東京国立博物館へ行った。その1 よりつづく
特別展はすごい人で、立ち止まらないでください、なんてときどき声をかけられてしまうのだが、
本館ではゆったり見ることができたのだった。
しかも、なんだこれは特別展に出ていたのとほとんど同じものだ、という国宝がごろごろ本館にあって、
別料金を払って特別展で揉まれたのがバカバカしい。
上の写真は重要文化財、縄文時代前期の巻貝形土製品。
なんと端正に作られているのだろう。
赤く塗られている。
教科書で見るようなお宝がごろごろ。
動きのあるポーズにユーモラスな表情。
サザエです。
これはアイヌの糸巻らしい。
真ん中に孔が開いているものは、どうやって使ったのだろう?
罠。 石をマクラメの技法で止めてある。
そしてアットゥシ。 すごいねぇ。
月岡芳年 『風俗三十二相』 より、
「うるささう」。
「けむそう」。
『風俗三十二相』 は、国立国会図書館デジタルコレクションで見ることができる。
明治の洋装の女性が一人いる。
並河靖之作 七宝菊唐草文瓶。
話には聞いていたが、これほどのものとは! 小さいです。
これが七宝焼きとはにわかには信じられないほどの端正さ。 うつくしいです。
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本館だけでも見応え十分であった。
長崎の輸出用の蒔絵、というものは初めて知った。 花鳥獣蒔絵螺鈿聖龕
びじゅチューン!の 『その天女、柄マニアにつき』 を見たばかりのせいか、
仏像や脇侍の着物の柄に目が行って仕方がない。 出来立てはさぞかし華麗だっただろうなぁ。
しかし、仏像を展示してあるのは痛々しい。
仏像はお寺という空間にあってこそのものだ、と痛感した。
東洋館はざっと流す時間しか残っていなかった。
しかしこれがお宝ばかりなり。 かえすがえす心残りなり。
インド、インドネシア、カンボジア、タイ、ミャンマーの仏像がまた面白くて美しい。
日本の仏像の展示は痛々しいと思うのに、
ほかの国の仏像に対してそう思わなかった自分が、なんかちょっといやだ。
そしてミュージアムショップ、さすがだ! 何か所もあった。
まあいろいろ売っていること!
展示はされていなかったけれど、八橋蒔絵硯箱 のレプリカがたいそうなお値段で売っていた。
それを模した缶入りのクッキーも売っていた。
他の特別展やらほかの博物館の図録もいっぱい置いてあった。 本もいろいろ売っていた。
しかし目が回ってしまって、結局買ったのは、
特別展の脇のお店で売っていた、龍村織物の名物裂等を復元した布のコースター。 いわば端切れ。
この布の袱紗とかいろいろあったのだが、さっとスルーしたので何になっていたのか実はあまり覚えていない。
沢山あるコースターの中からこれだけに絞るのも大変だった。
龍村のHPにちゃんとあったよ。 コースター
あと買ったのは、正倉院宝物の緑地彩絵箱のモチーフのマスキングテープ。
元ネタの箱はかわいらしいかった。 もちろん立ち止まってまじまじと見ることなどできなかった。
黄昏どきに灯りのともる表慶館を右手に、敷地から出る。
いやあ、疲れました。
つぎは特別展など目もくれず、東洋館と本館と法隆寺宝物館をじっくり見たい。
コメント嬉しいです。
コロナ禍と病で生活が変わってしまいトーハクに行かなくなって久しいですが、過去にアップした記事を自分で読み返して、また行きたくなりました