中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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熊野古道:中辺路を行く(9)第3日目(3)

2008年01月11日 20時42分04秒 | 南アルプス・西日本
                   <素晴らしい風景の中を進む>

            熊野古道:中辺路を行く(9) 第3日目(3)
                       湘南カラビナ隊
              第3日目 11月21日(水)(つづき)

<長閑なハイキングコース>

■猪鼻王子
 10時43分に船玉神社(標高240m)を出発する。緩やかな登り坂で道幅が広い道路に沿って歩き続ける。近くの私達以外に歩いている人は見当たらない。進行方向左手から右手に流れ落ちる斜面をトラバースしている。谷川は照葉樹林帯になっている。丁度紅葉が見頃である。
 10時55分,猪鼻王子跡(260m)に到着する。猪鼻王子跡は薄暗い杉林の中にある。高さ1メートルほどの石碑がある。その脇に「熊野道猪鼻王子」と書いた案内板が立っている。ここで2分ほど立ち休憩を取る。

           <猪鼻王子跡>                 <素晴らしい紅葉の中を進む>

■発心門王子で昼食
 10時57分に猪鼻王子跡を出発する。暫く進むと,これまで東に進んでいた広い道が鋭角に北方向に曲がり,道幅が狭くなる。上り勾配も随分ときつくなる。
 11時08分に61番道標を通過する。深い杉林に囲まれた薄暗い山道を登り続ける。なんとも寂しくて,一人で歩くのは怖いほどの,心細い感じのする山道である。やがて,坂の上に大きな鳥居が見えてくる。
 11時13分,この鳥居の手前を通る自動車道に飛び出る。鳥居を潜ると発心門王子(300m)である。境内はかなり広い。境に向かって左隅に立派なお社がある。広場の周辺には案内板や石碑が建ち並んでいる。
 私達は,石碑の周辺に座り込んで,やや早めの昼食を摂ることにする。のなか山荘で作ってもらった弁当は,おにぎり3個。如何にも手作りという風合いがある。
 
         <発心門王子>                 <のなか山荘の昼食>

■発心門休憩所
 私達が昼食を食べ終わり,歩き出そうとしたときに,路線バスが鳥居の前に停車する。バスから10数人のハイカーが降りてくる。皆,軽装である。どうやら,発心門王子から熊野本宮大社までハイキングする人達が多いようである。
 11時39分,私達も一般ハイカーに混じって,発心門王子を出発する。ここから先は,舗装道路になる。その意味では,俗化しているともいえる。だらだらと下る広い自動車道に沿って歩き続ける。案内標識に従って,途中から右折して,道幅がやや細い舗装道路を進む。緩やかな下り坂である。
 11時44分,公園のように広々とした場所に到着する。近くに62番道標がある。広場の中央に,綺麗な建物が建っている。発心門休憩所である。ここで5分ほど休憩を取る。
 
          発心門休憩所>                   <ユーモラスな案山子>

■ユーモラスな案山子
 11時47分に発心門休憩所を出発する。やがて集落に入り込む。
 道端に小さな小屋がある。その小屋の中に野良着姿の男女2体の人形が,こちらを向いて座っている。ほぼ等身大の人形である。小屋の脇に小さな小川が流れている。小屋から5メートルほど下流に,小川の水を利用した筧が作られている。水を受ける器は,ありふれたプラスチックのバケツである。バケツは水が満杯になる度にギッタンバッタンを繰り返す。筧の先には長い紐が結びつけられている。紐の反対側は,2体の人形の手に結びつけられている。筧がギッタンバッタンするたびに,紐が引っ張られたり,緩められたりする。その度に,人形が立ったり座ったりを繰り返す。動く人形を見ていると飽きない。
 人形の小屋の反対側には,木彫りフクロウを売っている無人スタンドがある。ユーモラスな姿をした大小さまざまなフクロウが並んでいる。だれかが,
 「フクロウさん(湘南カラビナ隊のメンバー)のお土産に買っていこうかしら・・」
という(結局誰も買わなかった)。
 さらに先へ進むと,野良着を着た大きな案山子が道に向かって立っている。何となく不細工だが,とてもユーモラスである。
 こんな情景を楽しみながら,集落を通過する。
 
        <仕掛け人形>                    <動力源の筧>

■水呑王子
 やや単調な田舎道を下り続ける。紅葉した庭木に囲まれた良い雰囲気の民家が続く。そして,12時10分に水呑王子跡(255m)に到着する。近くの65番道標が立っている。水呑王子跡には小さな石像が安置されている。傍らに小さな石仏が2体並んでいる。
 石像の傍らに水飲み場がある。樋から水が流れ出している。水受けの石臼に水が貯まっている。石臼の上に,柄杓が数本備え付けられている。
 水呑王子跡から先は,再び細い山道になる。ふたたび緩い登り坂が始まる。
 
       <フクロウ売り場>                    <水呑王子>

■伏拝王子
 水呑王子を過ぎても,集落が続く。広い茶畑の脇を通る。どこの山か分からないが,視界が開けて,遠くの山並みが見え始める。とても長閑な雰囲気の中を,ノンビリと歩き続ける。
 12時39分,菊水井戸を通過する。近くに68番標識が立っている。この辺りから再び舗装道路に出る。道路は次第に登り坂に変わる。そして,12時49分に伏拝王子(250m)に到着する。緑色の地に白い文字で「伏拝茶屋」と書いた看板が建っている。
 傍らに「皇太子殿下行啓の地」とかいた杭が立っている。
 
         <拝伏王子>                      <拝伏茶屋>

■三軒茶屋跡
 12時52分に伏拝王子を出発する。古道は丘の斜面をトラバースしながら登っていく。進行方向左側から右側に斜面が流れている。坂道を上り詰めると眺望が開ける。三軒茶屋跡である。観光地らしく大きな建物が建っている。
 建物が建っている広場の端を先へ進む。道が次第に登り坂になる。坂を登りきったところから振り返って眺望を楽しむ。すると脇道を丘の方から降りてきた人が,
 「この道をちょっと登ってみて下さい・・素晴らしい展望が開けますよ」
と私に話しかける。仲間は少し先を歩いているが,私と消防署員の2人は,ちょっとだけ寄り道する気になる。この男性の案内で,急な坂道をほんの1~2分登ると峠のような所に出る。下を見下ろすと,つい先ほど通った道と,広い庭のある建物が見える。
 案内してくれた男性は,この建物に住んでいる方だという。テレビの「ナントカ」という番組のロケに,ここからの景色が使われたと自慢する。
 なるほど,ここからの見晴らしは素晴らしい。何という山かは分からないが,遠くに三角形に尖った山が見えている。案内をしてくれた男性が「ナントカ富士」と説明してくれるが,聞いた途端に忘れてしまう。

         <三件茶屋跡>                  <熊野のナントカ富士?>

<熊野本宮大社を目指して>

■見晴台

 急坂を引き返して,古道に戻る。そして先行している仲間を追いかける。この辺りから軽装の団体客が沢山訪れている。団体客に混じって,13時14分,九鬼ヶ口関所の門を潜る。ここから登り坂になる。杉林の中の階段道を進む。
 13時36分に高台の広場に到着する。見晴台(200m)である。見晴台の周辺には見事に紅葉した木が並んでいる。ここで10分ほど休憩を取る。

   <九鬼ヶ口関所>                    <見晴台>

■祓戸王子
 13時45分に見晴台を出発する。すぐに,なだらかな下り坂になる。眼下に,木の間から,緩やかに蛇行する熊野川が見えている。ここで,今回の旅も終わりに近いなと実感する。
 14時丁度に祓戸王子(135m)に到着する。近くに祓戸王子の説明文を書いた看板が建っている。ここから広い道路になる。予定より随分と早く歩いてきたので,ここで4分ほど休憩を取って,時間調整をする。目の前に熊野本宮大社の鳥居が見えている。
 
  <眼下に熊野川が見える>             <熊野本宮大社の鳥居>

■熊野本宮大社に到着
 14時04分に祓戸王子を出発する。ほんの1分ほど歩いて,14時05分に鳥居を潜る。そこから先は深い杉林に囲まれた参道が延々と続く。参道は緩やかな下り坂になっている。
 参道を下り続けて,14時08分に熊野本宮大社(80m)に到着する。
                        (つづく)


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