<塔ノ岳山頂から大山方面を望む>
残雪・泥濘・行儀の良いネコの丹沢:塔ノ岳(今年10回目)
(単独山行)
2012年2月10日(土・建国記念日)
■迷いながらも丹沢へ出掛ける
今朝も3時過ぎに目が覚めてしまう.このところ,午後7~8時頃になると,無性に眠たくなり,ついつい超早寝をしてしまう.その結果,ともすると同日の夜,11時頃目が覚めて,もう朝かと勘違いすることがある.当然,そんな時間に起きるわけにはいかないが,今度は色々と下らない夢を見ている内に,3時を過ぎた頃に,やむなく起床してしまう.
今朝も,3時半に起床.さて,今日は丹沢へ出掛けるか,それとも家でグズグズしていようかと散々迷う.もちろん,丹沢へ出掛ければ,きっと山に来て良かったなという気持ちになることは,百も承知しているが,それでも出掛けるのを躊躇する.
何時ものことながら,山登り用の衣服を着てしまえば,気分もシャンとして,「行くぞ」という気分になる.
朝食を1人で勝手に済ませて,5時10分に家を出る.今朝はそれほど寒くない.朝,家を出掛けるときの体感温度が,塔ノ岳に到着したときの体感温度とは,経験的にほぼ同じ位に感じる.そんなことから,今日の塔ノ岳もそれほど寒くはないなと予想する.
今日は土曜日.休日の小田急電車のダイヤだと,小田原駅での駆けっこなしで乗り換えられる.そうなると,大船で東海道本線の電車に乗るときから気が楽である.
渋沢発大倉行の1番バスは,私が乗り込んだときには数席の空席がある程度の混雑である.韋駄天のTさん,三角髭のTさん,SSKさん,F田さん,K井さんなどのご常連が乗車されている.その内に下り電車が到着して沢山の登山客がドヤドヤと乗車してくる.バスはたちまちの内に満員になる.K大Nさん,カメラマンのMさん,N村さんなどご常連も沢山乗り込んでくる.積み残しこそでなかったものの,今日もバスは満員である.
■柔らかな日射し一杯のトラバース道
たまたま居合わせた韋駄天のTさん,カメラマンのMさん,SSKさん,Nむらさん達ご常連と一緒に,7時06分に大倉から歩き出す.私にとってもほどよい歩行速度なので,暫くの間,雑談をしながら,一緒に歩く.
韋駄天のTさんの後ろに付いて歩いていると,何時の間にか,MさんやSSKさん達から大分離れて先を歩いていることに気がつく.
7時25分頃,柔らかい日射しが一杯のトラバース道に入る.私は相変わらず韋駄天のTさんのすぐ後ろを付けているが,心のどこかで,こんな素晴らしい散策路を何も急いで通り過ぎることはないじゃないかと思い始めている.
やがて,雑事場ノ平の手前で,Y内さん達に追い付く.
「相変わらず,足が劣ろえないですね..」
とどなたかが,私に言う.
内心,何時までも足の速い韋駄天のTさんと一緒に歩けるわけはないし,オーバーペースでは身体が持たないなと思っていた矢先である.
「途中で写真を撮りたいので,とりあえず平らなところだけ先に行きます」
とお返事する.これ本音である.
雑事場ノ平のすぐ手前で,三角髭のTさんに追い付く.韋駄天のTさんは,そのまま三角髭のTさんを追い抜いて先へ行くが,私はこの辺りが潮時と思って,三角髭のTさんの後ろに付いたまま歩き続ける.
7時41分,雑事場ノ平を通過する.衣服調整のために足を止めた三角髭のTさんとお別れして,とりあえず先に行かせて貰う.
7時43分,見晴茶屋に到着.相変わらず枯れススキの向こうに光る海が見下ろせる.ここで数枚の写真を撮る.
<心地よいトラバース道>
■見晴階段を登る
見晴階段に差し掛かる.今日も沢山の登山客が数珠つなぎになっている.
今日は良く晴れているので,ゴツゴツとした小岩や礫を浮き上がらせるように,朝の日光が杉林からこぼれるように射し込んでいる.
階段の遙か上の方に,韋駄天のTさんの姿が小さく見えている.見晴山荘で写真を撮りながら少し遊んだとはいえ,もうこんなに差が付いてしまったのかと驚く.
何人もの若い登山者が私を追い越していく.
<見晴階段を登る;写真の人物は無関係>
■堀山の尾根道
一本松を通過して,なだらかな登り坂に差し掛かる.
前方から丹沢ウッズさんが下ってくる.
「やあ・・暫く,今日は(大倉尾根を)登ったり降りたりしていますよ・・・」
とのこと.
やがて,駒止階段に差し掛かる.絶対に無理をせず汗を流さないで登ることを必須条件にしている私は,登攀速度を落としてユックリと階段を登る.もう少しで駒止茶屋に到着するところで,Y内さんに追い越される.そして,8時12分,ようやく駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間06分.できれば,無理をしないペースで,1時間02分程度で通過したいところである.
引き続き堀山の尾根道に入る.大倉尾根を歩いていて一番嬉しい所である.残念ながら今日は水平線沿いに雲が多くて,富士山は見えないが,上空の青空には春の気配一杯である.
木の間から見える表尾根の山々が美しい.滅多矢鱈に写真を撮りながら,尾根道を楽しむ.
<美しい表尾根の山々>
<富士山は雲の中>
■日射し一杯の萱場平
8時29分,堀山の家を通過する.通過しながら,
「帰りにでも立ち寄って,コーヒーでも賞味しようか・・」
と思う.
ここから先,花立山荘までが,登山をしている雰囲気があって,私のお気に入りである.私の前後に殆ど人影がないので,実にノンビリと登れる.
歩きながら,絵のこと,宇宙のダークマターのこと,洋画の通信教育のことなど,取り留めもなく色々なことを考ええている.その間,私は殆ど無意識のうちに歩いている.ふと気がつくと,もうすぐ戸沢分岐である.堀山の家からここまで,どの辺りをどのように歩いてきたのか思い出せないくらいの自動運転だった.
8時48分,萱場平を通過する.前方には青空が広がっている.
萱場平から先の泥濘道はまだ朝が早いので凍結したままになっている.
<日射し一杯の萱場平>
■花立山荘
正確にカウントしていないが,私もここ10数年間の間に,多分,600~700回は,この大倉尾根を往復しているに違いない.塔ノ岳登攀回数が1500回を越えるご常連が多数居られるので,とても言えた義理ではないが,それでも,足許の石ころの様子を見ただけで,自分がどの辺りを歩いているか正確に分かるようになっている.すると,今この石ころの場所を歩いているんだから,次はこんな岩があるよ・・・というのが次々に頭の中に映し出される,これがまた楽しい.
そんなことを楽しんでいる内に,後7分坂に差し掛かる.この辺りから突如眺望が開ける.私は儀式として,後7分坂の下からの眺めをデジカメに収める.そして坂を登り始める.
坂道を3分の2ほど登ったところで,後ろから「はあ,はあ,・・」と荒い息遣いが聞こえてくる.
「やあ,おはようございます・・・」
と挨拶をしながら,超韋駄天のM下さんとM上さんが私を追い越していく.お二人は私が乗車したバスから15分後に発車する2番バスで来られたという.
7時10分に花立山荘を通過する.大倉からの所要時間は2時間04分.できれば無理をしないペースで,2時間にしたい.それには4分オーバー.後7分坂の半分ほど遅いことになる.
ここで富士山の写真を撮りたかったが,富士山は雲の中.残念.
山荘から先の山道の様子を見ると,前回水曜日に来たときに比較すると,残雪は随分と少ないようである.しばらくはアイゼンなしで登ってみようと思う.
<2人のご常連に追い越される>
■絶景の花立山
花立山山頂近くで下山してくる韋駄天のSさんとすれ違う.相変わらずSさんは俊足である.
「たまには,写真を撮らせて下さい・・」
とお願いする.
「ブログに載せて良いですか・・」
と伺い快諾.
モタモタしていると,三角髭のTさんが追い付く.
「全然疲れた様子がないですね・・」
と私に話しかける.
疲れが貯まらないように歩いているので当然と言えば当然なのだが・・・・
その後,山頂付近まで,三角髭のTさんと前後しながら登り続ける.
やがて,馬の背に差し掛かる.アイゼンなしで大丈夫かなと危惧していたが,残雪が大分減っていて,全く問題なく歩ける.
<相変わらず俊足の超韋駄天S藤さん>
<花立山からの絶景>
■塔ノ岳山頂
9時25分に金冷シを通過する.
前回より残雪は少なくなったとはいえ,まだまだ残雪が多い.特に山頂直下の階段は,まだ完全に雪の中である.とはいえ,登山学校で教えて貰ったキックステップを使って登れば,全く滑ることもなく,容易に登れる.やっぱり,登山学校に通って良かったなと改めて思う.
途中の階段道で,下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.
9時42分,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間36分と振るわないが,まあ仕方がないな・・・
山頂の残雪はほとんどなくなっている.今日は風もなく穏やかである.富士山や南アルプスは雲の中だが,大山をはじめとする丹沢の山々が良く見えている.
山頂の気温はマイナス1.5℃.
まだ時間が早いためか,山頂には誰も居ない.
山頂からの風景を一回り撮るのが私の儀式.この儀式を済ませてから,尊仏山荘に向かう.
<山頂付近の階段道はまだ雪の中>
<塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘:我が輩はネコである
尊仏山荘に入る.先客は同じバスに乗車していたご常連が数人.F田さん,Y内さんなど.K井さんは水汲みに出掛けたとか.今日の小屋番は,W田さん,W林さん.私は定番のお茶を所望する.
W田さんが,ネコのミー君を連れて来る.そして,番台脇のテーブルの上に座らせる.ミー君は温和しくテーブルの上に正座(と言うだろうか)する.温和しく言うことを聞いて座っているミー君が可愛い.
「(ネコの)足,大丈夫ですか?」
とW田さんに伺う.
「どうやら,大丈夫のようですよ・・」
よかった,よかった.
お茶を飲んでいると,歩き始めでご一緒したSSKさん,N村さん,カメラマンのMさんが相次いでご到着.山荘の中が一段と賑やかになる.
その内に,K大Nさんがご到着.
話題が京都,奈良のことになる.京都出身のK大Nさんが,ここで一寸披露できない興味津々の秘話を披露する.
「(ところで)K大Nさん,どこそこの公家さんの出身ですか・・?」
と誰かが質問する.K大Nさんからはノーアンサー.
私のブログで,私が,朝,塔ノ岳に出掛けるとき行こうかそれともやめるか躊躇していることを,どなたかが話題にする.その方も,私と同じように出かけるときに躊躇されるようである.私が,
「でも,山用の衣服を着てしまえば,迷いがなくなりますね・・」
と言うと,
「それならば,夜寝るときに山用の衣服を着て寝れば,朝迷わないでしょう・・・」
と面白いことを言う.どうだろう・・?
今度は,私が朝早く起きてしまうことが話題になる,実際の所,毎晩20時過ぎには眠くて堪らなくなり,寝てしまうが,その反動で早朝3時半頃,どうしても起きてしまう.同じ家の中で家族との時差が生じてしまうのは困ったものである.
<我が輩はネコである>
■再び丹沢ウッズさんとすれ違う
雑談をしているとたちまちの内に時間が過ぎてしまう.もう1時間以上の山荘で駄弁っている.SSKさんは,ダウンシュタインさん達ご一行が到着するまで,山荘で待っているとのことなので,一足先の10時52分に下山を開始する.安全のために4本爪アイゼンを装着する.
次から次へと登ってくる登山客とすれ違いながら下山を続ける.
馬の背で登ってくる丹沢ウッズさんとすれ違う.
「・・・病み上がりなので,登りの調子が出なくて・・・」
と言いながらも快調に登っていく.やっぱり丹沢ウッズさんは超韋駄天さんである.
すれ違いながら,私も丹沢ウッズさんの真似をして,マーラーのCDでも手に入れて聞いてみようかなとフト思い立つ.
<馬の背>
■ゲザンシュタインさんご一行と会う
花立山でアイゼンを脱着する.
11時23分,花立山荘に到着する.山荘前のベンチは登山客で一杯である.登山客のお一人が,私の方に手を振っている.目が余り良くない私は,気がつくのが一瞬遅れるが,ゲザンシュタインさんご一行である.
一行の写真パチリ.
ゲザンシュタインさんに,
「ブログに載せていいですか?」
と伺う.これからご一行さんは蛭ヶ岳まで行かれるとのこと.
5分ほど雑談をしてからお別れする.
<ゲザンシュタインさんご一行>
■大倉発12時11分のバスに合わせて下山する
相変わらず登ってくる沢山の登山客とすれ違う.先週の土曜日と比較すると,団体の登山客がやや多いようである.今日の私は大倉発12時10分,または38分のバスに乗ろうかと思っている.バスの時間に合わせて,丹沢の風物を眺める時間をなるべく長く取りたいなと思いながら下り続ける.
萱場平付近からは,凍結していた地面が融けて大年な泥んこ道になっている.
11時57分,堀山の家を通過する.ちょっと立ち寄ろうかとも思ったが,小屋の中から沢山の人の声が漏れ聞こえるので敬遠する.
速からず遅からずの速度で下り続けて,12時48分に観音茶屋に到着する.茶屋では顔なじみのメンバーが休憩している.このまま急げば12時11分のバスに間に合うが,お付き合いしていれば次の38分になる.立ち寄ろうか,どうしようか,ちょっと迷う.
茶屋の入口を開けて中に入ろうとすると,
「これから,下山するところです・・・」
と韋駄天のTさんが言う.Tさん他の方々は12時38分のバスに乗るつもりだという.
待てよ,急げば12時11分のバスに間に合いそうだぞ・・・そう思った私は,お先に失礼して,急ぎ足で下山し続けて,13時04分に大倉に到着する.
ごく簡単に靴を洗ったり,アイゼン,スパッツなどの整理をして,12時11分のバスに乗車する.
渋沢,小田原を経由して,15時少し前に無事帰宅する.
今日も,塔ノ岳に登って,気分爽快.よかった.よかった.
<凛とした大山の山容>
<ラップタイム>
7:06 歩き出し
7:28 観音茶屋
7:43 見晴茶屋
8:12 駒止茶屋
8:29 堀山の家
9:10 花立山荘
9:25 金冷シ
9:42 塔ノ岳山頂着(-1.5℃)
10:52 〃 発
11:14 花立山 11:18 (アイゼン脱着)
11:23 花立山荘(11:27まで石井グループと雑談)
11:57 堀山の家
12:12 駒止茶屋
12:35 見晴茶屋
12:48 観音茶屋
13:04 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:06
塔ノ岳 着 9:36
(所要時間) 2時間36分(2.60h)
水平歩行速度 7.0km/2.36h=2.97km/h
登攀速度 1269m/2.36h=537.7m/h
■下降所要時間(雑談時間を含む)
塔ノ岳 発 10:52
大倉 着 13:04
(所要時間) 2時間12分(2.20h)
水平歩行速度 7.0km/2.12h=3.03km/h
下降速度 1269m/2.12h=598.6m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8a6550d5b906a3c71e352352b1cc73e7
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/35445ce5f5481356f94af85e98ba2772
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楽しいコメント,有難うございました.
ウッズさんの連チャン丹沢詣で,羨ましいです.
私も,もう少し丹沢に近いところに済んでいたら,年間100回ぐらいは塔ノ岳に登りたいろですが,そうも行きません.
K村女史は,私より1年先輩.私の目標でもあります.何時までも元気で居て欲しいなと願っています.
マーラー,明日にでも,CD買いに行きますよ.大船辺りで売っているかな?
来週はあまり天気が良くなさそうですが,天候を見計らいながら,塔ノ岳へ行くつもりです.
ただ,今度の土日は所用があって塔ノ岳に行けそうもありませんが,また,近いうちにお目にかかれることを楽しみにしています.
また,当ブログにお立ち寄り下さい.
どうも有難うございました.
今日は強風で
でも、とても楽しい塔ノ岳詣でです!!
韋駄天のTさんは、今日も昨日と一緒のところですれちがい
K村女史の歩みが遅くなっているのが気にかかりますが
今日も常連さんはボチボチいました
昨日のメンバーはTさんのみかな?
マーラー交響曲、是非聴いて下さい!!