中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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熊野古道:大雲取越・小雲取越縦走(2)

2007年04月04日 10時37分55秒 | 南アルプス・西日本

        熊野古道:大雲取越・小雲取越縦走(2)
          (湘南カラビナ隊)
      2007年3月30日(金)~4月1日(日)

第1日目 3月30日(金)
 雨後曇

<紀伊勝浦へ>

■天気が悪そうだ

 数日前から天気予報を注意深く見ていたが,折角の3日間の旅行は雨に祟られそうである。私は,ここ数日,何度も旅行に参加するのを取りやめようかと迷っていた。平素から,私には優柔不断のところがある。毎度のことながら,何か決めなければならないときに,
 「まあ,今決めなくてもいいや・・・」
でズルズルと決断の時をずらしてしまう傾向がある。
 これまでの私の人生で,このぐうたらな性格のために,どれだけ機会損失を出してしまったことか。それにもかかわらず,このぐうたら性分は,一向に治らないので,われながら全く呆れてしまう。
 ・・・で,何も決断しないまま,当日を迎える。

■仕方なく家を出る
 私は優柔不断な反面,幼少の頃から,父親に約束厳守,時間厳守を厳しく躾られていたので,約束を反故にしたり,遅刻したりすると,とても気分が悪くなる。まだ,十分に余裕があるのに,遅刻しそうだとハラハラしたくない一心で,6時過ぎに家を出る。途中の経路が大変面倒だが,湘南モノレール,横須賀線,京浜東北線,横浜線と3回も乗り換えて新横浜へ向かう。
 家を出たときは,雨は降っていないが,空気が湿っていて,なま暖かい空気がねっとりと肌にまとわりつく。久々に,それこそ10数年ぶりに,平日ラッシュ時の東京行電車に乗った。懐かしい感じがすると同時に,昔に比較すると,ラッシュ時の混雑は大分解消されているように思える。
 電車に乗り込むと,車内のあちこちで咳やクシャミをしている人が沢山居るのが気になる。インフルエンザを罹患したら困るなと思いながら,クシャミを聞いた途端に息を止めるが,当然,長続きしない。いやな気分でラッシュ時の車内でジッとしている。

■新横浜から「のぞみ9号」に乗車
 7時44分,新横浜に到着する。駅の待合室は,相変わらず狭くて混雑している。名古屋に到着する前に昼食を済ませてしまいたいと思う。そこで,何時もの通りに,シュウマイ弁当を購入する。

          <新横浜駅のシュウマイ弁当>
     ※実は,私には,若い頃,駅弁の上包みを集める趣味があった。
      最近の駅弁は,ボール紙製の容器が多くなり,味わいのある上包み
      が大変少なくなってしまった。それが駅弁党の私には寂しい。


 新横浜発8時10分博多行のぞみ9号に乗車する。新横浜のホームで列車を待っている間に,ずいぶんと気温が下がり寒くなる。そして,雨も降り出す。雨足は瞬く間に強まってくる。冷たくて強い風がホームを吹き抜ける。物陰に身を潜めて冷たい風を避けている内に,旅行しようという気持ちがだんだんと萎えてくる。
 列車が静岡付近を通過する頃は,車窓を叩き付けるような強い雨が降っている。私は名古屋で旅行を中断して,帰宅しようかと何度も迷う。ところが,列車が名古屋に近付く頃になると,天候が急速に回復して,雲間から眩しい太陽が見え隠れするようになる。
 9時33分,名古屋に到着する。名古屋から紀勢本線名古屋10時06分発紀伊勝浦行ワイドビュー南紀3号へ乗り継ぐ予定である。乗り継ぐのに,まだ時間があるので,私は,暫くの間,新幹線待合室のベンチに座って,暖かい缶コーヒーを味わいながら時間を潰す。でも,沢山の乗客が,忙しなく待合室を出入りしているので,どうも落ち着けない。

■いよいよ紀瀬本線へ
 9時55分頃,紀勢本線のホームに向かう。ホームへの階段を登ったところで,既に同行者全員が集まっていた。今回の同行者は,GL代行の殿下ほか8名である。同行者の顔を見た途端に,くれまでのウズウズした気持ちが晴れて,やっぱり参加して良かったという気分になる。
 名古屋発10時06分南紀3号紀伊勝浦行に乗車する。4両編成のジーゼル車である。折から行楽シーズンとあって,車内は満席である。紀瀬本線は桑名の周辺を除いて,ほとんどの区間が単線のようである。
 発車すると,直ぐに広い田圃と集落が広がる平野を走る。ときどき渡る鉄橋の下を見ると,川の水面が地面よりかなり高いようである。
 10時35分に四日市に到着する。もう数10年前になるが,コンピュータの商談で,この辺りの大企業の工場を何回となく訪れたことがある。車窓を見ながら,その頃のことを懐かしく思い出す。あの頃,数10年後に,山歩きを目的にして,再び紀瀬本線に乗るとは,全く想像していなかった。
 車内販売の男性が車内を巡回する。
 「松阪牛弁当の予約をお願いします。1人前1,200円です・・・この弁当は予約販売だけです」
と触れ回る。一瞬,食べたいなと思うが,太りそうなので自粛する。

■津に到着
 10時58分,列車は津に到着する。さすがに県庁所在地だけあって大きな町である。沢山の乗客が入れ替わる。そして直ぐに発車する。四日市から複線だった線路は,津を出ると,また単線になる。11時11分,松坂に到着する。この辺りから,だんだんと眠くなってくる。そして,いつの間にか寝入ってしまう。
 暫く経ってから,気配で目が覚める。列車が,丁度,尾鷲に停車している(12時33分)。快晴になった空から暖い日差しが車内に射し込んでくる。列車は海岸すれすれの場所を走っている。反対側からは急傾斜の山並みが迫っている。

■春爛漫の紀伊勝浦
 13時24分,大きな川の鉄橋を渡る。そして,その直後,13時25分に新宮に到着する。沢山の乗客がドッと降りる。途端に車内は閑散とした雰囲気に変わる。新宮の駅には大阪から来たと思われる綺麗な電車が1編成停車している。線路には架線が張られている。どうやら,ここから先,大阪までの紀瀬本線は電化され絶え入るようである(正確には和歌山から先は阪和線)。
 車窓からは,満開の桜が彼方此方に見える。まさに春爛漫である。
 13時42分に私達を乗せた列車は,無事,紀伊勝浦に到着した。

          <紀伊勝浦の駅前は狭い。写真の人物は無関係>
                        (つづく)



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