<横浜:オシャレな日本大通り>
2008神奈美展見学
(単独散策)
2008年4月3日(木) 晴れ
■旧友のIさんが展覧会に出展
私の大学時代の友人,Iさんは定年退職後,油絵画家に転身した。ここ数年,私はIさんが絵を出展した展覧会を見に行くことを,とても楽しみにしている。
つい2ヶ月ほど前,何となくIさんの絵を見たくなった私は,Iさんに,
「・・・そろそろ,貴方が出店する展覧会はないの・・・?」
という失礼なメールを,すんでのところで出しそうになった・・・が,何とか出さないで我慢していた。
ところが,つい先日,Iさんから展覧会の案内が来た。それは神奈川美術協会主催「第31回公募展 2008神奈美展」である。
私は,早速,Iさんが会場に来ている4月3日を選んで,展覧会を見に行くことにした。
■関内駅から横浜公園へ
11時過ぎに家を出る。
素晴らしい天気である。もし,展覧会を見る積もりがなければ,私は間違いなく塔ノ岳に登っていただろう。Iさんの絵も見たいが,塔ノ岳にも登りたい。そんな焦れったい思いを抱きながら,大船から根岸線に乗る。
12時過ぎに関内駅に到着する。
Iさんが展覧会場に見えるのは午後からである。このまま展覧会場に直行するには,少々時間が早すぎる。そこで,私は日本大通りを抜けて,暫くの間,山下公園を散策してから,展覧会の会場,神奈川県民ホールギャラリーへ向かうことにする。
まずは横浜球場(正式な名称は知らない)がある横浜公園を横切って,日本大通に出る。折から昼下がりの時間ということもあって,春うららの横浜公園には,沢山のサラリーマン,OL,家族連れが集まっている。公園の花壇には,色とりどりの綺麗な花が咲いている。
私はプロ野球には,ほとんど興味がないので,横浜球場で,今日,どんな試合があるのか全く分からないが,休場から拡声器を通じて,外野席がどうの,内野席がこうのと,私には良く分からない内容のアナウンスを盛んにやっている。
<横浜公園・日本大通で見掛けた花>
■日本大通のタイル
日本大通に出る。
拾い歩道には,飲食店のベンチが並んでいる。若いサラリーマンやOLが連れたって,ベンチに座って,昼食を楽しんでいる。まるで巴里のようにオシャレな街だなと感心する。
歩道で弁当を売っている店がある。5~6酒類の折り詰め弁当を売っているが,ほとんどが600~700円程度である。何となく釣られて買いたくなるが,ここはグッと押さえて,見るだけにする。
やがて大通りは海岸沿いの通りに突き当たる。つい先日,パスポートの手続きに来たときも,この辺りを散策したが,田舎者の私には,今日のまた,街の様子が新鮮に見える。
歩道を見ていると,前回来たときに気が付かなかったデザインのタイルがある。この辺りには沢山の通行人が往来しているが,合間を見て,タイルの写真を撮る。写真を撮るときには,どうしてもタイルの上にしゃがみ込むことになる。通行人の中の何人かが,どれどれ何があるの・・というような怪訝な顔をして,私とタイルを見比べて行く。
<素敵なタイル>
■山下公園
山下公園に到着する。
公園入口のコンビニで,パンと清涼飲料水を購入する。海岸沿いのベンチに座って,海を見ながらパンを囓る。
おりから昼下がり。沢山のサラリーマン,OL,家族連れで,公園は賑わっている。
街の騒音や海からの風が心地よい。ついつい眠くなるが,あまり道草を食っていると,展覧会を見る時間がなくなる。
私は,居眠りをしたいのを我慢して,山下公園を後にする。
<ホール6階から見下ろした山下公園>
■展覧会場に入る
公園を抜けて,神奈川県民ホールに向かう。
私はこのホールを訪れるのが初めてである。玄関前の立派な階段を登るだけで,気分が落ち着かなくなる。
建物の中に入ると,広いホールになっている。こんな凄い建物に入ったというだけで,田舎者の私は落ち着かなくなる。
案内板で展覧会の会場の位置は直ぐ分かった。ホールから階段を降りた所が会場のようである。階段の脇には,制服を着た警備員が立っている。制服を着た警察官や警備員を見ると,気持ちが落ち着かなくなる。別に悪いことをしている訳でもないのに,なんとなく怖い。
こんな時は,わざわざ警備員に声を掛ける。
「展覧会の会場は,どこですか・・・?」
自分でも十分分かっているのに・・・
「あちらです・・・どうぞ」
と警備員は親切に教えてくれる。こんな会話で私の気持ちも落ち着いてくる。
会場入口には受付がある。上品な中年女性が受付をしている。オズオズと会場に入ろうとすると,
「・・こちらにご住所とお名前をお願いします・・・」
と声を掛けられる。
私は言われるままに記帳する。記帳した自分の字を見て,あまりの下手さに苦笑する。
■素晴らしい展示物
会場に入る。
まず,規模の大きさにビックリする。数百点の作品が展示されている。油彩,水彩,パステル画,日本画,墨絵,和紙画,彫刻,染色,織物など多種多様である。
どれもこれも力作揃いである。随分とレベルが高いので驚いてしまう。
会場をグルグルと廻る。
特に水彩画のブースには,私の好みに合っていて,思わず足を止めてしまうような作品が多い。このような作品を見ていると,私も水彩画にチャレンジしたいという衝動に駆られる。
本当は,お気に入りの絵画を写真に撮りたいのだが,これだけは自粛する。
■I画伯の絵
油彩のブースで,I画伯の絵を拝見する。
自分の絵の前に,I画伯が立っている。私がオズオズと近付くと,
「やあ・・・flower-hillさん。ようこそお出で下さいました・・」
とにこやかである。
I画伯の絵は,鎌倉名月院の秋を描いたものである。
<I画伯の絵>
この紅葉の鮮やかさ,つややかさ。それに手前に人物を入れたのが心憎い配慮である。単に鎌倉の秋の美しさを表現しているだけでなく,人物を入れたことによって,観光地の喧噪さ,猥雑さも,この絵からくみ取ることができる。
I画伯の絵の特徴は,大らかさ,明るさにあると,私は常日頃思っている。I画伯の絵を見ていると,何だかホッとする気分になる。だから,時折,I画伯の絵を拝見したくなる。
■私も水彩画を始めるか
実は,今日,私は平素書きためたスケッチ集の一部を持参している。I画伯の批評を受けたかったからである。
I画伯と一緒に,ホール6階にあるレストランに入る。小ジョッキを傾けながら雑談をする。私は,持参したスケッチ集の中から,I画伯の目に停まったものを,大きいサイズに書き直して,水彩画に仕立てたいと思っている。そして,I画伯の見立てもあって,北アルプスの槍ヶ岳山麓でスケッチしたボールペン画を,最初に仕立てようかと思い始める。
「構図の善し悪しもさることながら,絵にはストーリーがなければダメなんですよ。いわゆる起承転結が,1枚の絵の中になければいけないんです・・・」
I画伯は熱っぽく語る。
■歯科医経由で帰宅
沢山の来客があるのに,余り長い時間,I画伯を占有している訳にもいかないので,16時頃,展覧会場を後にする。
ブラブラと関内液胞面に歩く。
球場前には,沢山の野球観戦客が列を作っている。横浜ベイスターズとどこかの野球が間もなく始まるようである。
<花壇の先に横浜球場の観客が並ぶ>
関内駅から根岸線で大船に出る。
その足で,掛かり付けの歯科医を訪れる。もう4回も通院しているのに,なかなか埒があかない。
帰ったら,放り出しっぱなしになっている画材をチェックしようかと思っている。
(おわり)
次回の神奈美会員展の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/fee3787530e00db3d592e23c9a38de2e