<男坂の急坂を登る>
丹沢:大山初詣
(湘南カラビナ隊)
2008年1月5日(土)
<はじめに>
1月5日,ここ数年,毎年行っている大山初詣を,今年も行った。午前中は曇り空だったものの,まあまあの天気に恵まれた。大山は,例年通り,沢山の参拝者や観光客で賑わっていた。
私達は,小田急伊勢原駅に集合。バスで大山ケーブルへ。そこから男坂,阿夫利神社下社を経由して,大山山頂の阿夫里神社を参拝した。その後,見晴台,女坂を経由して,下山した。大山ケーブル「おいわけ」駅付近の「かんき楼」軽く懇親会を開催した。
余談になるが,昨年来,東海道五十三次宿場巡りを始めている。昨年3月に日本橋を歩き始めてから,11月にようやく三島に到着した。その間,東海道を歩いている最中に,何度となく大山の勇姿を拝み見ていた。所々で大山詣のための古道にも遭遇した。大山の標高は,他の丹沢山系の山々に比較して,それ程高くはないが,駿河湾沿いから見上げる大山の勇姿は,他の山に比較して,際だって威風堂々に見える。それだけに,今年の大山への愛着は一層深いものになっている。
今年も,是非,元気で登山を続けたい。そんな思いを込めて,本年初の大山詣を行った。
■参加者
今回の大山初詣参加者は以下の7名である(順不同)。何れの方も,大山詣のご常連である。
スケルトンさん
ドッジさん
ギンナンさん
ノシイカさん
バーダーさん
マオリ酋長さん
山欠菌病原体さん
(男性2人,女性4名,アルカリ性1名,合計7名。)
<登山地図>
※プリントすると綺麗に見えます。
<プロフィールマップ>
※プリントすると綺麗に見えます。
<男坂を登る>
■バス停「大山ケーブル」へ
いよいよ,新年初のやや本格的な山登りの日である。
私は何時も通り4時頃起床する。ブログの様子を一瞥した後,メールを一通り見る。時節柄,メールを使った年賀状が数通届いている。返信は面倒なので,後回しにする。
6時10分に家を出発する。外はまだ真っ暗である。ただ,曇天ながら暖かいので助かる。
藤沢から小田急電鉄に乗車,相模大野で小田原行に乗り換えて,8時12分に伊勢原駅に到着する。大山へ登るのは,昨年1月5日以来,1年ぶりである。駅前のバス乗り場は,大山詣の参拝客で大にぎわいである。一同,バス最後部の座席に一列に並んで座る。バスは立ち席が出るほど混雑している。
バスは,8時25分に伊勢原駅を出発,8時50分に,終点,大山ケーブル(標高390m)に到着する。
バス停近くで,それぞれ身支度を整え,ストレッチ。今回は,日頃,大山登山を繰り返しているマオリ酋長さんを先頭にして,9時丁度にバス停大山ケーブルを歩き出す。
■急勾配の連続
阿夫利神社下社に向かう参道は,沢山の観光客や登山客で賑わっている。両側の土産屋は,まだ朝が早いためか開店していないところもある。私達は,沢山の観光客に混じって,ユックリ,ユックリと参道を登り続ける。途中,何人もの気の早い観光客に追い抜かれる。
9時17分,男坂と女坂の分岐点にある追分社(420m)に到着する。ここで5分ほど休憩を取って,衣服調整をする。
ここから先,例年は女坂経由で登っていたが,今年はマオリ酋長の発案で男坂経由で登ることにする。
9時23分,追分社を出発する。すぐに,向かって右側の急な石段を登り始める。お得坂を登るのは,今回初めてだが,下っているときの印象とは,随分と違うのに驚く。まずは,とてつもない急坂なことに面食らう。石段を登り詰めると,すぐに落差が極めて大きい岩を削っただけの階段になる。エンヤコラと掛け声を挙げないと,身体が持ち上がらないほどの落差のある階段が延々と続く。
<追分社> <急な傾斜の男坂>
■阿夫利神社下社
9時43分,標高600メートルの地点で立ち休憩を取って呼吸を整える。ここからも急な階段が連続する。男坂を経由して登る観光客はほとんど居ないようである。ときどき登山客に出会うだけで,あとは静かな道をノンビリ,超低速で登り続ける。
10時01分,標高約630メートル地点で,女坂と合流する。女坂を経由して登ってくる登山客の人数はやや多いようで,合流点を過ぎると,辺りが何となく華やいでくる。
10時05分,阿夫利神社下社下の広場に到着する。途端に沢山の観光客と出会う。どこか近くの小学校の生徒らしい集団が居る。40~50人も居るだろうか。全員お揃いのジャージを着ている。かなりの生徒が,近くの売店で購入した串団子を頬張っている。とても旨そう。私も串ダンゴを衝動買いしたくなるが,食べてばかりだと,直ぐ太るので,じっと堪える。
広場の端から一段と艶やかになった階段を登ると阿夫利神社下社に到着する。沢山の参拝客が訪れていて,境内は華やいで賑やかである。縁起を担いで境内の「輪」を潜り抜ける。昨年初めに参拝したときに,輪のくぐり方の作法を教えてもらったような気がするが,1年経つとスッカリ忘れている。例によって,
「まあ・・・いいか,適当にくぐれば,それなりの御利益があるだろう」
と適当にグルグルと輪を潜る。
一同揃って,集合写真を撮る。
<阿夫利神社下社にて> <ぼたん石>
<阿夫利神社下社から大山山頂へ>
■山旅スクールの受講生に出会う
10時15分,阿夫利神社の境内を抜けて,神社に向かって左側から急な石段を登り始める。途中で登るのが厭になるほど,急な階段である。沢山の登山客が私達に前後して登っている。若い人達が何人も,私達,ロートルグループを追い抜いていく。その人達の大半が,運動靴のまま。しかも登山とは縁遠い服装をしている。ハアハア言いながら,大股に私達を追い抜いていく。
坂の上からは「東海大相模」と書いてあるジャージを着た中学生ぐらいの子供達が次から次へと降りてくる。そうかと思うと,flower-hillと同じぐらいの年輩者とも,結構,すれ違う。
途中で,見覚えのある2人が,上から下ってくる。山旅スクール6期の女性と9期の男性である。このお二人,職場が一緒とのことで,何時も一緒に行動している。flower-hillも,昨年,このお二人と一緒に南アルプスの塩見岳,蝙蝠岳を縦走したことがある。
標高900メートル付近で,先頭を行くマオリ酋長が,汗で真っ赤な顔をして,
「すこし休憩をしましょう・・・」
と言って,ストップする。ここでほんの3分ほど給水休憩を取る。
11時17分に富士見台に到着する。あいにく富士山はモクモクと登る積雲に視界を阻まれて見えないが,手前の越前岳が良く見えている。それでも沢山の登山客がここで立ち止まって眺望を楽しんでいる。
この辺りから,勾配はやや緩やかになるが,相変わらずの登り坂が続く。標高1110メートル地点で,進行方向右手の眺望が開けて,やや広い広場になる。ベンチが3脚ほど設置されている。たまたま,1脚が開いたので,そこで休憩を取ることにする。ついでに,少々早いが,軽く胃袋を満たすことにする。
たまたま通りかかった子供が,
「こんにちは,ボクのお母さんは,山頂まで食べてはダメって言ってるよ・・」
と大声で話しかけてくる。こましゃっくれているが可愛い坊主である。
<途中のベンチでで間食>
※画素数を落としてあります。
■大山山頂
急坂を登りきって,11時58分に大山山頂(1252m)に到着する。山頂では沢山の登山客が屯している。暖かいときは何時もそうだが,山頂の霜が溶けて,一面泥んこである。 売店を覗いてみる。カウンターに1匹の猫がジッと座っている。これは幸先が良いなと思って近付いてみると,彫り物の猫だった。残念!
座るところがないかなと辺りをキョロキョロと見回していると,偶然にも,目の前の人が立ち上がった。直ぐその後に陣取る。いよいよ,ここでユックリと昼食である。ふと,隣を見ると,山旅スクール第5期で,ずっと一緒だったプロフィール氏がニコニコしながら座っている。
「やあ,暫く・・」
と挨拶を交わす。そういえば昨年の1月5日も,大山でお会いしている。
昼食を終えて,山頂直下を西へ回り込んで,丹沢表尾根から塔ノ岳方面の素晴らしい鳥瞰を楽しむ。今年は気温が高いためか,雪は殆ど見えない。2~3年前の1月5日は,この辺りは雪に覆われていた。あの時は,4本爪の軽アイゼンを付けて,山頂から見晴台に下ったが,今年は泥濘に悩まされそうである。
ここで,プロフィール氏とお別れする。
<大山山頂> <山頂の売店:木彫猫>
<大山山頂からの眺望:光る海> <丹沢表尾根:中央が塔ノ岳>
<見晴台へ下る>
■ドジは幸いの象徴
小用を足すときに,某さんが,他の人のリュックを自分のリュックと勘違いして,脇のポケットに自分の手袋を押し込んだ・・・幸い間違ったリュックがギンナンさんのものだったので,事なきを得た。
そういえば,大山に登っている途中で,高名なドッジさんの旦那が家の鍵を仕舞い忘れた逸話を披露した。どうやらドッジさんの家では,まともなのは飼い犬だけのようである・・・が,わが家でもこんなドッジな話は山ほどある。
私など,家の鍵を仕舞い忘れることは年中である。家内も同様。つい先日,孫共がわが家に集まった。その時,家内は何時もより早めに風呂を沸かした(つもりだった)。風呂桶を綺麗に掃除して,栓をする。暫く経ってから,娘婿に,
「お風呂ができているから,先に入りなさい・・・」
と促す。娘婿は,自分だけでなく,子供も裸にして,風呂に入る・・・が,風呂の蓋を開けると,お湯はなく全く空。家内が風呂に栓をした後,給湯のスイッチを押し忘れていた。
そこは,私達と血の通わない娘婿。遠慮して,
「お湯がないよ・・・」
とも言えずに,シャワーだけを浴びて,風呂場から出てきた。
何事に付けて,年を取るに連れて,ドジが増える・・・困ったものだ!
と,思いながら,そんな自分たちのドジは,一切披露せずに,他人のドジを「あはは・・・」と笑う。
そして,自分も密かに一抹の寂しさを味わう。年は取りたくないね。
■見晴台
長い下り階段が延々と続く。転倒しないように,黙々と下り続ける。時々,登ってくる登山者とすれ違う。私達の足は遅いながらも,全員が登山学校出身者である。下り坂の足取りは,一般の方々よりは,いくらかマシである。途中,下り坂を手こずっている登山者を数名追い越す。
山頂は少し寒かったが,下るに連れて暖かくなる。坂の途中だが,標高1,045メートル付近で,衣服調整のために,3分ほど休憩を取る。
13時45分,見晴台に到着する。偶然空いたテーブルに座り込んで,少し長めの休憩を取る。するとバーダーさんがガスコンロを取り出す。同行した皆さんのリュックから沢山の品々が魔法のように飛びだす。私はウッカリろくなものも持参していないので,ハズカシイ思いで一杯になる。どなたからか,ミルク珈琲を頂戴する。
休憩を取りながら,誰からともなく,
「来年も,1月5日に,大山初詣をしましょう」
ということになる。
<見晴台から大山を見上げる> <見晴台でお茶>
<女坂を経由して下山>
■大山寺
14時09分,見晴台を出発する。この辺りから登山以外の観光客の姿もチラホラしだす。 なだらかなトラバース道を,ノンビリと進む。12時26分に八大龍王と二重滝(675m)を通過する。そして,14時32分に阿夫利神社前広場の下に到着する。ここで5分ほどトイレ休憩。
帰路は女坂を下る。男坂に比べると随分と歩きやすい。かなり沢山の登山客が女坂を歩いている。
12時49分に大山寺に到着する。本堂から読経の声が聞こえてくる。ここで暫く休憩を取る。出来心でお守りを買おうかと思ったが,自宅の近所にある神社のお守りより100円高い。即,買うのを止める。
■きんき楼で懇親会
15時02分に追分社に到着する。ここで今朝登った男坂と合流する。ここで解散となる。
15時10分,懇親会出席希望者だけ,参道を下る途中にある「きんき楼」に入る。ここで縁起物の豆腐料理を生ビールで懇親会を開催する。所用のあるバーダーさん,スケルトンさん以外の4名が懇親会に参加する。
下戸の私も,気分が良いので,生ビール中ジョッキ1杯を所望する。1時間ほど飲みながら食べながら雑談に興じる。お互いの技量と,気心を熟知している山仲間と一緒に山へ登るのは,本当に楽しい。
ほろ酔い気分で,大山ケーブル16時22発伊勢原行のバスに乗車する。時間が少し遅いためか,立っている人が数名だけで,バスは意外に混雑していない。
小田急電鉄と東海道本線を乗り継いで,18時過ぎに帰宅する。
こうして,今年度の山旅が始まった。
<かんき楼の豆腐懐石料理>
[ラップタイム]
9:00 バス停「大山ケーブル」歩き出し(390m)
9:17 追分社(男坂経由)
10:12 阿夫利神社下社広場(10:15まで休憩)
11:17 富士見台
11:47 ヤビツ峠からの登山道と合流
11:58 大山山頂着(1,252m)
-------------------------------------------------------
12:45 大山山頂発
13:45 見晴台(14:09まで休憩)
14:26 八大龍王
14:32 阿夫利神社下社広場下(女坂経由)
14:49 大山寺
15:02 追分社(解散)
15:10 かんき楼(16:10まで懇親会)
18:17 バス停「大山ケーブル」着
■登攀下降高度
大山山頂 1,252(m)
大山ケーブル 390
(高度差) 862(m)
■登攀所要時間(休憩時間を含む)
大山ケーブル発 9:00
大山山頂着 11:58
(所要時間) 2時間58分(2.97h)
登攀速度 862m/2/97h=290.2m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
大山山頂発 12:45
追分社着 15:02
(所要時間) 2時間17分(2.28h)
下降速度 862m/2.28h=378.1m/h
※追分社とバス停「大山ケーブル」間の高度差は無視している。
(おわり)
丹沢:大山初詣
(湘南カラビナ隊)
2008年1月5日(土)
<はじめに>
1月5日,ここ数年,毎年行っている大山初詣を,今年も行った。午前中は曇り空だったものの,まあまあの天気に恵まれた。大山は,例年通り,沢山の参拝者や観光客で賑わっていた。
私達は,小田急伊勢原駅に集合。バスで大山ケーブルへ。そこから男坂,阿夫利神社下社を経由して,大山山頂の阿夫里神社を参拝した。その後,見晴台,女坂を経由して,下山した。大山ケーブル「おいわけ」駅付近の「かんき楼」軽く懇親会を開催した。
余談になるが,昨年来,東海道五十三次宿場巡りを始めている。昨年3月に日本橋を歩き始めてから,11月にようやく三島に到着した。その間,東海道を歩いている最中に,何度となく大山の勇姿を拝み見ていた。所々で大山詣のための古道にも遭遇した。大山の標高は,他の丹沢山系の山々に比較して,それ程高くはないが,駿河湾沿いから見上げる大山の勇姿は,他の山に比較して,際だって威風堂々に見える。それだけに,今年の大山への愛着は一層深いものになっている。
今年も,是非,元気で登山を続けたい。そんな思いを込めて,本年初の大山詣を行った。
■参加者
今回の大山初詣参加者は以下の7名である(順不同)。何れの方も,大山詣のご常連である。
スケルトンさん
ドッジさん
ギンナンさん
ノシイカさん
バーダーさん
マオリ酋長さん
山欠菌病原体さん
(男性2人,女性4名,アルカリ性1名,合計7名。)
<登山地図>
※プリントすると綺麗に見えます。
<プロフィールマップ>
※プリントすると綺麗に見えます。
<男坂を登る>
■バス停「大山ケーブル」へ
いよいよ,新年初のやや本格的な山登りの日である。
私は何時も通り4時頃起床する。ブログの様子を一瞥した後,メールを一通り見る。時節柄,メールを使った年賀状が数通届いている。返信は面倒なので,後回しにする。
6時10分に家を出発する。外はまだ真っ暗である。ただ,曇天ながら暖かいので助かる。
藤沢から小田急電鉄に乗車,相模大野で小田原行に乗り換えて,8時12分に伊勢原駅に到着する。大山へ登るのは,昨年1月5日以来,1年ぶりである。駅前のバス乗り場は,大山詣の参拝客で大にぎわいである。一同,バス最後部の座席に一列に並んで座る。バスは立ち席が出るほど混雑している。
バスは,8時25分に伊勢原駅を出発,8時50分に,終点,大山ケーブル(標高390m)に到着する。
バス停近くで,それぞれ身支度を整え,ストレッチ。今回は,日頃,大山登山を繰り返しているマオリ酋長さんを先頭にして,9時丁度にバス停大山ケーブルを歩き出す。
■急勾配の連続
阿夫利神社下社に向かう参道は,沢山の観光客や登山客で賑わっている。両側の土産屋は,まだ朝が早いためか開店していないところもある。私達は,沢山の観光客に混じって,ユックリ,ユックリと参道を登り続ける。途中,何人もの気の早い観光客に追い抜かれる。
9時17分,男坂と女坂の分岐点にある追分社(420m)に到着する。ここで5分ほど休憩を取って,衣服調整をする。
ここから先,例年は女坂経由で登っていたが,今年はマオリ酋長の発案で男坂経由で登ることにする。
9時23分,追分社を出発する。すぐに,向かって右側の急な石段を登り始める。お得坂を登るのは,今回初めてだが,下っているときの印象とは,随分と違うのに驚く。まずは,とてつもない急坂なことに面食らう。石段を登り詰めると,すぐに落差が極めて大きい岩を削っただけの階段になる。エンヤコラと掛け声を挙げないと,身体が持ち上がらないほどの落差のある階段が延々と続く。
<追分社> <急な傾斜の男坂>
■阿夫利神社下社
9時43分,標高600メートルの地点で立ち休憩を取って呼吸を整える。ここからも急な階段が連続する。男坂を経由して登る観光客はほとんど居ないようである。ときどき登山客に出会うだけで,あとは静かな道をノンビリ,超低速で登り続ける。
10時01分,標高約630メートル地点で,女坂と合流する。女坂を経由して登ってくる登山客の人数はやや多いようで,合流点を過ぎると,辺りが何となく華やいでくる。
10時05分,阿夫利神社下社下の広場に到着する。途端に沢山の観光客と出会う。どこか近くの小学校の生徒らしい集団が居る。40~50人も居るだろうか。全員お揃いのジャージを着ている。かなりの生徒が,近くの売店で購入した串団子を頬張っている。とても旨そう。私も串ダンゴを衝動買いしたくなるが,食べてばかりだと,直ぐ太るので,じっと堪える。
広場の端から一段と艶やかになった階段を登ると阿夫利神社下社に到着する。沢山の参拝客が訪れていて,境内は華やいで賑やかである。縁起を担いで境内の「輪」を潜り抜ける。昨年初めに参拝したときに,輪のくぐり方の作法を教えてもらったような気がするが,1年経つとスッカリ忘れている。例によって,
「まあ・・・いいか,適当にくぐれば,それなりの御利益があるだろう」
と適当にグルグルと輪を潜る。
一同揃って,集合写真を撮る。
<阿夫利神社下社にて> <ぼたん石>
<阿夫利神社下社から大山山頂へ>
■山旅スクールの受講生に出会う
10時15分,阿夫利神社の境内を抜けて,神社に向かって左側から急な石段を登り始める。途中で登るのが厭になるほど,急な階段である。沢山の登山客が私達に前後して登っている。若い人達が何人も,私達,ロートルグループを追い抜いていく。その人達の大半が,運動靴のまま。しかも登山とは縁遠い服装をしている。ハアハア言いながら,大股に私達を追い抜いていく。
坂の上からは「東海大相模」と書いてあるジャージを着た中学生ぐらいの子供達が次から次へと降りてくる。そうかと思うと,flower-hillと同じぐらいの年輩者とも,結構,すれ違う。
途中で,見覚えのある2人が,上から下ってくる。山旅スクール6期の女性と9期の男性である。このお二人,職場が一緒とのことで,何時も一緒に行動している。flower-hillも,昨年,このお二人と一緒に南アルプスの塩見岳,蝙蝠岳を縦走したことがある。
標高900メートル付近で,先頭を行くマオリ酋長が,汗で真っ赤な顔をして,
「すこし休憩をしましょう・・・」
と言って,ストップする。ここでほんの3分ほど給水休憩を取る。
11時17分に富士見台に到着する。あいにく富士山はモクモクと登る積雲に視界を阻まれて見えないが,手前の越前岳が良く見えている。それでも沢山の登山客がここで立ち止まって眺望を楽しんでいる。
この辺りから,勾配はやや緩やかになるが,相変わらずの登り坂が続く。標高1110メートル地点で,進行方向右手の眺望が開けて,やや広い広場になる。ベンチが3脚ほど設置されている。たまたま,1脚が開いたので,そこで休憩を取ることにする。ついでに,少々早いが,軽く胃袋を満たすことにする。
たまたま通りかかった子供が,
「こんにちは,ボクのお母さんは,山頂まで食べてはダメって言ってるよ・・」
と大声で話しかけてくる。こましゃっくれているが可愛い坊主である。
<途中のベンチでで間食>
※画素数を落としてあります。
■大山山頂
急坂を登りきって,11時58分に大山山頂(1252m)に到着する。山頂では沢山の登山客が屯している。暖かいときは何時もそうだが,山頂の霜が溶けて,一面泥んこである。 売店を覗いてみる。カウンターに1匹の猫がジッと座っている。これは幸先が良いなと思って近付いてみると,彫り物の猫だった。残念!
座るところがないかなと辺りをキョロキョロと見回していると,偶然にも,目の前の人が立ち上がった。直ぐその後に陣取る。いよいよ,ここでユックリと昼食である。ふと,隣を見ると,山旅スクール第5期で,ずっと一緒だったプロフィール氏がニコニコしながら座っている。
「やあ,暫く・・」
と挨拶を交わす。そういえば昨年の1月5日も,大山でお会いしている。
昼食を終えて,山頂直下を西へ回り込んで,丹沢表尾根から塔ノ岳方面の素晴らしい鳥瞰を楽しむ。今年は気温が高いためか,雪は殆ど見えない。2~3年前の1月5日は,この辺りは雪に覆われていた。あの時は,4本爪の軽アイゼンを付けて,山頂から見晴台に下ったが,今年は泥濘に悩まされそうである。
ここで,プロフィール氏とお別れする。
<大山山頂> <山頂の売店:木彫猫>
<大山山頂からの眺望:光る海> <丹沢表尾根:中央が塔ノ岳>
<見晴台へ下る>
■ドジは幸いの象徴
小用を足すときに,某さんが,他の人のリュックを自分のリュックと勘違いして,脇のポケットに自分の手袋を押し込んだ・・・幸い間違ったリュックがギンナンさんのものだったので,事なきを得た。
そういえば,大山に登っている途中で,高名なドッジさんの旦那が家の鍵を仕舞い忘れた逸話を披露した。どうやらドッジさんの家では,まともなのは飼い犬だけのようである・・・が,わが家でもこんなドッジな話は山ほどある。
私など,家の鍵を仕舞い忘れることは年中である。家内も同様。つい先日,孫共がわが家に集まった。その時,家内は何時もより早めに風呂を沸かした(つもりだった)。風呂桶を綺麗に掃除して,栓をする。暫く経ってから,娘婿に,
「お風呂ができているから,先に入りなさい・・・」
と促す。娘婿は,自分だけでなく,子供も裸にして,風呂に入る・・・が,風呂の蓋を開けると,お湯はなく全く空。家内が風呂に栓をした後,給湯のスイッチを押し忘れていた。
そこは,私達と血の通わない娘婿。遠慮して,
「お湯がないよ・・・」
とも言えずに,シャワーだけを浴びて,風呂場から出てきた。
何事に付けて,年を取るに連れて,ドジが増える・・・困ったものだ!
と,思いながら,そんな自分たちのドジは,一切披露せずに,他人のドジを「あはは・・・」と笑う。
そして,自分も密かに一抹の寂しさを味わう。年は取りたくないね。
■見晴台
長い下り階段が延々と続く。転倒しないように,黙々と下り続ける。時々,登ってくる登山者とすれ違う。私達の足は遅いながらも,全員が登山学校出身者である。下り坂の足取りは,一般の方々よりは,いくらかマシである。途中,下り坂を手こずっている登山者を数名追い越す。
山頂は少し寒かったが,下るに連れて暖かくなる。坂の途中だが,標高1,045メートル付近で,衣服調整のために,3分ほど休憩を取る。
13時45分,見晴台に到着する。偶然空いたテーブルに座り込んで,少し長めの休憩を取る。するとバーダーさんがガスコンロを取り出す。同行した皆さんのリュックから沢山の品々が魔法のように飛びだす。私はウッカリろくなものも持参していないので,ハズカシイ思いで一杯になる。どなたからか,ミルク珈琲を頂戴する。
休憩を取りながら,誰からともなく,
「来年も,1月5日に,大山初詣をしましょう」
ということになる。
<見晴台から大山を見上げる> <見晴台でお茶>
<女坂を経由して下山>
■大山寺
14時09分,見晴台を出発する。この辺りから登山以外の観光客の姿もチラホラしだす。 なだらかなトラバース道を,ノンビリと進む。12時26分に八大龍王と二重滝(675m)を通過する。そして,14時32分に阿夫利神社前広場の下に到着する。ここで5分ほどトイレ休憩。
帰路は女坂を下る。男坂に比べると随分と歩きやすい。かなり沢山の登山客が女坂を歩いている。
12時49分に大山寺に到着する。本堂から読経の声が聞こえてくる。ここで暫く休憩を取る。出来心でお守りを買おうかと思ったが,自宅の近所にある神社のお守りより100円高い。即,買うのを止める。
■きんき楼で懇親会
15時02分に追分社に到着する。ここで今朝登った男坂と合流する。ここで解散となる。
15時10分,懇親会出席希望者だけ,参道を下る途中にある「きんき楼」に入る。ここで縁起物の豆腐料理を生ビールで懇親会を開催する。所用のあるバーダーさん,スケルトンさん以外の4名が懇親会に参加する。
下戸の私も,気分が良いので,生ビール中ジョッキ1杯を所望する。1時間ほど飲みながら食べながら雑談に興じる。お互いの技量と,気心を熟知している山仲間と一緒に山へ登るのは,本当に楽しい。
ほろ酔い気分で,大山ケーブル16時22発伊勢原行のバスに乗車する。時間が少し遅いためか,立っている人が数名だけで,バスは意外に混雑していない。
小田急電鉄と東海道本線を乗り継いで,18時過ぎに帰宅する。
こうして,今年度の山旅が始まった。
<かんき楼の豆腐懐石料理>
[ラップタイム]
9:00 バス停「大山ケーブル」歩き出し(390m)
9:17 追分社(男坂経由)
10:12 阿夫利神社下社広場(10:15まで休憩)
11:17 富士見台
11:47 ヤビツ峠からの登山道と合流
11:58 大山山頂着(1,252m)
-------------------------------------------------------
12:45 大山山頂発
13:45 見晴台(14:09まで休憩)
14:26 八大龍王
14:32 阿夫利神社下社広場下(女坂経由)
14:49 大山寺
15:02 追分社(解散)
15:10 かんき楼(16:10まで懇親会)
18:17 バス停「大山ケーブル」着
■登攀下降高度
大山山頂 1,252(m)
大山ケーブル 390
(高度差) 862(m)
■登攀所要時間(休憩時間を含む)
大山ケーブル発 9:00
大山山頂着 11:58
(所要時間) 2時間58分(2.97h)
登攀速度 862m/2/97h=290.2m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
大山山頂発 12:45
追分社着 15:02
(所要時間) 2時間17分(2.28h)
下降速度 862m/2.28h=378.1m/h
※追分社とバス停「大山ケーブル」間の高度差は無視している。
(おわり)