<今日の尊仏山荘営業部長>
カエルとのんびりネコの丹沢:塔ノ岳(今年41回目)
(Kiyoma氏に同行)
2009年9月9日(水)
■天気予報を信じて・・・
昨夜(9月8日)の天気予報では,今日の天気は朝の内は曇りだが,日中は爽やかなお天気になるとのことだった.そこで,私は4日振りに塔ノ岳を訪れることにした.
例によって,5時10分に家を出る.外はどんよりとした雲に覆われていて,ヒンヤリとしている.路面は,夜半の雨のためか,かなり濡れている.天気予報以上に雨が降ったんだなとは思ったが.7時頃になれば晴れるだろうと確信して,そのまま中止せずに,小田原経由で渋沢に向かった.小田急電鉄の車窓から眺めると,丹沢山塊付近だけ山麓まで雨雲に覆われている.
「これはまずいな・・・中止して引き返そうかな・・」
と思っている内に渋沢駅に到着する.ここまで来たんだから,とにかく下車しようと,成り行きでバス停まで行ってみる.外はかなりの雨が降っていて,通勤客は,皆,傘をさしている.
さて,どうしようかと迷っていると,山旅スクール10期のKiyomaさんと,ご常連のカメラマンMさんと韋駄天のTさんが現れる.私も意を決し,1番バスに乗車する.このバスの乗り合わせた登山客は,私たち4人と,女性2人,計6人だけ.随分と寂しい.
■1番バスの中で・・
私たちは1カ所に集まって,雑談をする.私が韋駄天Tさんに伺う.
「・・・もうすぐ,登頂1000回ですね.10月頃ですか」
「そうですね・・今の調子だと,11月頃だと思います・・・ところでFHさんは何回ぐらいになりましたか・・」
と逆に聞かれる.
そういわれれば,私は一体何回ぐらい登っているんだろう.良く分からない,塔ノ岳に登り初めてから,ほぼ10年.平均して年に50回登っているとして約500回,でも一度きちんと数えないといけないなと,内心で思いながら,
「余りよく分かりませんが,今年になって,今日が41回目.通算では多分500回ぐらいでしょうか・・」
と答える.答えながら,言われてみると,私も結構登っているなと再認識させられる.
■雨の中,トボトボと
バスが大倉に到着しても,雨は一向に止む気配がない.でも,ここまで来たのだから,とにかく登ることにするが,この天気ではもはやラップタイムを気にする気力もない.どうせ,今日は夕方のテレビ,水戸黄門はお休み,早く帰ってもしょうがない(これは冗談).私はKiyomaさんと一緒にノンビリゆっくり登ることに決める.
リュックにリュックカバーを掛けるが,蒸し暑いので雨具は省略.傘をさして,7時13分に大倉を出発する.シトシト雨が降り続く登山道を,ゆっくりペースで登る.すでに先発した韋駄天Tさんは勿論,カメラマンのMさんの後ろ姿も,とっくに見えなくなっている.私たちの前後には,全く登山者の姿はない.私たちは雑談をしながら,雨の中を登り続ける.
<今日の萱場平>
■16分オーバーで駒止茶屋を通過する
8時14分,一本松を通過する.歩き出してから,1時間01分経過している.いつものペースで歩いていれば,今頃は駒止茶屋手前の急階段を登り切る頃だなと想像する.
一本松を過ぎて尾根道に入ってからも,のんびりペースで歩く.そして,8時29分に漸く駒止茶屋に到着する.大倉からの所要時間は1時間16分.何時ものペースより10分余り遅い.しかし,遅いにもかかわらず,何時もと同じぐらいの疲労感があるから不思議である.
堀山の尾根に入る.勿論,辺り一面が雨雲に覆われているので,富士山をはじめ近場の丹沢の山々も全く見えない.私たちは雨音がパラパラと音を立てている傘をさしたまま,少々惨めな気分のまま,歩き続ける.
<堀山の尾根道:富士山が良く見えるところだが・・・>
■2本ストックのYさん
8時40分,堀山を通過する.登山道は掘り割りの中の下り傾斜になる.掘り割りの土手で,大きなカエルが1匹,のっそりとしている.何という種類のカエルか分からないが,雨に浮かれて何処かからか出てきたのだろう.珍しいので立ち止まって写真を撮る.
8時43分,ご常連のYさんが,水たまりを跳ね飛ばしながら,下っていく.
8時49分,堀山の家を通過する.ここからが,このコースの正念場である.雨で濡れたガレ場の登りをゆっくりと登り続ける.
<2本ストックのYさんが水しぶきを上げながらアッという間に遠ざかる>
■大きなカエル
8時56分,2匹目のカエルを見つける.どうやら斜面を登ろうとしているが,途中で失敗して,ずるずると滑り落ちる.そんな仕草を眺めながら,またカエルの写真を撮る.
<大きなカエルがのっそりと現れる>
■韋駄天のTさんとすれ違う
9時36分,花立山荘を通過する.雨足が幾分弱くなり,空が少し明るくなる.
花立場手前の露岩帯で,下ってくる韋駄天のTさんとすれ違う.Tさんにお願いして写真を一枚撮らせていただく.
「今日はあいにくの天気でしたね・・・天気予報は昨日と今日が逆でしたね.今日の山頂の気温は13℃でしたよ・・」
とTさんが教えてくれる.
<韋駄天のTさん:掲載についてご本人の了承済み>
■塔ノ岳山頂
9時48分,花立場を通過する.花立山荘から実に13分も掛かっている.ここからの見晴らしは素晴らしいはずだが,今日は分厚い雨雲しか見えない.それでも,辺りを覆う霧が少し薄らいだときに,近場の斜面が綺麗に見える.
9時52分に金冷シを通過する.相変わらず雨雲に覆われているが,雨は殆ど止んでいる.
10時09分,なんとか塔ノ岳山頂に到着する.山頂は濃い霧に覆われている.山頂には誰も居ない.山頂からの景色は霧に覆われていて何も見目ないが,それでも儀式なので,山頂の写真を数枚撮る.
<何も見えない塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
尊仏山荘に入る.
入れ替わりに1人の男性が,尊仏山荘を出てくる.どこかで会ったことのある顔である.男性が,私に,
「やあ,今日は暫くぶりです.その節はお世話になりました.トドさんにもよろしくお伝え下さい」
と挨拶する.
この挨拶を伺った途端に,1~2ヶ月前に,トドさんからの要望で,三浦アルプスと森戸川源流を案内した方だと思い出す.
尊仏山荘の先客は,同じバスの乗っていたカメラマンのMさん.今日の小屋番はOさんである.まずは,山頂の気温を見る.今日の山頂の気温は+13.4℃.一時期に比較して,随分と涼しくなっている.
カメラマンのMさんに,
「こんな雨の日には,どんなものを撮影するんですか・・?」
と伺う.Mさんは,やや憮然として,
「・・私も登山家ですよ.写真ばかり撮っているわけではないですよ・・」
という.なるほど!
Oさんが,いつもの話し声より,1オクターブ高い声で,
「ミャオや~・・・」
とミー君を呼ぶ.すると,奥の部屋から,ミー君がノソノソと出てくる.私は食事を中断して,ネコとOさんの写真を撮りまくる.
「お前に会いたいから,ここまで登ってくるんだぞ・・」
と言いながら,ネコの頭を撫でる.でもネコは“我関せず”と無表情である.この無表情なところがネコらしくて良い.
<Oさんと一緒で,のんびり落ち着いている営業部長>
■期せずして三人旅
雨は止んだようだが,風が出てきた.傘をさして坂道を下るのは,いくら何でも危険である.私は傘をリュックに仕舞い込んで,雨具を着る.そして,念のために,平素全くと言っていいほど使わないストックを準備する.
10時53分に塔ノ岳山頂から下山を開始する.
いつもなら,次々に登ってくる登山者とすれ違いながら下るが,今日はさすがに登ってくる登山者は殆ど居ない.
11時20分に花立山荘に到着する.ここで下から登ってきた山旅スクール10期のMiuさんとバッタリ会う.数ヶ月前に,Kiyomaさんたちと一緒にヤビツ峠経由で塔ノ岳へご一緒したことのある方である.
「・・ああ知っている人に会えて良かった.今日,初めて1人で登ってみました.でも,皆さんに会えたので,ここから一緒に下山します・・」
と,あっさり山頂を諦め,私たちと一緒に下山する.
途中でユニクロ談義.私が何時もユニクロのズボンやシャツを着て,山に登っていると話す.Minuさんが,某登山学校で,ちゃんとした山専門の店から買ったものでなければダメと言われたという.私は,そんなものかなと思う.
13時17分,大倉に到着する. 渋沢から小田原に向かう電車に乗っているときに,車内に日光が射し込む.天気が回復したようである.もう少し早くお天気が回復したら,楽しい山登りになったのに・・・
[ラップタイム]
累積ラップ
7:12 大倉 発 0:00
7:38 観音茶屋 0:26
7:56 見晴茶屋 0:44
8:29 駒止茶屋 0:17
8:49 堀山の家 1:24
9:36 花立山荘 2:24
9:52 金冷シ 2:40
10:09 塔ノ岳山頂 着 2:57
=========================================
10:53 塔ノ岳山頂 発(+13.4℃)
11:08 金冷シ
11:20 花立山荘
11:58 堀山の家
12:18 駒止茶屋
12:48 見晴茶屋
13:17 大倉 着
※単独山行ではないので,ラップタイムは参考値
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1250m
■登り所要時間
大倉 発 7:12
塔ノ岳山頂着 10:09
(所要時間) 2時間57分(2.93h)
登攀速度 1250m/2.93h=426.6m/h
■下り所要時間
塔ノ岳山頂発 10:53
大倉 着 13:17
(所要時間) 2時間24分(2.40h)
下降速度 1250m/2.40h=52.8m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a8c469a7eb039549a5edb8378356b444
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e7edb5e54b0eb63bf09a259030ee315e
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