中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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そろそろ紅葉が見頃になった丹沢;塔ノ岳(今年49回目)

2013年11月06日 18時30分11秒 | 丹沢の山旅

                              <大倉尾根の紅葉>

   そろそろ紅葉が見頃になった丹沢;塔ノ岳(今年49回目)
           (単独山行)
       2013年11月6日(水) 曇

朝晩は随分と寒くなった
 11月ともなると,朝晩はめっきり寒くなってきた.それに夜が明けるのがますます遅くなってきた.こうなると,折角,朝早く目が覚めても,暖かい寝具の中から起き出すのに随分と勇気が要るようになる.
 私は昨夜の内から,
 ”明日は是非塔ノ岳に登るぞ…!”
と自分に言い聞かせていた.そして,朝になって気がいじけてしまわないように,就寝するときに,登山用の戦闘服を着込んで,山用の寝袋に中に入り込んで就寝.そのため,3時半頃目覚めたときには,
 ”よし! 今日は塔ノ岳だ!”
と,いきなり気分が乗ってくる.
 今日は平日.小田原駅で,あの魔の階段二段跳び乗換をしなければならない.慌ただしいことが大嫌いな私は,何時もより1本早い東海道本線大船駅下りの初電,5時10分発に乗車しようと思う.そのためには自宅近くの湘南モノレール駅の初電に乗っていたのでは間に合わない.そこで,何時もよりも1時間早い4時10分に,ノコノコと家を出発.大船駅に向けて歩き出す.
 辺りはまだ真っ暗.寒い.でも,急ぎ足で歩いている内にすぐに身体がポカポカしだす.自宅から大船駅までの距離は2キロメートル余り.我が家は一寸した山の尾根筋に建っているので,大船駅までは一寸した山を下山することになる.その分だけ余計に労力が必要になるが,その労力の総量は,多分,小田原の階段二段跳び乗換に費やされる労力とは比較にならないほど大きいと思う,でも,急かされないだけマシということだろう.それに,細かいことを言えば,湘南モノレールの電車賃170円也がセーブできることにもなる.

ご常連と一緒に大倉から歩き出す
 階段二段跳び乗り換えのときよりも,30分以上早く小田原駅に到着する.今度は小田原駅で時間がありすぎて困る.小田原駅での時間を潰しきれなくて,6時ちょっと過ぎに発車する新宿行の電車に乗車する.そして,6時20分頃,渋沢駅に到着してしまう.勿論,バス停には一番乗り.まるでバカみたい.
 大倉行1番バスは,若干の立ち席が出るくらいの混雑である.ご常連も沢山乗車している.マラソンのHさん,超韋駄天組のNMさんとSTさん,それにTDさん.YUさん,TNさん,NMさん,Hさん,MTさん,NGさんなど多士済々.
 バスは7時前に大倉に到着する.成り行きでTNさん,NGさん,NMさんと一緒に,7時03分に大倉から歩き出す.
 それにしても,毎度のことながら,TNさんの出だしの速度は速い.私など,とても,とても,付いて行ける速さではないが,まあ,行ける所までご一緒しようということで,少々の無理を承知で,後を追う.

見晴階段を一気に登る
 雑事場ノ平の手前で,私たちより先に歩き出したMTさんとHさんに追い付く.それから暫くの間は,5人で付かず離れずの状態で歩き続ける.
 階段の登り口で,年配の男性が,立ち休憩を取っている.私たちが昇り始めると,
 「随分と元気が良いですね…」
と話しかけてくる.
 「ゆっくり一緒に登りましょう…」
とお誘いする.
 「では,皆さんの足手まといにならないようにご一緒します…」
ということになる.
 7時51分,見晴山荘を通過する.そして,このコース最初の難所,見晴階段に差し掛かる.前方には常連の後ろ姿が見えている.TNさんの速度が相変わらず速いので,私はズルズルと遅れ始める.
 そう言えば登り口でお話しをした男性はどうしんだろう? 後ろを振り向いて確かめるが見当たらない.
 階段が終わって,モミジ坂に入るが,この辺りの紅葉が見頃を迎えるのはまだまだ先のようである.私もそれなりの速度で登っているが,TNさんやNMさんにはなかなか付いて行けず,ジリジリと間が空いていく.

<見晴階段を登る>

まだまだ悟りが足りない
 7時55分に一本松を通過する.駒止茶屋手前までの平地で,先行するTNさん達お二人に追い付く.そして,駒止階段を一緒に登り続ける.ここは,まあ,私の標準速度だったので,何とか一緒に登れるようである.NGさんのお話しでは,今日の湿度は40パーセント台のようである.そのためか汗が流れ出すようなこともなく,とても歩き易い.
 8時09分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間06分.思ったより速くない.この程度の歩行速度で,少々厳しく感じるのは,自分が年を取って足腰が弱くなったためだなと,少し情けなくなる.一方では,何時も,あれだけ<
 「…歩行速度には拘らない.自分は登山ができるだけで良いのだ! 登山を楽しむのだ!」
と言い続け,また,これをモットーにしているはずのもう一人の自分が居るという矛盾に,思わず苦笑する.
 ”まだ,まだ,悟りが足りないんだなぁ~!”

<先行のお二人を追って歩き続ける>

■見えない富士山
 堀山の尾根に入る.
 この辺りのなだらかな尾根道は.大倉尾根の中でも歩いていて一番楽しい所である.私は堀山の尾根のように平らな所は何時も高速で歩くようにしているので,ここを歩くときばかりは,先行のお二人の歩行速度がもどかしくて,ついつい追い越したくなるが,どうせ堀山の家からの急坂ですぐにまた追い抜かれるのが明々白々.まあ,平らな所もご一緒しよう…と心の動揺を抑える.
 富士山が良く見える所では,例によって見えない富士山の写真を撮る.写真を撮りながら,自分でも,
 ”なんて下らないことをしているんだ.見えない富士山の写真を撮ってどうするつもりなんだ…”
と自分の行為に呆れている.

<堀山の尾根から見えない富士山の写真を撮る>

紅葉が美しい
 平坦な所では私にも余裕がある.尾根の両側には,紅葉がそろそろ見頃を迎える木々が見え隠れする.私は立ち止まって紅葉の写真を撮っては,またお二人を追いかける.そんなことを何回も繰り返しながら,8時26分に堀山の家に到着する.

<大倉尾根の紅葉1>


<大倉尾根の紅葉2>


<大倉尾根の紅葉3>

萱場平
 私は堀山の家から花立山荘まで40分掛けて登る積もりである.とてもではないが,TNさんやNM女史の高速には付いて行けない.それでも,グダグダと能書きを言いながらも,戸沢分岐手前まではお二方とほぼ一緒に登り続ける.
 戸沢分岐手前で,やや疲労感が出始めた私は,お二人に,
 「どうぞお先に…」
と促す.
 すると,たちまちの内に,お二人と私の距離が広がり始める.
 8時44分,萱場平に到着する.
 ここで何時ものように定点観測の写真を撮る.木道を渡りきった辺りに先行するお二人の後ろ姿が小さく写っている.

<萱場平>

素晴らしい眺望
 萱場平を過ぎてからは,先行するお二人の後ろ姿はますます遠のいていく.もう到底追い付くことは不可能な距離になる.こうなると,逆に私の心情も落ち着いてくる.ゆっくりと周囲の紅葉でも楽しみながら登ろうという気になる.
 ときどき若い人に追い越されるが,逆に途中でへばってしまった人を追い抜く.へばって居る人を見て,総じて言えることは,
 ”頑張りすぎている!”
ということである.人それぞれに,その人の力量に応じた応分の歩行速度というものがある.それを超えて頑張ろうとするから,すぐに汗だくになり消耗する.私の山の師匠が常に,
 ”山では「頑張れ!」は禁句だ…”
と言っていたのを思い出す.
 そんな教育をみっちり受けたはずの私も,ときどき頑張りすぎる傾向があるので,反省しなければ…
 やがて後7分坂に差し掛かる.気温は10℃ぐらいだろうか.曇り空ながら風もなく穏やかである.
 ”急ぐことはない…今日は8分ぐらい掛けて,ユックリ登ろう…”
と気楽に構えて,階段を登り始める.
 階段を3分の2ぐらい登った所で,下山してくる韋駄天のNMさんとすれ違う.一言二言ご挨拶.ついでに後ろを振り返ると,階段道の両側の木々が綺麗に紅葉している.その向こうに相模湾が広々と広がっている.素晴らしい展望である.私は思わず立ち止まって,数枚の写真を撮る.

<後7分坂からの素晴らしい眺望>

花立山荘
 9時05分に花立山荘を通過する.先行のお二人は,多分,今頃花立山山頂へ向けて登っている所だろうなと想像する.山荘前のベンチで休憩を取っている登山客はたった一人だけ.山荘の賑わいには,まだ時間が早すぎるようである.残念ながら,今日は雲が湧いていて,ここからも富士山は全く見えない.
 大倉から花立山荘までの所要時間は,2時間02分.意外に速かった.また,堀山の家からの所要時間は39分.こちらはまあ何時もの通り.やはり出だしの歩行速度が,少し速かったので,結果的に所要時間が短くなったんだろう.
 花立山荘から塔ノ岳山頂までの所要時間は,30分もあれば十分である.9時40分頃には余裕を持って山頂に到着できる.こうなると,随分と気分が楽になる.
 ”ならば,風景の写真などを撮りながら,ゆっくり登ろう…!”

<花立山荘のベンチは,まだ閑散としている>

紅葉の鍋割山稜
 9時14分,花立山を通過する.
 この辺りから馬の背付近まで,進行方向左手に,ずっと鍋割山稜が見えている.今日は残念ながら曇り空なので,紅葉が余り映えないが,それでも見事な紅葉が眼を楽しませてくれる.
 こうなると,もうラップタイムなどどうでも良くなる.見晴の良い所,紅葉が綺麗な所で立ち止まって,写真を撮り続ける.
 9時19分,金冷シを通過する.9時20分,下山してくる韋駄天のSTさんとすれ違う.

<紅葉の鍋割山稜>

■塔ノ岳山頂
 山頂直下の階段で,下山してくる三角髭のTDさんとすれ違う.
 9時34分,塔ノ岳山頂に到着.山頂の気温は4℃.風は吹いていないが大分寒い.山頂では数名の登山客が休憩を取っている.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間31分.花立山荘からの所要時間は29分.もう少し写真を撮らずに登っていたら2時間20分台で登れたかもしれない.何れにしても,今日は随分と登りやすかった.
 例によって山頂からの景色をグルリ一周写真に納める.今日は富士山は雲の中なので,何とも冴えないが,大山だけが僅かに雲間から顔を出している.

<塔ノ岳山頂から大山を望む>

尊仏山荘
 山頂での儀式を終えて,尊仏山荘に向かう.外から窓越しに山頂の中を覗く.YUさんの他に先ほどまで一緒に登っていたお二人,それにまだお会いしたことのない男性客2人が居られるようである.
 窓越しにNMさんの写真を撮るが,ご本人の了承を得ていないので,ブログへの掲載は遠慮しておこう.
 山荘に入る.今日の小屋番はW林さん.300円也のお茶を所望する.
 9時45分頃,ご常連のMTさん,Hさんが相次いでご到着.続いて,次のバスでこられたTTさんも山荘に入ってくる.さらにはNGさんも…今日は湿度が低いために登りやすかったのか.皆さん,何時もより随分と速く登られたようである.
 石油ストーブの前で,華伊達美弥雄氏(ネコのこと)が気持ち良さそうにゴロンと横になっている.正に傍若無人.こういうところが如何にもネコらしくて良いと言える.
 
<尊仏山荘のネコ>

下山開始
 10時28分,そろそろ下山をしようと思う.
 紅葉を見に大山三峰へ廻ろうという方が居られる,私もご一緒しようかと気分が動揺するが,午後,約束の仕事があるので,残念ながら予定通り大倉へ下山することにする.
 金冷シまでは,TNさんとご一緒する.金冷シでTNさんとお別れして,一人旅となる.こうなると,辺りを眺めながら,写真を撮りながらのノンビリ旅になる.
 萱場平を過ぎて,岩稜を下山しているときに,後から下ってきたMTさん,Hさん,TTさんに追い付かれる.ここから先,暫くの間,このお三方とご一緒する.
 11時27分,堀山の家で一呼吸入れる.今日は平日.堀山の家は休業である.小草平のベンチは,かなり閑散としたままである.晴れていれば見える筈の富士山も今日は雲の中である.

<堀山の家>

また何となく一人旅
 堀山の家を通過して暫くして気がつくと,また一人旅に逆戻りしている.もう,こうなったら一人勝手に下山しようと決める.
 途中,ときどき紅葉の写真を撮りながら,気儘に下山して,12時35分,大倉に下山する.
 塔ノ岳山頂から大倉までの下りの所要時間は,2時間07分.何時も通りの所要時間である.
 大倉発12時52分渋沢行のバスに乗車する.結局,大半のご常連と一緒に同じバスに乗車する.
 渋沢と小田原の電車の接続も,まあ,まあ,で14時30分頃,無事,帰宅する.こうして今年49回目の塔ノ岳登山は終わった.
 例によって,帰宅後直ぐに衣類を洗濯.そして,少し熱めの風呂に入って,サッパリとした気分になる.また,クールダウンのストレッチを少し念入りに行う.
 今日も良かった! 良かった!

<ラップタイム>

 7:03  大倉歩き出し
 7:25  観音茶屋
 7:49  見晴山荘
 8:09  駒止茶屋
 8:26  堀山の家
 9:05  花立山荘
 9:19  金冷シ
 9:34  塔ノ岳山頂着(4.0℃)
10:28      〃  発
10:42  金冷シ
10:55  花立山荘
11:27  堀山の家
11:44  駒止茶屋
12:05  見晴山荘
12:17  観音茶屋
12:35  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発      7:03
  塔ノ岳  着      9:32
  (所要時間)  2時間31 分(2.52h)
  水平歩行速度   7.0km/2.52h=2.78km/h
  登攀速度    1269m/2.52h=503.6m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発      10:28
  大倉   着      12:35
  (所要時間)  2時間07分(2.12h)
  水平歩行速度     7.0km/2.12h=3.30km/h
  下降速度     1269m/2.12h=598.6m/h
                                  (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6418e2c0815837dd53175ef78cec1f8d
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f98fbf0c2dadd9b343b05cbf7c019f6d



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