中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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丹沢:山猫“ミャ~”との交友録(3);スマートトレッカー

2012年03月13日 07時32分55秒 | 丹沢の山旅

                              <FHの愚痴を聞くミー君>

     丹沢:山猫“ミャ~”との交友録(3);スマートトレッカー

2012年3月3日(土)
 
■我が輩は山猫である
 
「ヤア,ヤア,・・・
遠からんものは音にも聞け.近くば寄って目にも見よ・・・」
 身ども,相州丹沢の 深山(ミヤマ)の奥に住まいする 音に聞こえた山猫のミー.
 当年取って12歳 酸いも甘いもかぎ分ける 分別盛りの猫仙人とは オレ様のことよ.
 この頃,常連のお一人が  身どもの元で愚痴話.
 浮き世の性(サガ)は辛いけど これも功徳と聞いてやる・・・
 「・・・まあ,そこなるFHさんよ.そうクヨクヨしなさんな・・・愚痴のひとつも このミーに こぼしてみなよ,気が済むよ・・」
         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と,まあ,この頃,体調が今ひとつのFHはミー君に大いに癒される.
      
      <FHの愚痴話を聞くミー君>

■霧の中の樹氷
 すでに当ブログで,この日の記事は公開済みだが,塔ノ岳山頂は冷たい雲の中,樹氷が見事だったが,昼間から薄暗く寒々とした一日だった.樹氷の写真を撮りながら,名古屋の客人夫妻と,ゆっくり,ゆっくりと登った.

<金冷シ付近の霧氷>

■尊仏山荘
 山荘は登山客で賑わっていた.
 私たち4人もテーブルの片隅に座って歓談する.小屋番のW林さんに写真を撮ってもらうが,顔がはっきり見えないように逆行のまま.この中に,ブログでは滅多に顔を出さないFHも写っている.
 気分が良かったので,名古屋の客人に振る舞ってもらった缶ビールを賞味する.アルコールを口にするのは,今年になってから何回目かな? 多分,2~3回目程度である.
 夕食まで,アルコール(チョッピリだが)を賞味しながら,ゆっくりとした時間を過ごすのも,たまには良いなとつくづく思う.


<尊仏山荘でノンビリと>

■猫だから猫背だよ
 夕食後,また,雑談.客席に座り込んだミー君が,ストーブの温もりでウトウトしている.
 ミー君の背中は猫背.猫だから猫背が当たり前じゃないか!
 そりゃそうだが,ミー君の背中には,何となく哀愁が漂っている.そこが可愛くもあり,哀れでもある.厳しい人生(「ネコ生」っていうのかな)が,この背中に凝縮されているような気がする.
         
          <猫背のミー君>

2012年3月4日(日)

■今日も寒いミー君
 尊仏山荘で2日目の朝を迎える.
 ひとしきり朝立ちの登山客で山荘内は賑わう.大半の登山客が出発すると,山荘には束の間の静寂が訪れる.1番バスのご常連が到着するまでの僅かな時間である.
 私たちは,1番バスのご常連,韋駄天のTさんが,山荘に到着するのを待っている.
 その間,ミー君はストーブの前に座り込んでいる.猫だって,年を取れば寒さが身に堪えるんだろう.
 「お前,何時までも元気でな・・・」
私は無言のまま,心の中で,ミー君を励ます.

<ストーブの前に陣取るミー君>

   *******************************

 ・・・てなわけで,
 去る2012年3月3日,尊仏山荘に1泊したときのミー君の写真と,FHの愚痴話を一くさり・・・

 実は,3月に入ってから,何となく風邪気味で,体がだるかった.
 近所の医者へ行ったところ,どうやら血圧が高いとの指摘を受けた.そこで,毎日,朝,昼,夜と,1日3回,血圧を記録することになった.
 でも,お陰様で,今,血圧はちょっと高めながら,ほぼ安定している.また,運動も従来通りでよいとのことなので,多少,ペースを落とすことに留意しながら(従来から留意しているが),塔ノ岳詣でも週に1~2回程度,続ける積もりである.
 繰り返して書くことになるが,私は,平素,元気にしているので,ちょっとでも体調がおかしくなると,ついつい「この世も終わりか」と必要以上に弱気になってしまう.
 つまり病気に対する抵抗力が極めて弱いことを,改めて思い知らされる.

 ミー君も一緒だと思うが,馬齢を重ねると,目鼻耳は言うに及ばす,五臓六腑にも,どうしてもガタが来る.
 老朽化した機械のメンテナンスコストが増大するのと同じ理屈だ.
 さらに機械より悪いことに,人間の場合は,部品交換がままならない.だから,ガタが来た部品をなるべく大切に長持ちさせながら生きていくしか方法がない.
 健康診断の結果,今のところ,私の五臓六腑に,さしたる問題はなさそうだ.
 でも,折角,親から受け継いだ身なので大切に使うに越したことはない.

2012年3月12日(月)

 眼の定期検診のために,近所の眼科を訪れる.一通りの眼のチェックをする.何故か分からないが,矯正視力が,両目共に1.0に回復している.でも,本人には回復しているという自覚はない.相変わらず両眼視が辛い.
 「確かに年齢相応に濁ってはいるけれど,白内障の手術を受けるほどではないですね・・・」
と医師が言う.でも,まあ,セカンドオピニオンを聞いたらとのことで,横浜の某医院を紹介してもらう.
 眼科を訪れただけで,半日以上の時間を費やしてしまった.
 午後は,水彩画の手入れで明け暮れた.こうして今日一日も慌ただしく過ぎていく.明日,火曜日は野暮用がある.なので,
 「水曜日には,塔ノ岳に行くぞ・・・」
と決心する.

 ついでながら,ときどき変な連想をする.
 今回の連想は「干からび納豆」である.
 あの冷蔵庫に入れっぱなしになっている「食べかけの納豆」.

 半分干からびていて固くなっている・・・箸で無理矢理引っかき回すと,悪臭と共にネトネトしているヤツ.

 私の五臓六腑も,すでに70年以上も連続して使っているので,引っかき回したら,ネトネトと悪臭を放つ“干からび納豆”のようになっているんだろうな.
 臭い納豆ならば,あまり引っかき回さずに,そっとしておいた方が良い.

 こうなってくると,馬齢を重ねた身体で,なお,丹沢に通い続けることは,並大抵なことではないなと,つくづく思う.

 そんなとき,私はハタと閃きを感じる.

 つまり・・・・
 今世の中では,スマートシティ,スマートコミュニティ,スマートライフ,スマートフォーン・・・といった“スマート”ブームである.
 そこで,この際,私は“スマート登山者”になろうと決心する.
 英語で言ったらスマート・・何だろう?
 クライマーでは岩場を登るイメージが強い.ハイカーではちょっと軽い.ではトレッカーかな.まあ,「スマートトレッカー」ぐらいにしておこう.

 私流に考えれば,スマートトレッカーは,
  *とにかく,安全第一
  *絶対に無理をしない
  *臆病なほど危険を避ける
  *マイペースを崩さない
  *他所様に絶対迷惑を掛けない
  *絶対に競争しない
    *気がかりなことが生じたらすぐに登山を中止する
まあ,こんなことがスマートトレッカーの必要条件だろう.

 だから,
   ”オレは,(無理をして)こんなに速く登れるぞ”
  ”こんな凄いところに行って「九死に一生」を得たんだぞ”
なんて,蛮勇を自慢する“自称ベテラン”とは,全く対極の位置にある.

【ヒソヒソ話】
本音を言えば,九死に一生を得たなんて自慢する人とは一緒に山には行きたくない

 だから,私は,
   ”オレ一度も危ない目に会ったことはないぞ・・・”
と鼻をヒクヒクさせながら,自慢することにしよう.

 これが,弱者である私の“山の哲学”である.

      ****************************

 ミー君よ.
 私も,ミー君も,お互いに良い年齢になったね.
 私が塔ノ岳に登るのは,ミー君,お前さんと会うことも楽しいからだよ.

 昨年の流行語大賞は「絆」だったね.

 絆は人と人との間だけでなく,人と猫との間にだってあるもの.ミー君を中心に,ご常連だけでなく,塔ノ岳を訪れる登山愛好家の間で絆が広がればいいなと思っているよ.

      ****************************

 話が逸れちゃったが,先日の私の一時の高血圧は,神仏が私に与えた警告だったような気がする.
 登山,街道歩き,水彩画と,思い切り手を広げたので,神仏が私に“待った”を掛けたんだろう.
 「・・ちと,やり過ぎたかな・・・」
と,自分でも,いろいろなことに没頭しすぎたなと反省している.

 これからは,腐った糸引き納豆のような五臓六腑の持ち主に相応しいスローライフに徹しなげれば・・・

 まあ,そんなわけで,毎日書き
続けてきた当ブログの記事も,これからは,週に1~2度ぐらいは休刊日を設けることによう.

 でも,そんなことを言いながらも,明日は天気が良さそうなので,塔ノ岳へ出掛けるかな.
 もっとも,朝になってみなければ,登るかどうか分からないが・・・
                                           (おわり)

「丹沢の山旅」の旋回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ae6845a2b5b01fc9afbb3586e77f5384
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b65c36a8dd1dbec8e3fa3803bdca3730



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