中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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霧氷と紅葉を楽しむ丹沢:塔ノ岳(今年52回目)

2011年12月22日 03時28分40秒 | 丹沢の山旅

                                  <塔ノ岳山頂の霧氷>

       霧氷と紅葉を楽しむ丹沢:塔ノ岳(今年52回目)
              (単独山行)
           2011年12月21日(水)
 曇

■寒い朝は出掛けるのが億劫だ
 もう師走も押し迫った.今が一番日が短い時期である.昨夜から,
 「明日(12月21日)は,絶対に塔ノ岳に登るぞ・・・」
と心に決めていたが,いざ,当日となると,その決意も鈍り勝ちになる.
 今朝は何時もより随分と早く目が覚める.時計を見ると,まだ,2時30分である.いくら何でも起き出すには少々早すぎる.そこで,目覚まし時計を4時にセットして,もう一度眠る・・・が,奇妙な夢ばかり次々に見ていてちっとも熟睡できない.そんな憂鬱な時間,当の本人は半分目覚めているつもりでも,やっぱり眠っていたらしく,「ハッ」と気がついたときは4時45分になっている.目覚ましが鳴ったのか鳴らなかったのか良く分からないが,とにかく寝過ごした.
 「ンじゃ~ァ・・・今日は,もう,塔ノ岳行きは止めるか・・」
軟弱者の私は,すぐに易きに同調しそうになる.すると,心の中のもう一人の私が,
 「何言っているんですか! 今日は天気予報も晴だと言っているし,明日は天気が下り坂ですよ.今日,塔ノ岳に登らなければ,きっと後悔しますよ・・」
と私を諫める.
 私は意を決して,山用の服装に着替える.前回もそうだったが,服装を整えると,気分もシャンとする.とはいえ,起床時間が遅くなったので,自宅で朝食を摂る時間がない.朝食もコンビニで購入することにして,定刻5時10分に家を出発する.
 1週間前に出掛けたときは中天に煌々と輝く月があったが,今日は月もなく辺りはまだ真っ暗である.ただ,完全に無風なので,かなり低温にもかかわらず,体感的にはそれほど寒いとは感じない.
 例によって,小田原で東海道本線から小田急線に,猛烈な駈けっこをして乗り換える.小田急線の電車に乗った途端に,発車のチャイムが鳴り始める.
 「やれやれ,・・・今日もやっと間に合った!」
 電車が新松田を発車する頃,漸く辺りが明るくなり始める.

■ビリカスのスタート
 渋沢駅で大倉行バス乗り場へ向かう.
 私より先に到着したY川さん,三角髭のTさん,丹沢ホッシーさんがバスを待っている.
 「いや~ぁ・・・寒いですね」
と三角髭のTさんが私に挨拶する.
 ほどなく下り電車が到着して,韋駄天のTさん,フォレストさんのご常連が現れる.
 今日の大倉行の1番バスは,常連の皆様の他に数名の登山客が乗車しているだけで空いている.
 バスの前の方で,韋駄天のTさんやY川さんと雑談をしている内に,バスは定刻7時59分に大倉に到着する.
 ご常連の皆様は,何時もの通り,そそくさと歩き出す.やや遅れてY川さんも出発.
 例によって,私は,ウインドウブレーカーをリュックに仕舞ったり,ハイドレーションシステムをリュックに装着したりしている内に,瞬く間にビリカスになってしまう.それでも精一杯早く登山の準備をして,大倉を7時10分に歩き出す.
 路面は良く乾いているので,どうやら今日は歩きやすそうである.
 今回の塔ノ岳詣では,前回から約1週間のブランクがある.脚力が萎えているかもしれない.私は出だしの歩行速度は慎重に制御するつもりである.
 登山口手前で,私より少し先に歩き出したY川さんに追い付く.ここから,克董窯付近まで,Y川さんと一緒に,ごくユックリとした速度で登り続ける.そして,身体が少し温まってきた頃,Y川さんとお別れして,先に行かせて貰う.

<山麓の紅葉>

■見晴茶屋
 7時33分,観音茶屋を通過する.大倉を歩き出してから23分経過している.随分とユックリペースである.
 7時49分,見晴茶屋を通過する.茶屋前のススキが実に綺麗である.このススキ越しの雲間に,朝日に光る相模湾が見渡せる.
 実に美しい風景である.私は,ここで気が済むまで何枚かの写真を撮る.

<見晴山荘からの眺望>

■比べるのは過去と未来の自分
 見晴茶屋を過ぎると,すぐに急傾斜の階段道になる.階段の中程を何人かの登山者がユックリとした速度で登っている.こういう光景を見ると,前方の人をすぐに追い抜きたくなるが,そんなことをせずにマイペースを守らなければならない.私自身,もう十分に悟っているつもりだが,すぐに対抗心が湧き出てしまうので,これを押さえるのに苦労する.要するに悟りが足りないのである.
 汗をかかないように,呼吸が乱れないように,細心の注意を払いながら,極力マイペースで登るように努力する.
 それでも,一本松手前で,初老の男女5人のチームに追い付いてしまう.一番後の方が私に気がついて,道を譲ってくれる.私はお礼を言いながら,先に行かせて貰う.すると,先頭の男性が,
 「随分とお速いですね・・・私ども一生懸命に歩いていても,次々に追い越されてしまうんです・・」
と私に話しかける.
 「他人と比較しても仕方がないですよ.人それぞれだから・・・私は過去の自分,現在の自分,将来の自分とだけ比較しています・・」
とお答えする.すると真ん中辺りに居られる男性が,
 「良いことを聞きました・・・その通りですね」
と相槌を打つ.もっとも私自身,完全に悟っているわけではないが・・
 今日は特別にユックリ歩き出したためか,一本松を過ぎても全く疲労感がない.そのまま,経済速度を保ちながら,8時17分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してからここまでの所要時間は1時間07分.ユックリペースの割には,まあ,まあ,のラップである.

<堀山の尾根の紅葉>

■萱場平
 8時26分,堀山を通過する.富士山が良く見える場所に到着するが,今日は,残念ながら富士山は雲に隠れている.
 8時33分,堀山の家を通過する.ここから長い登り坂になる.8時50分頃,前方にフォレストさんとホッシーさんの後ろ姿が見え出す.すると,ホッシーさんが路肩で立ち休憩.たちまちの内にフォレストさんとの距離が広がっていく.私はホッシーさんに,
 「お先に失礼します・・」
と挨拶して,先に行かせて貰う.
 私は,ほんの少しだけ,フォレストさんに追い付こうと努力する.でも,仮に追い付いても疲労困憊は避けられそうもないので,暫くは並行して歩くことにする.
 8時51分,萱場平を通過する.
 2本の木道の間で頑張っていた大きなアザミも遂に枯れてしまった.緯線の摂理とはいえ哀れである.

<ご常連の後を追う>


<萱場平>

■沢山の常連とすれ違う
 前方にフォレストさんの後ろ姿を見ながら,並行して登り続ける.
 9時01分,勢いよく下っている韋駄天のYさんとすれ違う.
 9時03分,後7分坂に到着する.ここでちょっと後ろを振り返って,相模湾の写真を撮っている内に,前方のフォレストさんとの距離が絶望的に開いてしまう.私は,もうフォレストさんの後を追うのを諦める.
 そのとき,上の方からチャンピョンが降りてくる.
 「やあ・・久しぶりだね・・」
とチャンピョンが私に話しかける.
 後7分坂を,6分で登って,9時09分に花立山荘に到着する.大倉を歩き出してからの所要時間は1時間59分.たった1分とはいえ,2時間を切ったので,私としては,まあ,まあ,満足.
 花立山荘からも相変わらず富士山は見えない.
 9時18分,花立山を通過する.今日の花立山からの展望は期待はずれ.富士山も南アルプスも雲の中である.
 9時21分,金冷シを通過する.疲労感全くなし.最初の登り階段を経済速度で登る.寒い.
 やがて,塔ノ岳山頂直下の階段に差し掛かる.9時29分,下山してくる三角髭のTさんと,そして,9時31分,ご常連のボンちゃんとすれ違う.ボンちゃんは愛犬チャイちゃんを抱っこしている.可愛い.写真を撮らせて貰う.そのとき,韋駄天のTさんともすれ違う.

<ご常連の後をつかず離れずに登る>


<Yさん>


<チャンピョン>


<三角髭のTさん>


<ボンちゃんとチャイちゃん>


<韋駄天のTさん>

■塔ノ岳山頂
 9時34分,塔ノ岳山頂に到着する.気温2℃.えらく寒い.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は,2時間24分.途中のおしゃべりが少なかったので,ラップタイムが良くなったようである.途中,道草さえしなければ,2時間20分台で登れるなと確信する.
 いろいろとあったが,私の体力は,まあ,まあ,応分に維持されているようである.
 今日は雲が多くて,展望は利かないが,一応山頂からの風景を一回り撮る.

<塔ノ岳山頂からの眺望>

■綺麗な霧氷
 山頂を一回りする.すると丹沢に向かう斜面が見事な霧氷になっている.真っ白な花が一面に咲いているような風景である.もちろん,私にとっては,今年最初に見る霧氷である.
 尊仏山荘に立ち寄るのは後回しにして,まずは霧氷の写真を撮りまくる.






尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.今日の小屋番はオーナーのHさん.私はミー君とのご対面を即座に諦める.先客は,さきほどまで後を追いかけさせて貰ったフォレストさんだけ.定番の300円也のお茶を所望する.
 暫くの間,3人で四方山話をする.
 「・・大杉山へ登るんですか?」
と私がフォレストさんに伺う.
 「来年になってから,行こうかと思ってます」
とのこと.あそこは山旅スクールの仲間と,地図読みの練習を兼ねて2度ほど登ったことがあるが,なかなか地図読みは難しいし,スリルのある難コースである.
 ついで,過日,鍋割山に廻ったときに,鍋割り山荘の鍋焼きうどんが大混雑だったことが話題になる.すると,Hさんのお話では,どうやら女性向けの雑誌に鍋焼きうどんの紹介記事が出てから鍋割山の登山者が,どっと増えたようである.そのために,鍋焼きうどんが1日にXXX食も出ることがあるとのこと(機微に触れるので具体的な数字は伏せる).
 そういえば,私たちが訪れたときも,鍋焼きうどんは30分待ちだった.私たちより後から注文した団体は2時間待ちとのことだった.
 そんな話をしていると,私たちのバスよりも30分遅いバスに乗ってきたご常連のXさん(お名前失念)が早々と到着する.
 「あれ~っ!・・・もう着いたんですか・・」
私たちは,Xさんのあまりの速さに驚き呆れる.
 「今日は2時間ぐらいですか・・・」
と質問する.
 「いやぁ・・2時間05分です・・」
それにしても,呆れるばかりに速い.世の中には凄い人が居るものである.
 再び鍋割山の繁盛振りが話題になる.Xさんが,
 「尊仏山荘で,シカは客寄せにならないですかね・・」
と提案.
 「そんなら,いっそのこと,シカの上にネコのミー君を跨がせて,その辺りを走り回らせたら・・」
と茶々を入れる.
 私は,
 「湯たんぽ代わりに,ネコをだいて寝れますよ・・と宣伝するのはどうですか」
と悪のり仕掛かるが,ぐっと押さえる.

■下山開始
 私は大倉発12時52分のバスに乗ろうかと思う.そこで,十分時間の余裕を見て,10時10分に尊仏山荘を出発して下山を開始する.
 山頂から2番目に階段を下っているときに,往路で追い越させて頂いた5人組とすれ違う.
 「おや・・・やっぱり,随分とお速いですね・・・」
と先頭の方が言う.
 今日もご常連の中では,一番遅かった私は,何とも奇妙な気分になる.速い人もきりがないほど居られるが,遅い人もごまんと居る.登山ってそんなものだ.他人と比較するのは全く意味がないなと改めて思う.あくまで自分は自分である(としておこう).
 10時35分,花立山荘を通過する.そして後7分坂を3分の1ほど下ったところで,今朝方,途中までご一緒したY川さんが登ってくるのとすれ違う.Y川さんの努力する姿に感激する.

■傘雲の富士山
 11時17分,堀山の尾根で富士山が漸く見え始める.山頂に傘雲がかかっている.やっと顔を出した富士山である.ここで数枚に写真を撮る.

<傘雲の富士山>

■名残の枯れススキ
 モミジ坂に差し掛かる.紅葉の見頃はもうとっくに過ぎているが,それでも所々に美しい紅葉が残っている.紅葉の写真を撮りながら下り続ける.
 11時52分,見晴山荘に到着する.山荘前の枯れススキが柔らかな冬の日射しを浴びて輝いている.これも写真に撮るしかない.
 枯れススキを眺めながら,
 「オレの人生も,今が紅葉か枯れススキって所かな・・」
と妙なことを考える.

<見晴山荘前の枯れススキ;オレの人生の末路みたい>

■大倉12時22分発バス
 時計を見る.
 少し急げば,12時22分のバスに間に合いそうである.折角の山なんだからユックリしたいという気持ちと,間に合うのなら早く帰りたいという気持ちが錯綜する.
 「まあ,いいか・・このままの速度で歩き続けよう・・・どうするかはもう少し先で考えよう」
で決めるのを先送りする.
 12時04分,観音茶屋を通過する.
 「あれ~っ・・・まだ,12時22分のバスに間に合いそうだな・・」
 私は急ぐことに決める.
 俄に猛ダッシュ! かなりの速度で下り続けて,12時19分にバス停大倉に到着する.12時22分発のバスに悠々と間に合う.バスに乗った登山客は私1人だけ.

■熱い風呂と孫娘
 14時過ぎに無事帰宅.疲労感は全くない.モリモリと何かしたくなる.
 早速,熱めの風呂を沸かしてザブン.冷えた手足がビリビリと熱く感じる.実に心地がよい.
 「やっぱり,塔ノ岳詣では止められないな・・」
と実感する.
 「最高の気分だな~ぁ・・・!」
 そういえば,つい最近受けた人間ドックでも,特に悪いところはなかった.痛いところがないのが何よりの幸せである.
 湯船に浸かっていると.玄関のチャイムが鳴る.裸で出るわけにも行かないので放置する.
 中学生の孫娘の来訪である.勝手に玄関を開けて入ってくる.あとから母親,つまり私の娘も到着する.俄に家の中がうるさくなる.ギャル風になりはじめた孫娘達と楽しい夕食を共にする.
 彼らは今夜我が家に泊まるという.
 夜までお付き合いしたいのは山々だが,眠くて仕方がない.20時半頃,先に就寝.
 今日も充実していたな.

<ラップタイム>

 7:10  大倉歩きだし
 7:33  観音茶屋
 7:49  見晴茶屋
 8:17  駒止茶屋(4.0℃)
 8:33  堀山の家
 9:09  花立山荘
 9:21  金冷シ
 9:34  塔ノ岳山頂着(2.0℃)
=====================================
10:10  塔ノ岳山頂発
10:22  金冷シ
12:35  花立山荘
11:10  堀山の家
11:28  駒止茶屋
11:52  見晴山荘
12:04  観音茶屋
12:19  大倉 着

[登山記録]

■水平歩行距離 
  7.0km


■累積登攀下降高度     1269m

■登り所要時間
   大倉 発                 7:10
   塔ノ岳着                 9:33
 (所要時間)       2時間24分(2.40h)
 水平歩行速度     7.0km/2.40h=2.91km/h
 登攀速度          1269m/2.40h=528.8m/h

■下り所要時間
   塔ノ岳発                 10:10
   渋 沢着                 12:19
  (使用時間)       2時間09分(2.15h)
  水平歩行速度  7.0km/2.15h=3.26km/h
  下降速度           1269m/2.15h=590.2m/h
                                (おわり)

「丹沢の山旅」の前回歩記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7de40034443759a5ce936765bebab200
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3a19c2f5b5db6cede61419bf9f427df6



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