<ヒーストラス川で釣りを楽しむ>
[復刻版]
アパチャ山登頂記;第6日目(1);ヒーストラス川で魚釣り
(アルパインツアー)
2004年8月10日(火)~8月17日(火)
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第6日目:2004年8月15日(日)
<ルート地図>
<バージニアホテルの朝>
■眠れぬ夜
同室の方の鼾に悩まされたこともあるが,寝起きの気分は余り良くない.何となく身体全体に倦怠感が残っている.
でも,この程度の倦怠感はときどきあることなので,気にしても仕方がない.とにかくもう眠れないので,気分転換をするために,とにかく起きてしまう.朝食は8時からである.まだまだ,折角,時間があるので,ただ漫然とベッドの上で過ごしていても仕方がないので,そっと部屋を抜け出して,ホテルの外へ出てみる.
外気温は15℃位だろうか.真夏の朝にしては,随分とヒンヤリしている.
ホテルの周辺には灌木の林が連なっている.辺りを少しばかり散歩してみる.上空は雲に覆われているが,灌木の間を抜けてくる空気は新鮮で心地がよい.同じ場所を行ったり来たりしながら,早朝の爽快感を味わう.その内に,ツアー仲間の何人かが,ホテルの建物から外へ出てくる.そして,私と同じように散歩を楽しんでいる.
■朝食
8時から例のレストランで朝食である.
7時50分頃,ホテル玄関前に集合.ツアーリーダーの後に付いて少し離れたところにあるレストランに向かう.昨夜,夕食を食べたレストランと同じところである.
各自,適当な席に座る.
まずはヨーグルト,次いでダブルエッグのサニーサイドアップ.それに何と言うんだろうか,ネットリ,ムチムチした感じの小麦粉のお焼きみたいなもの.
今日の朝食は,私好みである.とても美味しく頂戴する.
朝食は30分ほどで終わる.食事が終わった人から順次ホテルへ戻る.
<朝食>
<青空市場を楽しむ>
■六輪駆動車でホテルを出発
私たちは,このホテルに2連泊する予定である.今日は,終日,観光で過ごした後,またこのホテルに戻ってくる.そこで,大半の荷物は部屋に置いたまま,貴重品と雨具程度を持って出かけるつもりである.
9時頃,私たちの専用車である六輪駆動車に乗り込み,パラトゥンカ温泉郷を出発する.
9時08分,バージニアホテル前を出発する.
ホテルを9時8分に出発する。
最初は舗装道路を軽快に走っていたが,やがて未舗装の道に入る.
10時30分,標高315メートルの地点で,休憩を取る.この辺りは自然のままの原野で,人の気配は全くない.
花の名前は,私には分からないが,白い花が辺り一面に咲いている.
気温は20℃.
<標高315メートル地点で休憩>
■青空市場に到着
10時30分頃,青空市場に到着する.ここで休憩である.
広々とした原っぱに,粗末な建屋と,露店が並んでいる.何となくうら寂しい感じがするところである.
“ここは一体どういう所なんだろう…”
と私は訝しく思う.
…というのも,市場にしては余りにも辺鄙なところのようである.その証拠に客の中にこの辺りの住民らしい人は全く居ない.
“あっ…! そうか! ここは私たちのような観光客の休憩所なんだ”
私は多分そんなところだろうと早合点する.
<青空市場>
■人が集る屋台
市場の中をグルグルと回ってみる.すると,私たち以外にもこの辺りの住民と思われる方の姿がチラホラと見える.
“やっぱり,先ほどの推測は間違っていたか…”
でも,そんなことどっちでもいいや.
市場の中をあちらこちら歩き回りながら写真を撮り続ける.
ふと気が付くと,同行の皆さんが,一箇所の屋台に集まっている.その側で温和しそうな犬が1匹座り込んでいる.
“何だろう…?”
私は不思議に思いながら,その屋台へ向かう.
<皆が集まる屋台>
■オドオド子猫とピロシキ
屋台に向かう途中で,建物の陰に隠れるようにオドオドとしている子猫を見つける.
「おや,猫ちゃん…どうしたんだい?」
と言いながら私は猫に近付く.
猫は逃げないが,オドオドしている.まだ産毛が残る小さな子猫である.仕草が可愛い.
暫く猫と戯れてから,人集りしている屋台へ向かう.
「何か良いもの,あるんですか?」
と同行の方に伺う.
「ロシアの食べ物のピロシキを売っているんですよ…」
未だ朝食を食べてからいくらも時間が経っていないので,食欲はないが,ものは試しにと,私も釣られるようにしてピロシキを1個購入する.今,とても全部は食べられないが,2口,3口,試食する.
“うん…なかなかなものだな”
<市場の子猫> <ピロシキ>
<ヒーストラス川で魚釣り>
■ヒーストラス川まで悪路を行く
未舗装の道は,間もなく泥んこ道に変わる.
泥んこ道に入ると,昨日と同じように,身体の内側と外側が入れ替わるんではないかと思われるほど,車体が上下左右に激しく大きく揺れ始める.まるで大シケの海原を木の葉がもみくちゃになるような感じである.車体が左右に揺れる度に,木の小枝が絶えず激しく車体にぶつかる.ちょっと大げさに言えば生きた心地がしないほどの揺れ方である.
“日本の観光地だったら,こんな所には絶対に案内しないだろうな…”
と思いながら辛抱する.
“オレは野戦で戦っている兵隊ではないぞ…”
と心の中だけでブスブス言っている.
現地ガイドも,この辺りの地理には多少不案内らしく,途中で,あちこちと迷いながらの運転である.
それでも,12時24分にヒーストラヤ川の川岸に何とか到着する.
そこは一寸した広場になっていて,沢山のゴムボートが並んでいる.どうやらここも観光スポットになっているようである.
広場の片隅に,何台かの自動車が駐車している.多分,私たちを接待するスタッフが使っている車だろうと勝手に想像する.
<ヒーストラス川河畔>
■川に漕ぎ出す
係員が,私たち一人ひとりに救命胴衣を手渡す.
私はこれまで救命胴衣など着用したことがないので,今回の救命胴衣が初めての経験である.救命胴衣を着用した第一印象は,”随分がさ張っていて重たいものだな”である.
私たちは4艘のゴムボートに分乗する.1艘のゴムボートに漕ぎ手,現地ガイド1人ずつ乗船する.お客は4~5名/艘である.
いよいよ,ヒーストラス川に漕ぎ出す.豊富な水がゆったりと流れている.沢山の魚影が見える.川底には産卵を終えた鮭の死骸があちこちに横たわっている.
たまたま私はリーダーのSさんと同じボートに乗り合わせる.
Sさんは釣りの経験も豊富である.一方,私は釣りなどほとんどしたことがない.第一,釣り糸を垂らして長時間魚が食いつくのを待つなんて,焦れったくて私には耐えられない.
正直に言えば,今も釣りなどという悠長なことに時間を費やしたくない.ただ,団体旅行だから仕方なく付き合っているだけだ.
…と,思っている.
<釣りに繰り出す>
■偶然に釣れる
ところが偶然とは面白いものである.
魚など釣る気は全くなくて,係員が盛んに促すので,仕方なく釣り糸を垂れている私の方の釣り竿に,偶然にも魚が掛かる.釣り竿を通じて”ビリ,ビリ…ビリ…”という震動が私の手に伝わってくる.
「何だか釣れたようですよ…」
と言いながら,私は釣り竿を立てる.
長さ3~4センチメートルの小さな魚が釣れている.魚が可哀相なので,釣り針を外してすぐに川に戻す.Sさんに伺うと,オジョロゴマという魚らしい.
私が釣ったのを見て,釣りのベテランの筈のSさんが大いに悔しがる.
私は,再び釣り糸を垂らす.もちろん暇潰しのためであり,魚を釣りたいわけではない.
ところが,暫くすると,また私の釣り竿に魚が食いつく.引き上げてみると先ほどのさかなと同じ種類の魚である.大きさもほぼ同じである.この魚もまた川に戻す.
相変わらずSさんの釣り竿では魚は釣れていないようである.Sさんが私のことを盛んにうらやましがる.当の私は,もともと釣りなどに興味がないので,釣れてもちっとも嬉しくない.
まあ,世の中なんて,得てしてこんなものだなと思う.
後で伺うと,大きな魚を釣った人も何人かいたらしい.
15時30分頃,魚釣りを終えて川岸に戻る.
<川の中でノンビリ>
<川岸で昼食>
■掘っ立て小屋の食堂
15時30分,川岸に建っている掘っ立て小屋に入る.木材で建てた骨組みにビニール布を巻き付けただけの簡素な建物である.
小屋の中に入る.
丁度私たちが座れる程度の椅子と長テーブルが置かれている.リーダーの指示で,順次席に座る.
<掘っ立て小屋の食堂>
■昼食
暫く待たされるが,まずはスープが配られる.
金物の器に,シャケの切り身と野菜類が入っている.塩味である.それは良いのだが,スープ全体が生臭いのには参ってしまう.生臭く感じたのは私一人かもしれないが…私は,生臭さに大いに戸惑う.
“このサケを炭火で焼いて,醤油を掛けて食べたらさぞかし旨かろうな”
と連想する。
メインディッシュは右下の写真の通りである.例によって硬い黒パンにチーズ,サラミソーセージ,キュウリ,トマトを挟んで食べる。コーヒーはインスタント,紅茶はティバッグである。
16時04分,私たちは昼食を終えて,再び六輪駆動車に乗車して,次の訪問地,パラトゥンカ温泉に向かう予定である.
<昼食のスープ>
(つづく)
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