中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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中秋の鎌倉:朝夷奈切通・熊野神社・十二所果樹園周遊

2011年10月17日 05時51分14秒 | 鎌倉あれこれ

                          <十二所果樹園展望台からの眺望>

    中秋の鎌倉:朝夷奈切通・熊野神社・十二所果樹園周遊
           (中高年の山旅三昧)
          2011年10月16日(日)

<散策地図>



<鎌倉駅から鶴岡八幡宮へ>

■猫の目のように変わる天気予報
 数日前から天気予報が気になって仕方がない.前日(10月15日)までの天気予報は,何階見ても,午前中雨,午後から曇,夕方から晴だった.私は仕方なく,
 「明日(つまり10月16日)の天気は余りよくなさそうなので,お天気が気になる方は不参加で結構です・・・私は一応集合場所に行っています.もし,来られた方が居たら,どこへ行くか相談しましょう・・」
という趣旨のメールを送信する.
 そして,今朝方,3時頃,また天気予報を見る.昨夜みたときと,さほど変わっていない.ところが6時頃の予報では,朝の内は曇だが,8時頃から晴に,予報内容が急変している.良かった・・・でも,何でこんなに天気予報が当たらないんだろうと憤慨している.
 今日は鎌倉駅表口9時30分集合である.全員が集合時間までに集まる.今日の参加者は,初参加の親分夫妻,ノシイカさん,makoさん,野菜漬物さん,ホッシーさん,N本さん,それにFHこと私の8名である.何れも山旅スクールで,長い間,お付き合いしている気心知れた山仲間である.
 天気予報が響いたのか,この時期の日曜日の鎌倉にしては,随分と人出が少ないようである.
 9時34分,鎌倉駅前から歩き出す.

■鶴岡八幡宮
 
まずは小町通りを北上して,鶴岡八幡宮を詣でる.
 例のイチョウの木のその後を見学した後,白旗神社,国宝館前に廻る.
 舞殿で結婚式を挙げるカップルが白旗神社神社近くで並んでいる.
 「良い雰囲気ですね・・・」
と同行者の誰かが言う.
 国宝館前に建っている肉弾三勇士の石柱を木立の間から見ながら,横浜国大附属小中学校と畠山重忠屋敷跡の間の道に出る.

<鶴岡八幡宮;左下がその後のイチョウ>


<白旗神社>


<天園ハイキングコースから十二所へ>

■大塔の宮
 10時25分,大倉幕府跡の西御門を経由して,大塔宮に到着する.ここで,最初のトイレ休憩を取る.
 めずらしく,広場で野菜の青空市場が開店している.一同,早速,ここで引っかかる.
 でも,まあ,いいさ・・・
 このグループの散策は,成り行き任せ.時間内に行けるところまで行くだけ・・・決して急かせたりしない.

<大塔宮鎌倉宮>

■天園ハイキングコースから十二所へ
 永福寺跡を経由して,10時42分,瑞泉寺登山口に到着する.ここから暫くの間,急登が続く.路面が濡れていて,滑りやすくなっている.全員年配者なので,安全歩行を重視してユックリのんびりと登り続ける.山頂の尾根に到着するまでに若者2人に追い越される.
 10時58分,明王院方面への分岐に到着する.
 この分岐から,天園ハイキングコースに沿って,ほんの20メートルほど進んだところで右折して,十二所方面に下る.ここは水浸しの悪路である.結構滑りやすい下り坂が連続する.

<明王院分岐>

■十二所神社境内で昼食
 11時13分,十二所登山口に下山する.そして住宅地を抜けて,一旦,鎌倉街道に出る.鎌倉街道を金沢八景方面にほんの少し歩き,左折して,11時25分,十二所神社に到着する.境内は人影もなく静まりかえっている.境内の広場をお借りして,ここで昼食.
 例によって,野菜漬物さんから,沢山のネーベンが提供される.
 実に愉しい食事である.

<十二所神社>


<野菜漬物さんの差し入れ>


<朝夷奈切通>

■梶原大刀洗水
 昼食を終えて,11時55分,十二所神社から歩き出す.鎌倉街道を横断して,朝夷奈切通に向かう.
 途中,大刀洗川沿いの旧跡,大刀洗水で写真を撮る.今は夏草が繁茂していて,なかなか見つからない.
 ここは鎌倉五名水の一つである.ちなみに鎌倉五名水は,この梶原大刀洗水の他に,銭洗水,日蓮乞水,不老水(場所不明)である(資料1,pp.48-49.).
 梶原大刀洗水は,梶原景時が双六菖蒲にかこつけて,上総介広常を討ち,その太刀を洗った場所だと伝えられる.

<梶原大刀洗水>

■朝夷奈切通の滝
 12時14分,朝夷奈切通入口に到着する.入口の過ぎ右手に滝がある,この滝は,三郎の滝というらしいが,名称は定かではない.
 この滝の上に,上総介広常の屋敷があったという.

<朝比奈切通入口>


<三郎(?)滝>

■深山幽谷の趣のある朝夷奈切通
 朝夷奈切通を遡る.ここは国指定史跡.鎌倉七切通の一つである.
 ちなみに鎌倉七切通(鎌倉七口ともいう)は,朝夷奈切通の他に,名越切通,巨福呂坂,亀ヶ谷坂,化粧坂,大仏切通,極楽寺切通である(資料1,pp.54-56).なお,極楽寺切通を除く,これらの切通は国指定史跡になっている.
 朝夷奈切通を遡る.切通の路面は鎌倉石.ここは何時もジメジメしているところ.路面の一部が川になっている.切通の両側は見上げるような断崖になっている.朝比奈三郎(和田義盛の三男)が一夜にして,この切通を切り開いたという伝説がある.

<朝比奈切通>

■市境近くの観音像
 12時30分,朝比奈切通の峠に到着する.ここは鎌倉市と横浜市の市境である.
 市境近くに大きな切岸がある.そこに観音像が彫り込まれている.
     

<熊野神社>

■杉林の参道

 横浜市側に少し下ると,右手に熊野神社参道が分岐する.
 参道に入ると,見事な杉林が続く.ほぼ水平な道を5分ほど進むと三叉路に出る.この三叉路を右折する.ちなみに左へ向かうと金沢街道に出る.
 程なく,杉林の間から荘厳な熊野神社の建物が見え出す.
 
<森の中の熊野神社> 

■熊野神社で休憩
 12時39分,熊野神社に到着.参拝を兼ねて,10分ほど休憩を取る.
 本殿の左右には,立派なイチョウの木が聳えている.
 
<熊野神社>                                    <熊野神社のオオイチョウ>


十二所果樹園>

■緑滴る市境道

 熊野神社から少し登って尾根道に出る.道なりに進むと三叉路になる,右手の道を下ると,三郎滝の近くに降りられる.今回は左手の尾根道を辿る.
 緑滴る素晴らしい散策路だが,少々長いので,途中で飽きてくる.
 やがて,進行方向左手が鉄条網になる.鉄条網の向こうは,旧帝国海軍の基地(通称池子弾薬庫跡)で,今は米軍基地.延々と続く鉄条網に沿って歩き続ける.

<快適な散策路が続く>

■十二所果樹園展望台
 好い加減飽きてきた頃,両側に繁茂する樹木が途絶えて見晴らしの良いところに飛び出すようにして到着する.十二所果樹園である.
 果樹園に入ると,道路が翌整備されていて歩きやすくなる.進行方向右手には天園ハイキングコース沿いの山々が見えている.
 一段と高いところにある送電鉄塔から尾根道を辿って,13時22分に十二所果樹園展望台に到着する.ここで休憩.
 今日は,この時期にしては良く晴れていて,相模湾,丹沢山塊,さらに,うっすらながら富士山が見える.素晴らしい眺望である,
 反対側を見ると,東京湾の向こうに千葉が見えている.
 ここから三浦半島の両側が見通せるので,多分,鎌倉でも一番展望の良いところだと思う.
 展望台のベンチに座る.野菜漬物さんが提供するサツマイモや,主婦の皆さんが提供する菓子類をつまみながら,お得意のおしゃべりが始まる.

<果樹園展望台から東京湾を望む>

<鎌倉逗子ハイランド>

■少々道に迷う
 13時50分,展望台から歩き出す.
 当初,尾根道の途中から藪道を下って光則寺に下山するつもりだったが,おしゃべりをしながら歩いている内に,うっかり分岐を見落としてしまう.少しばかり戻って探したが,夏草が繁茂していて見つけにくい.
 ならばと,そのまま久木方面に歩き続ける.途中の鉄塔脇から,老人ホーム清寿苑脇へ下山するつもりである.
 ところが,目印の鉄塔の手前にある枝尾根に間違えて入り込む,数分歩いたところで間違いに気がついて,元の場所まで戻る.ここで数分のタイムロス.
 今度は注意深く間違えないように歩く.ここは何回ともなく歩いているところなのに,油断するとついつい間違えてしまう.面目丸つぶれである.

<迷い道>

■清寿苑脇に下山
 14時35分,目指す鉄塔に到着する.内心,ホッとする.ここで給水休憩を数分取る.
 休憩後,鉄塔脇の急な下り坂を下りて,清寿苑の脇に無事下山する.多少のロスタイムはあったもののほぼ予定時間通りの進捗である.

<目印の鉄塔>

■関東の富士見百景
 清寿苑から,鎌倉逗子ハイランドの市街地に入る.鎌倉市と逗子市の市境道を西へ進む.かなり長い登り坂である.道路を挟んで鎌倉と逗子に別れているところでは,ご近所のお付き合いがどうなっているのか,とても興味がある.通学区,ゴミの出し方,回覧板などすべて違うんだろうな・・などと想像しながら坂道を登る.
 15時丁度に,坂道を登り詰めて,かまくら幼稚園前に到着する.ここでトイレ休憩.
 鎌倉幼稚園前は「関東の富士見百景」に選ばれている景勝の地である.ここからの富士山の眺めは最高だが,午後,富士山が見えることは滅多にない.幸いなことに,今日は,カスミの向こうに,極々薄く富士山が見えている.写真には写らないだろうなと思いながらデジカメに風景を収める.



<かまくら幼稚園前からの富士山;肉眼では薄く見えているのだが・・・>

<大町を経由して鎌倉駅へ>

■急階段を下り黄金ヤグラへ
 15時10分,鎌倉幼稚園前を出発する.
 長い石段を大町7丁目まで,一気に下る.ノシイカさんが何段あるか数えたところ,階段は284段あるという.
 階段を下り終えて,ほんの20~30メートル進んだところの右手に,黄金ヤグラがある.ヒカリゴケが黄金色に輝くとのことだが,道路下のジメジメしたところにあるヤグラなので見に行く気がしない.
 もっとも,これまで何回かこのヤグラを覗いたことがあるが,私のガチャ眼には光る苔など見えない.
 途中で,懇親会への出席希望を取る.生ビールがあるなら出席という人も居て,結局は全員出席とのこと.そこで小町通りの「モア」を予約する.

<黄金ヤグラ>

■上行寺で道草して鎌倉駅へ
 大町6丁目,3丁目を下り,路地を通り抜けて安養院で,国道134号線に出る.
 安養院と国道を挟んで反対側にある上行寺に入って,左甚五郎作の龍の彫刻を拝観する.
 「モア」を予約したので,あまり道草もできない.

<左甚五郎の龍>


<上行寺の俗っぽい雰囲気が大好きである>

■誰かが歌っている
 小町通り入口で,田中亜弥という若い女性が歌っている.
 「・・・田中亜弥って,どなた・・・?」
 多分,有名な方だと思うが,ジジ,ババの私たちのグループで,この女性を知っている人は誰も居ない.
 通りすがりの10数名の観光客が足を止めて,彼女の歌を聴いている.


■「モア」で一休み

 時間が段々押してきたので,鎌倉駅への近道を取ることにする.本来ならば八雲神社,常栄寺(ぼたもち寺),夷堂橋,本覚寺を経由して鎌倉駅に向かう方が愉しいが,途中で引っかかると,予約した時間に着かなくなる.
 私は,黙ったまま,国道134号線を直進,下馬四角をショートカットして,東急ストアー前の道に入り,鎌倉駅を通過.16時00分,予約時間ピッタリに「モア」に到着する.
 顔なじみの若い店員が,私たちを愛想良く出迎える.

<無事帰宅>

■鎌倉市役所前からバスに乗車

 16時41分,皆さんより一足先に「モア」を出る.
 バス停鎌倉市役所前から,16時50分発鎌倉中央公園行のバスに乗車,15字少し過ぎに無事帰宅する.

■ヤレヤレ疲れた!
 一昨日に続いての鎌倉案内で,いささか疲労困憊.
 すべてを放り出して,夕食までの暫くの間,ウトウト.夕食後も,何もする気がなく,引き続きウトウト.
 いきなりの電話で起こされる.昨年,某国を訪ねたときの知人からの電話である.12月早々に丹沢登山と鎌倉観光に来られるので,そろそろ下準備をしなければならない.
 “ともあり遠方より来たるまた愉しからずや”
である.
 こうして,暇が故に多忙な毎日が連続する.

<ラップタイム>

 9:34  鎌倉駅歩き出し
 9:47  鶴岡八幡宮
10:25  大塔宮(10:30まで休憩)
10:42  瑞泉寺登山口
10:58  明王院分岐
11:13  十二所登山口
11:25  十二所神社(11:55まで昼食)
12:14  朝夷奈切通
12:39  熊野神社(12:49まで休憩)
13:22  十二所果樹園展望台(13:50まで休憩)
14:42  清寿苑に下山
15:00  かまくら幼稚園(15:10まで休憩)
15:18  黄金ヤグラ
15:55  鎌
倉駅

[散策記録]

■水平歩行距離
   11.9km

■累積登攀高度   349m

■累積下降高度    349m

■所要時間(休憩時間込み)
  鎌倉駅発          9:34
   〃  着          15:55
 (所要時間)      6時間21分(6.35h)
 水平歩行速度    11.9km/6.35h=1.87km/h

[参考資料]

資料1;鎌倉商工会議所(監),2008,『改訂版鎌倉観光文化検定公式テキストブック』かまくら春秋社.

                                    (おわり)

「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/82692ad8245ab90245b54657f5ed126b
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
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