夜明け前。
一羽のオオバンがいました。
オオバンはこの辺りでは冬にのみ訪れる渡り鳥にあたり、本来ならこの時期にこの辺りにはいない筈の水鳥です。
そんなオオバンさんは一所懸命な様子で水面を泳いでいますが、おそらくは翼を痛めているように見受けられました。
そして夜が開けます。
お天道様がお出ましになると、オオバンさんは子猫みたいな鳴き声を上げながら元気一杯に泳いでいました。
その様子は今を生きている喜びに満ち溢れているように見えました。
最近の私はいろいろと思うところもあって大きなカメラは持ち歩いておりませんので、これらの写真はスマホでちゃちゃっと済ませています。
なのでそのオオバンさんの喜ぶ様子を撮ることは出来ませんでしたが、その分、夜明けを喜ぶ気持ちを鳥さん達と近しく分かち合えた気がします。
生きとし生けるものが幸せでありますように。
230 拝