<布引観音>
善光寺街道;第2回;第1日目(3);布引観音参拝
(五十三次洛遊会)
2015年10月27日(火)~2016年10月29日(木)
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第1日目;2015年8月25日(火) (つづき)
<ルート地図>
■雷電田目右衛門生家付近
※再掲
■西原・布引観音
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※再掲
<布下から千曲川を遡る>
■閑静な布下
千曲川の河畔で休憩を取った後,布下の集落に入る.私の第一印象は,閑静な落ち着いたところだということである.
布下には中学・高校時代の同級生が何人か居て,上田までの汽車通学の仲間だった.いまあの人達はどうしているだろうか? そんなことを思いながら布下の集落を通過する.
集落の中央に諏訪宮があるのは分かっているが,善光寺街道筋から離れているし,時間が多少押していることもあって,参拝は割愛する.
<閑静な布下>
■轍とベンベン草の道
布下の集落を抜けて,千曲川左岸沿いの長閑な道をノンビリと歩く.
暫く進むと周囲の民家が疎らになる.周囲には稲刈りを終えた田んぼが広がる.道路は田んぼの中をクネクネと続く.草道である.道路には轍の後があり,轍の真ん中にはベンベン草が生えている.
何となく懐かしい雰囲気である.
前方には浅間山連山が見える.素晴らしい風景である.
この風景を眺めていると,またもや島崎藤村の詩を連想する.
<轍とベンベン草の道>
■浅間山連山を眺めながら…
やがて民家も途絶える.
相変わらず田んぼの中の草道が続く.左手前方には浅間山連山が見えている.全山がこんなにハッキリ見えるのは珍しいことである.
素晴らしい散策道だが,布引観音までは,未だ未だ遠い.あまりに距離があるので,歩きながらも,少々退屈してくる.
<浅間山連山が良く見える>
■石塔2基
14時19分,石塔2基の前に到着する.
平たくて大きな石には,風化が進んでやや読みにくくなっているが「百番供養」という刻字が見える.百番供養にどのような意味があるのか,私には良く分からない.
傍らに立っている小さな石塔は道祖神である.
<石塔2基>
■大きな石塔と板碑など
14時31分,舗装道路に飛び出るように合流する.合流点の近傍に大きな石塔が立っている.石塔には「御夜山座三大権現」という刻字がある.私にはこの石塔が何かは分からない.
ここから暫くの間歩道道路を歩く.
遙か前方に2~3軒の建物が見えているが,歩いても,歩いても,なかなか近付かない.
大きな石塔の直ぐ近くに板碑と石仏が立っている.この2基が何かは私には良く分からない.
<大きな石塔> <板碑と石仏>
<布引観音>
■芸術家の家
途中から再び草道に入る.草道が遙か向こうに見える数軒の建物に向かって真っ直ぐに続いている.
長くて退屈な真っ直ぐ道を歩きに歩いて,14時51分,最初に見えていた家の前にやっと到着する.この家はどうやら芸術家のアトリエらしく,道路に面して作品が幾つか飾り付けてある.なかなか面白い作品である.
<芸術家のアトリエ>
■布引観音駐車場
2~3軒の集落を抜けると,布引観音駐車場である.十台以上の車が停車できそうな広い駐車場である.今日は平日なので,駐車場は空いている.
駐車場の入口付近に布引観音の案内板が設置されているが,細かい字が沢山書いてあるので,端から読む気がしない.後で読むかもしれないので写真だけは撮っておく.
参考までに,小諸市観光協会の資料によると,布引観音は行基創建の天台宗の名刹である.正式名称は,天台宗布引山釈尊寺.信濃三十三観音霊場の第29番札所である.
<布引観音駐車場>
■いきなり階段道を登る
目指す布引観音は断崖の中腹にある.駐車場から布引観音までは,結構きつい山道が連続する.
14時56分,有志だけで布引観音を目指して,山道を登り始める.いきなり急な勾配の階段道登りが始まる.
私がこの参道を登るのは,30~40年ぶりのことである.その頃は若かったのか,ほんのちょっと登っただけで布引観音に到着したような気がしていたが,改めて今回登って見ると,どうして,どうして,…なかなか手強い登り坂である.この階段,一体何処まで続くのかとイヤになる.
15時08分,華岩を通過する.
<登山口(参道入口)> <華岩>
■善光寺穴
ジグザグの急階段が連続する.喘ぎながら登り続ける.
15時10分,善光寺穴に到着する.この穴は長野の善光寺の地下の回廊に繋がっているという伝説がある.その証拠に善光寺が火事になったときに,この穴から煙が出たという伝説がある.
また,強欲婆さんの布を角に引っかけた牛が駆け込んだのが,この穴だと言われている.
この穴を見ることが,わざわざ善光寺街道を外れて,布引観音を訪れた最大の理由である.
<善光寺穴>
■布引観音を見上げる
15時12分頃,頭上に布引観音が見えはじめる.
”エッエ~…あんなところまで登るのぉ~”
それにしても物凄い迫力だ.よくもまあ,あんな所にお堂を建てたものである.
登り所要時間は途中の見物時間を含めて,
<お堂を見上げる>
■布引観音社務所
やがて坂上に寺務所が見え出す.階段の上の方から老夫婦が手すりに掴まりながら,ユックリと降りてくる.すれ違いざまに,
「…いやあ~,大変な急坂ですっかり参りました…」
と私を労るように話しかけてくる.
「凄い坂道ですね…」
と釣られるように私は応答する.
15時16分,寺務所に到着する.参道入口からの所要時間は見物時間を含めて,16分である.本堂前からの眺望が素晴らしい.断崖の先に遠く浅間山まで見える.素晴らしい風景だが,まずは布引観音をお参りしてから,帰路にこの風景を写真に収めることにする.
少しの間,後から登ってくる人を待ってから,本堂に向かう.途中坊主墓の前を通って,15時17分,トンネルを潜って本堂前に到着する.
<社務所> <本堂手前のトンネル>
■布引観音本堂
布引観音本堂はトンネルを潜ったすぐ先にある.建物の朱色が印象的である.
まずは参拝.
欄干に近付いて下を見ると,身の毛がよだつほどの高度感がある.後から登って来る同行者の姿が豆粒のように見えている.最初は,山には登らずに,下の駐車場で待っていると言っていた方々も,結局は全員布引観音本堂まで登る.良かった.
私が子どもの頃は,本堂から体内潜りをして断崖上の道まで行けたが,今は柵が設けられていて行けなくなっている.台が井上からは,素晴らしい眺望が楽しめたように記憶している.多分,今は危険だから進入禁止になっているんだろうが,一寸残念.
<布引観音>
■ネコ1匹
欄干の蕎麦でネコが日向ぼっこをしている.確かに柔らかな日差しを浴びていると眠くなるような心地よさを感じる.このネコ,どうやら飼い猫らしく,人懐こい.ネコの方から私に近付いてくる.私は一番遅い仲間が到着するまで,ネコのお相手をする.
<人懐こいネコ>
■寺務所前からの眺望
一番遅い方がお参りを済ますのを待って,社務所前まで引き返す.
途中,坊主は蚊の前で,2人の外国人が,通りすがりの観光客に何か質問している.
「…誰か英語話せる人居ないですか…」
と私の顔を縋るように見ながら言っている.
私は簡単な日常会話ぐらいなら英語でも可能だが,坊主墓が何故頭が丸いなんていうことは元々知らないし,お寺のことなどとてもではないが,英語で説明することは困難である.ちょっと心が痛むが,ボディランゲージでダメダメを言って通り過ぎる.
社務所の前で,最後の仲間が参拝を終えてもどるのを待つ.その間に社務所からの眺望を楽しむ.残念ながら日が陰って来ているので,布引観音は日陰になってしまったが,なんとも素晴らしい風景である.
<社務所前からの眺望>
■駐車場へ下る
予約してあるジャンボタクシーが15時45分に布引観音駐車場に到着することになっている.少々時間が押しているので.私は一番足の遅い方と一緒に下山することにして,他の方には先に下山してもらう.
その後,私達足の遅い組はユックリと下山しはじめる.右膝リハビリ中の私には,むしろユックリ下山するのが有り難い.
ユックリ下山したにもかかわらず,15時46分,無事,駐車場に下山する.
(つづく)
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「善光寺街道」の索引
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【参考資料】
「善光寺西街道」の目次
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「善光寺西街道」の索引
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