中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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閑話休題:どこが涼しいか隣の三毛猫に聞け

2010年07月07日 20時52分24秒 | 閑話休題:日々雑感
                   <庇の上のドラ三毛>

         閑話休題:どこが涼しいか隣の三毛に聞け
             (隣のドラ三毛と私)

2010年7月6日(水
) 曇

 塔ノ岳へ行きたかったが,午後から絵の先輩,Iさんが,鎌倉美術展を見に来てくれるとのこと.よほど,午前中に塔を往復してから鎌倉美術展の会場へ駆けつけようかとも思ったが,もし間に合わなければ,大変失礼になる.私の塔ノ岳行きは,後日に回すことにした.

 ・・・で,午前中は,現在,描きかけの水彩画にチョッカイをかけながら無為に過ごす.雨こそ降らないが,朝から蒸し暑い.
 私の仕事部屋は2階にある.窓から見回すと東から東南には鎌倉中央公園の森,南側には隣の家が見えている.水彩画に飽きると,何となく隣の家や公園の森に目を移す.
 このところ妙に気になっているのが,隣の家に巣くっている三毛猫である.飼い猫か野良猫か,飼い主に伺っていないので良く分からないが,隣家の北側にある軒の上の日陰で,長々と寝そべっている.風通しも良いので,実に心地よさそうである.
 多分,この猫は,将来のことや,自分の体調のことなど,何も考えずに,涼しいところで.気の向くままに,ひたすら居眠りをしている.
 「お前さん・・良いな~ぁ・・・」
と心底から私は羨ましくなる.

 ところで,今の私は,サンデー毎日を謳歌している.従って,基本的には「暇」なのである.ところが「暇」だと,「暇」が「暇」を呼んで,二進も三進もいかないほど忙しくなるから不思議である.少々,幼稚な例えだが,「マイナス×マイナス=プラス」みたいな話である.
 ・・で,Iさんは15時頃会場に来られるという.
 昼食後,Iさんが会場にお見えになるまで,少々時間があるので,自宅から,一旦,大船駅まで歩いて出ることにする.約2.5キロメートルの距離である.歩くには,少々,短距離だが歩かないよりはマシだろう.それに全速力で歩けば,一寸は身体のためになるだろうと思う.そこで,私は自宅から鎌倉中央公園を抜けて大船駅まで全速力で歩き続ける.
 およそ30分で大船駅に到着する.まだ時間があるので,3ヶ月ぶりに10分1000円床屋に立ち寄って,サッパリ.
 風通しの良くなった首筋が涼しくて気持ちがよい.

<鎌倉中央公園>

 
15時少し前に会場に到着する.
 間もなく,Iさんも会場に姿を見せる.Iさんと,小一時間,会場の絵を見て回る.一回りした後,鎌倉芸術館の隣,元三越のあったビルの2階にある某レストランでお茶を飲みながら雑談をする.
 私の絵に対するIさんのコメントは,結構,厳しかった.
 「・・まあ,前回,神奈美展にFHさんが出した絵が60点だとすれば,今回の絵は75点.前回よりも良い絵だよ.でも,80点は上げられないよ・・」
 その後,Iさんのコメントは,
 「・・絵にはストーリーがなければダメです.ただ風景を描いたのでは,だだの写生ですよ・・」
と手厳しい.
 確かに,Iさんの言うとおりである.私も,自分の山に抱いている情感を何とか自分の絵で表現したいなと思っている・・・が,それが,なかなか出来ない.
 「・・・少し,色彩学に関する本を読んだ方が良いですよ・・」
と,Iさんが私に助言する.
 Iさんが,少々「上から目線」で助言するのが気になるが,でも指摘は尤もである.色彩による情感の表現についての基礎的な理論があるのならば,是非,学びたいと思っている.

 実は・・・
 今回の展覧会で,素晴らしい風景画を沢山拝見した.どの絵も,とても私などには到底及ばない絵ばかりである.ただ,これらの風景画に描かれている山の絵に,私はどうしても違和感を持ってしまう.
 その理由は,どの絵も,背景の山が平面的にしか描かれていないような気がしてならないからである.
 例えば,山の紅葉を描いた絵は,確かに美しく描かれている.雪山の絵は,真っ白な雪が見事に描かれている.
 でも,でも・・,
 私にはどうしても納得できない.
 私は素人ながら沢山の山に登っている.アイゼンを履いたり,岩を這い上がったり・・・
 山は美しいが,同時に厳しい.いくら紅葉が見事な山でも,美しい紅葉の陰にある岩肌はゴツゴツしていて厳しい.それに山の核心部にはメラメラと燃えたぎるマグマが活動している.そんな山の実質が,これらの絵からは感じ取れないのだ.
 私は,下手でもいいから,山の表面だけを見ていては分からない山の厳しさ,奥底で燃えたぎるマグマなどを,何とか自分の絵の中で表現できないかなあ・・・って,迷い続けている.

 夕方帰宅する.
 私が出掛けるときには,軒の上で気持ちよさそうに寝そべっていた三毛猫の姿がない.夕暮れどきを迎えて,ノソノソと食べ物のあるところへ出掛けたのだろう.
 私は,夕食後,また描きかけの水彩画の前に座り込む.


2010年7月7日(木) 雨後曇後雨

 今朝も4時に起床する.
 今日は特段の約束もないし,用事は貯まっているものの,特に今日中に仕上げなければならないものもない.この所,塔ノ岳に行きそびれているが,今日は絶好のチャンスである.しかし,無情にも天気予報は余り良くない.残念ながら,今日も塔ノ岳行きは諦める.
 私の心の奥底に巣くっている意地悪なもう一人の私が私をからかう.
 「・・・お前さん,何だかんだ理由を言っているが,要するに塔ノ岳なんぞに行きたくないんだろ! 本当に行きたいんなら,雨など気にせずに行けばいいじゃないか・・」
と私を茶化す.
 私は,
 「そんなことないよ・・行きたいんだよ.でも,雨の中を登る気はしないんだよ・・それに雨の中を歩くのは危険だし・・」
と,一生懸命,言い訳をする.
 私は,午前中は温和しく家に籠もって,絵を描いたり,部屋の掃除をしたりしながら過ごす.
 部屋を片付けながら,前の家の軒を見ると,例の三毛猫が,今日も定位置でノンビリと昼寝をしている.私は双眼鏡を持ち出して,猫の仕草を眺めつづける.猫は私の存在に気がついたのか,耳をピンと立て,大きな目で瞬きもせずに私を見つめている.そして,ときどき,ピッと目線を他に移すが,直ぐにまた私を見つめつづける.ただ,身体は全く動かさない.
 その内に,私の方が根負けして,猫との睨めっこを中止する.

 午後から,健康維持を考えて,大船まで全速力で歩く.途中,鎌倉市役所大船支所に立ち寄って,衆愚院選挙の事前投票を済ませる.実は投票日の11日に,山旅スクール5期「鎌倉トレッキング会」の道案内をしなければならない.絶対に棄権したくなかったので,事前投票をすることにした.

 その後,神奈中バス大船営業所で,小田急トラベル主催甲州道中二十四宿巡りの参加費2000円也を払い込む.
 その他には,特段の用事もないので,駅前のY電気で,暫くの間,ウインドウショッピングを楽しむ.

 お店の外へ出る.何時の間にか雨が降り出している.雨脚は次第に激しくなる.私は歩いて帰るのを諦めて,バスに乗って帰宅する.

 2階の仕事部屋に戻る.
 描きかけの絵の前に座り込む序でに,外を眺める.相変わらず驟雨が続いている.例の三毛猫は,雨が当たらない東側の庇に移動して,気持ち良さそうに居眠りをしている.
 私は,三毛猫に,時々,目線を移しながら,描きかけの絵に絵の具を塗り重ねる.その間,三毛猫は大きく背伸びをした格好になったり,香箱を作ったりしながら,居眠りを続けている.
 日長一日,何も考えずに,居心地の良いところで寝そべって暮らす優雅な猫生活に憧れを抱いてしまう.
 「何で,私の写真を無断で写すのよ・・寝ているところばかり」
と,この三毛猫に叱られそうである.
 「猫にだって,肖像権はあるんだぞ・・」
 「でも,お前さんが寝ているところしか見たことがないんだよ.たまには,ネズミでも捕ってきなさい・・」




 18時過ぎに,少々早めの夕食を済ませる.夏至を過ぎたとはいえ,まだまだ日は長い.夕食後,2階の自室に戻って,隣の家の軒を見る.三毛猫は何時の間にか居なくなった.そろそろ涼しくなったし,腹も減ったのだろう.今頃は,飼い主にすり寄って,夕食に有り付いているんだろう.
 篠突く雨も何時の間にか止んでいる.
 ここ2~3日,各地でゲリラ豪雨が続いている.九州の某所では,大きな地滑りが発生したようである,今日もまた各地でゲリラ豪雨が降っているようである.
 今頃,あの三毛猫は,ゲリラ豪雨などとは全く無関係に,勝手気ままで自由な生活を楽しんでいるに違いない.
 ああ,猫が羨ましい!
 猫生活,万歳! 
                              (おわり)
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