのか大変興味を持っている.幸い今日は1人旅である.
「・・・ちょっと,枝道に入ってみようか・・・」
とイタズラ好きのもう1人の私が,私を誘惑する.
「よぉ~しっ,・・ひとり旅でないと,こんな道草はできないぞ,行こう!」
私は,まだ歩いたことのない小径に入り込む.長い下り坂になる.やがて私の目の前に小さな山が見えてくる.地図で確かめると,この山を越えて,尾根は森戸川の川辺まで続いているようである.ただ,森戸川に近付くにつれて,等高線の間隔が狭まっているので,かなり急な下り坂になることは確実である.ひょっとすると,川縁が地図で読みとれない崖になっている可能性もある.私はコルの頂上で,これ以上先に行くのは自制する.
コルの上からは,今まで見たことがない眺望が広がっている.眼下には葉山桜山団地の家並みが見えている.その真ん中に大きな水道タンクが立っている.その手前には大きな集合住宅が何棟も並んでいる.左手には,これから行く仙元山がこんもりとした姿で見えている.
13時05分,コルの山頂から,
「今度,(山仲間の)仙人でも誘って,このコルの先から森戸川まで歩いてみよう」
と思いながら,往路を引き返す.そして,13時11分,また元の三叉路に戻る.道草のロスタイムは26分である.
<支脈のコルからの眺望>
■仙元山ハイキングコースに出る
再び正規の登山道を歩く.そして,13時14分,仙元山ハイキングコースに飛び出るようにして合流する.途端に道が良くなる.もう道に迷う心配はない.私は歩き方を,少し,デレデレスタイルにして,ノンビリと先へ進む.この辺りだけ歩くハイカーの数も増える.
2人つれの男性とすれ違う.1人が,私に,
「やあ,今日は,私達と反対廻りですね・・・」
と話しかけてくる.私は,
「今日は,これから横断ですか?」
と答える.
「横断って・・・あの,・・一式海岸まで一回りするんです.一体,どちらから来られたんですか?」
「私ですか? 私,JR田浦駅から歩いてきました」
「えっえェ~・・・田浦って! 東京湾の田浦ですか・・」
なぜか,お二人はビックリする.三浦半島を歩いて横断するなんて考えられないとおいう.そして,
「・・お大事に! 気を付けて・・」
と私にエールを送ってくれる.
私,大いに照れる.
(つづく)
[加除修正]
2009/4/20 転換ミス訂正
2009/4/23 転換ミス訂正,改行位置訂正
「関東・上信越の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/746f5b79b2d33b9890190443fcbe4ce1
「関東・上信越の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3e27bfe37ae43af87e3245623afbe454
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