<ドミンゴスさんのコーヒー店>
雨の日の鎌倉:「ドミンゴスさんのコーヒー」で憂さ晴らし
(単独散策)
2009年7月6日(月) 驟雨
昨夜の天気予報では,今日は曇の筈だったが,今朝になって午前中は雨の予報に変わった.またもや塔ノ岳行を延期する.このままでは,ますます脚力が萎えてしまうので心配である.モロッコのように乾燥しすぎるのも困るが,帰国後,まともに晴がない梅雨空の連続も困ったものである.まあ,仕方がないので,午前中はモロッコ訪問記でも纏めることにしよう・・・
<梅雨の鎌倉中央公園:拙宅の2階から望む>
10時頃から,鎌倉でもかなり激しい雨が降り出した.やっぱり,無理をして塔ノ岳に出掛けなくて良かった.
でも,午後からは,雨も小降りになってきた.
特段急ぐことではないが,鎌倉駅前で,一寸した用事がある.いくら雨だといっても,終日,家に籠もっていたら,気持が滅入ってしまう.私は,小雨の中,ブラブラと鎌倉へ出掛けたが,用事はすぐに済んでしまう.そのまま帰宅するのも惜しい.
雨模様の鎌倉駅前の人出は,何時もよりも大分少なく,閑散としている.
小町通に入る.小町通も何時もより歩いている人が少ない.久々にユックリと小町通を隅から隅まで歩いてみる.ついでに,どこかに安いコーヒー屋はないかと探す.すると,鶴岡八幡宮近くまで上った所に(この辺りは,正確には小町通ではないが),コーヒー300円也のお店と,350円也のお店があることを確認した.どちらかの店に入って,コーヒーを味わってみようかと思った.でも,どうせコーヒーを味わうのだったら,美味しいことが分かっている「ドミンゴスさんのコーヒー」に立ち寄る方が当たりはずれがなくて良い.
今度は,小町通を鶴岡八幡宮の方から鎌倉駅に向かって,ユックリと歩く.そして,「ドミンゴスさんのコーヒー店」の前まで戻る.
「・・・お店が混雑していたらイヤだな・・」
と思いながら,とりあえず階段を上る.そして,ソ~ッと店の扉を開けて,中を覗く.先客は誰も居ない.
手持ちぶさたそうなマスターが私の顔を見て,
「おや・・いらっしゃい! 今日はお一人ですか?」
と私を出迎える.そして,
「・・・7月に入ってから,小町通を歩く人の数がめっきり少なくなりましたよ・・」
とぼやく.
「そうですね~ぇ・・・夏になると,どうしても海岸の方が混雑して,山側は少し人出が少なくなるようですね.でも,鎌倉にはいろいろなイベントがありますよ.そんなときは,結構人出も多いですよ・・」
と,私はアヤフヤな相槌を打つ.
「そういえば,先日,makoさんが,賑やかなお友達と一緒にお見えになりましたよ・・」
「そのようですね.あの日,私は,多分,塔ノ岳へ行っていたと思います・・」
そんな雑談を交わしている内に,先日訪れたモロッコのことや,昨年のペルー訪問のことが話題になる.
<「ドミンゴスさんのコーヒー店」のコーヒー>
雑談をしていると,3人の女性が店に入ってくる.どうやら,表の看板を見て,初めて来店したお客さんのようである.
私は,久々に美味しいコーヒーを味わうので,気分がよい.
「・・家でコーヒーを入れるんですが,どうも不味くって・・」
と愚痴を言う.するとマスターが,
「どんな入れ方をしているんですか・・?」
と私に質問する.
「どんなって・・! ただお湯を入れて,かき混ぜるだけ・・」
と返答に窮する.
「どうですか・・・? この店で『コーヒー学通論』でも開講しませんか・・・毎回1時間程度で数回に分けて・・・コーヒーの歴史,コーヒーの種類,コーヒーの入れ方など,コーヒー全般について分かりやすく講義しませんか?」
と,私はマスターをけしかける.
私は本気である.
もし,こんな講義があるならば,是非,拝聴したいなと思っている.
私には,コーヒーの入れ方は全く分からないが,マスターが,フラスコを逆さにしたような器の中を使ってコーヒーを入れているのを眺める.逆さのフラスコの首の辺りで,赤い炎がユラユラと反射している.炎の陰がユラユラと揺れるたびに,だんだんとコーヒーが出来上がっていく.ガラスの質感と炎の対比が実に綺麗である.
<メラメラと輝く炎:この炎から美味しいコーヒーが生まれる>
14時50分頃,私は「ドミンゴスさんのコーヒー店」を後にする.鎌倉駅前に戻ると,バス停に梶原行のバスが停まっている.これ幸いと乗り込む.
15時30分頃,帰宅する.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
明日の天気は,どうやら曇一時晴のようである.
雨さえ降らなければ上々である.私は,
「塔ノ岳へ行くぞ・・・」
と,今から張り切っている.
もっとも,この時期の天気予報ほど当てにならないものはない.明日の朝になってみないと,天気のことは分からないが,まあ雨なら雨で仕方がないさ.
もう10日以上も山行から遠ざかっている.
明日,塔ノ岳に登ったら,多分,体力の減退で苦労するだろう.3時間程度でバカ尾根を登れれば上出来かなと思っている.
「梅雨が明けたら,繰り返しバカ尾根を登って,体力の減退を挽回するぞ・・」
と,今から私は空元気になっている.
バカですね.私は・・・
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d56ed7118f537c9c171ddebb3b2f2efe
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
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