5月末に松本市音楽文化ホールで開かれたオーボエ・チェンバロジョイントコンサート のあとでめでたく第22期チェンバロ講習会の受講が許された、というところまではアップしていた。
チェンバロ講習会はグループレッスンで、講習生の半数ずつが松本市音楽文化ホールのチェンバロを弾いて桒形亜樹子先生に見てもらう。それが4回と最後に発表会、という形式だ。あ、会場はホールじゃなくて練習室です。
わたしの出番は偶数回で、先日ついに本物のヒストリカルなチェンバロを弾いたのだ。 ※訂正した理由は一番下に述べる。
そもそもの経緯は 1年半ほどまえにアトラスピアノのチェンバロを手に入れた ことだ。これがピアノとはずいぶん弾き勝手が違う。発音機構が違うのだから当たり前なんだけれど。
それで 中野振一郎氏のレッスン動画 をじっくり見て彼の教則本を練習して、あとは好きなバッハとかスカルラッティとかを練習して楽しんでいた。
それなりに楽しかったが、ホントにこれでいいんだろうか?という疑問は大きいし、やはりちゃんと習いたい、また、一度はヒストリカルなチェンバロを弾いてみたいと思っていたのだ。
まあそういうわけで、初回のレッスンは見る側だった。まずは楽器の説明と触るときの注意点から教わった。
松本市音楽文化ホールのチェンバロは、オランダのL.P.Gファン・エメリック1984年製作のフレミッシュ式デュルッケンモデル2段鍵盤 だ。
8ftが2種と4ft、リュートストップ、引き出し式カプラー、トランスポーズとフル装備なうえに、ナズールがついている。
ナズールというのは鼻という意味(英語のnose、ノーズ)で、8ft弦のチューニングピンに近いところを撥くことで独特な音色になる。
弦は3セットだけれど、ジャックは4列あるのだ。すごいね。
これだけフル装備だから切り替えるストップもいくつもあるのだが、それは触らないように、と言われた。使えるのは引き出し式カプラーくらいだな。
また、ピアノの強さで弾くとプレクトラムが折れたり、最悪 弦が切れるので気をつけるように、と。
そして新型コロナ感染症予防のため、チェンバロに触るまえと触った後には必ずトイレの石鹸を使って手を洗うように、と言われた。
初回はパスクィーニ、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ、モーツァルト、ヘンデル、ジョン・ブル、ウイリアム・バードの曲が弾かれ、イタリアとイギリスの装飾音の表記を知った。トリルを弾くとき、右手は3と4の指、左手は1と2の指を使うというのは非常に有益な情報だ。中野振一郎氏の動画にあった音のにじむトリルは、3と4の指だと自然に出来る!
指を鍵盤から離さない、ピアノで散見される肘を大げさに回すしぐさはダメだ、というのは中野氏の動画でもあったなあ。
あとは正しい姿勢と椅子の高さとか、鍵盤の手前を弾くとか。
ウイリアム・バードの装飾音の入れ方が分かったので、帰宅後、2回目の講習会でわたしが弾く予定のバードの「そんな荒れた森へ行くの?」に装飾音を入れて練習した。
それで先日、2回目の講習を受けてきたわけだ。
他の講習生と先生のまえで 1度も触ったことの無いヒストリカルなチェンバロで いきなり曲を弾けというのは けっこう無茶だなと思った。ちょこっとスケールとか弾いてから曲を弾きたかったよ。
音楽のレッスンを受けるのは一体何年振りか? 学生時代が最後だからかれこれ30年以上前だ。あがってしまったよ。松本市音楽文化ホールのチェンバロの弾き具合はうちのアトラスのモダンチェンバロとずいぶん異なって思い通りに弾けないし、どんどん焦ったけれど、なんとか最後まで弾き切った。
それでわたしとしては一番重要な、松本市音楽文化ホールのヒストリカルなチェンバロとうちのアトラスのモダンなチェンバロとの相違点だ。
キーの幅がうちのより広い。ピアノとどちらが広いかは分からなかったが、うちで練習してぎりぎり指の届くフレーズは本番では失敗する、ということが分かった。指づかいを変更しないとな。
キーのタッチはやはり軽い。キーを押すと、シーソーのようにキーの向こう側が上がり、ジャックが押し上げられ、ジャックについているプレクトラムが弦を撥くわけだが、松本市音楽文化ホールのチェンバロは、ちゃんとプレクトラムが羽軸だしジャックも木製だから、軽いな。うちのはプレクトラムがデルリンでジャックには重りがついているモダン仕様だから、タッチがだいぶん固くて重い。★後述 最近は面倒臭がって、交換したデルリンのプレクトラムを削ってなかったし... 。レッスンではうっかり他のキーに触れただけで音が出てしまったりした。
これは指をすぼめてキーの手前を注意深くつま弾くようにしないと上手くいかないな。曲が難しいところに入ってつい力が入ったら台無しだ。チェンバロは タッチの強弱でコントロールするピアノじゃない、といっても、やはり強すぎるタッチは音色が汚くなる。ピアノは指先に体重をゴンゴン乗せて、わたしの感覚ではキーを両手で掴んでいる感じなのだが、対極的だ。キーの深さが違うけれど、クラヴィコードのタッチを思い出すといいかもしれない。
そして、鍵盤の位置が少々高い。これは大柄なオランダ人仕様なのかな? 椅子の座面を上げると今度は足がちょっと心許ない。腹筋を使って上体を上げないといけないな。
あとはメガネ。チェンバロの違いではないのだけれど、松本市音楽文化ホールのチェンバロを弾くときに重要なポイントだと思った。
普段わたしは家で中近両用メガネを使っているが、車の運転とか外出とかは遠近両用メガネを使う。遠いところがよく見えるからね。それでこのレッスンもよく見えるように遠近をかけていて、自分が弾くときもそのままだったのだ。手元と譜面がちょっと見えづらく、いつも練習しているときと見え方が異なったのも戸惑う原因だったな。本番はメガネを間違えないようにしよう。
さて、今回のレッスンではアーティキュレーションの話があった。
ピアノのように強弱でアーティキュレーションをほとんどつけられないかわりに、チェンバロは音を切る。でも、「切る」という意識だとブチブチしてよくないんだよ。「子音をはさむ」というイメージなんだそうだ。 なるほどねえ!
よろしくない演奏ってフレーズがどこから始まって終わるのか どこが盛り上がるのかよく分からない、何を言っているか分からない、と以前から思っていたのだが、やっぱり音楽って話し言葉を模しているよなあ。
まあそういう意味で、トロンボーンを吹いていたのは本当によい経験だった。
それをチェンバロでどう表現するか、よく研究しないとな。
レッスンのあとにわたしの個人練習の時間があったので、レッスンで受けたバード「そんな荒れた森へ行くの?」への注意点を思い起こしながら 慣れないチェンバロを無我夢中で時間いっぱい練習した。
家に帰ったらうちのモダンチェンバロで練習だ。あそこもここも変更して気持ちよく弾けるようになりたい!と思えば練習時間は伸びるけれど、練習すればするほどヒストリカルなチェンバロの感触は遠のいてしまう。
それが口惜しいので忘れるまえにブログに書いたのだ。
ピアノは普通、チューニングをプロの調律師に任せてしまうものなので、ピアノから演奏に入ったわたしとしては楽器の手入れにあまり意識が向いていなかった。うちのチェンバロを弾いていても、音程がずれたなあ、直すのが面倒臭い、くらいなかんじ。
でも音程が狂ったままのチェンバロを弾いてもなんだか楽しくない。練習が減る。さっさと直せばいいだけなのに。
だって57鍵が8ftと4ft、あわせて114本の弦の音程をあわさないといけない。チューニングメーターとにらめっこして弦を端からあわせていっても最初に戻ればまたずれている。チューニングハンマーを回せば回りすぎ、戻せば戻りすぎてちょうどよいところで留めるのが難しい。1時間じゃ終わらない。1時間も弾く時間が減るのがもったいない。ああ億劫。
それで、まん中の1オクターブの音程があっていることにして、それぞれのキーの1オクターブ下、1オクターブ上とメーターを使わずにオクターブで音程をあわせていく簡易なチューニングでお茶を濁して、それで練習を始めることにしてみた。
それでもどうも上手くいかない。
オクターブで鳴らしてみて、3度のハモと10度のハモを比較してみて、それでも分からない。自分の耳の悪さにがっかりだ。
しかし、曲を弾いていてフレーズの最後にジャーンと鳴らすハモだと なぜか音程の狂いに気付ける。なんでだろう !?
それで、練習の始めの指ならしをチューニングに使うことにした。最初からそのつもりで、ジャーン、ん?おかしいね、(チューニングハンマーを回す)、最後のフレーズを弾く、ジャーン、まあ許容範囲かな? ってかんじで。
ジャーンのハモの調が1種類じゃないように違う調の曲をいくつか指ならしに使うという工夫をしている。Gメジャー、Eメジャー、B♭メジャー。具体的にはバッハのフランス組曲の5番、6番のあたま2曲、パルティータの1番のあたま3曲。いちおうヴェルクマイスターⅢで調律しているはずだがどうだろう?
調号のシャープやフラットが増えていくのにあわせて指ならしの曲を選んでいくべきかな、と思うけれど、指ならしに向いていてわたしが弾きたい曲だとそうなってしまった。だんだん変えていこう。
指ならしの曲以外でも、弾いている曲の途中でおかしいと思ったらさっさと直す、というのに慣れてきた。具体的には、パッと譜面台を外しチューニングハンマーを取り出すのを億劫がらなくなった。よしよし。チューニングピンは譜面台の下にあるんです。
まあギターとかトロンボーンとか、演奏まえは当然、演奏中でもちょくちょくチューニングを直すし、そういう楽器の方が普通な気もする。すぐ直せる方がいいじゃないか。
古典音律が解るようになりたい、と思って1年以上経つけれど、あまり進歩がないよ。あ~あ
松本市音楽文化ホールのヒストリカルなチェンバロを弾いて、やっぱりプレクトラムやジャックの調整をちゃんとしないといけないと思った。
現状だとうちのチェンバロはプレクトラムが固すぎる。大きい音が出ているけれど、ニュアンスがあまりにもつかない。
チェンバロだってピアノほど分かりやすくはないものの タッチによる差というのはあるなあ、と松本市音楽文化ホールのチェンバロを弾いて思ったのだ。
チェンバロならヒストリカルでなければならない、とか思うわけではないが、よりよい演奏が出来るならそちらがよい。わたしにとって楽器は演奏のための道具です。
ああでも、面倒臭い ... 。
モダンチェンバロのジャックを木製のものに総交換という荒業もあるようだ。クラヴサン工房アダチ ジャック交換、PianoTuner Kenの仕事日記 ドイツのサイトでは木製ジャックを売っている。 Marc Vogel wooden jacks
興味はあるが、気軽に出来るものではない。費用もかかる。調整をぜんぶ自分でする知識・気力がないので、そこをプロに頼めば弾けない期間もそれなりになりそうだ。わたしは楽器をいじるより弾く方に心が動くみたいだ。
アトラスチェンバロのジャック交換の実践例を ちょっと弾かせてもらいたいなあ。
レッスンを受けたことで、ずいぶん沢山のことを知れたなあ
※ 2024年5月13日訂正。
松本市音楽文化ホールのエメリック1984年製作チェンバロは、ヒストリカルとはいえない、と桒形亜樹子先生からご指摘を受けました。ありがとうございます。モダンとヒストリカルの中間だそうだ。
2024年5月12日のリサイタルで、エメリックのこのチェンバロと島口孝仁製作のチェンバロの2台を聴くことが出来たが、音色の違いは歴然としていた。
★ 2024年5月13日訂正。
シーソーになっているのだからつり合いがとれているわけで、重くても重く感じないケースも当然つくれるわけだ。
キーが重く感じるのは、プレクトラムが弦を撥くときの抵抗が大きいから。
チェンバロ講習会はグループレッスンで、講習生の半数ずつが松本市音楽文化ホールのチェンバロを弾いて桒形亜樹子先生に見てもらう。それが4回と最後に発表会、という形式だ。あ、会場はホールじゃなくて練習室です。
わたしの出番は偶数回で、先日ついに
そもそもの経緯は 1年半ほどまえにアトラスピアノのチェンバロを手に入れた ことだ。これがピアノとはずいぶん弾き勝手が違う。発音機構が違うのだから当たり前なんだけれど。
それで 中野振一郎氏のレッスン動画 をじっくり見て彼の教則本を練習して、あとは好きなバッハとかスカルラッティとかを練習して楽しんでいた。
それなりに楽しかったが、ホントにこれでいいんだろうか?という疑問は大きいし、やはりちゃんと習いたい、また、一度はヒストリカルなチェンバロを弾いてみたいと思っていたのだ。
まあそういうわけで、初回のレッスンは見る側だった。まずは楽器の説明と触るときの注意点から教わった。
松本市音楽文化ホールのチェンバロは、オランダのL.P.Gファン・エメリック1984年製作のフレミッシュ式デュルッケンモデル2段鍵盤 だ。
8ftが2種と4ft、リュートストップ、引き出し式カプラー、トランスポーズとフル装備なうえに、ナズールがついている。
ナズールというのは鼻という意味(英語のnose、ノーズ)で、8ft弦のチューニングピンに近いところを撥くことで独特な音色になる。
弦は3セットだけれど、ジャックは4列あるのだ。すごいね。
これだけフル装備だから切り替えるストップもいくつもあるのだが、それは触らないように、と言われた。使えるのは引き出し式カプラーくらいだな。
また、ピアノの強さで弾くとプレクトラムが折れたり、最悪 弦が切れるので気をつけるように、と。
そして新型コロナ感染症予防のため、チェンバロに触るまえと触った後には必ずトイレの石鹸を使って手を洗うように、と言われた。
初回はパスクィーニ、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ、モーツァルト、ヘンデル、ジョン・ブル、ウイリアム・バードの曲が弾かれ、イタリアとイギリスの装飾音の表記を知った。トリルを弾くとき、右手は3と4の指、左手は1と2の指を使うというのは非常に有益な情報だ。中野振一郎氏の動画にあった音のにじむトリルは、3と4の指だと自然に出来る!
指を鍵盤から離さない、ピアノで散見される肘を大げさに回すしぐさはダメだ、というのは中野氏の動画でもあったなあ。
あとは正しい姿勢と椅子の高さとか、鍵盤の手前を弾くとか。
ウイリアム・バードの装飾音の入れ方が分かったので、帰宅後、2回目の講習会でわたしが弾く予定のバードの「そんな荒れた森へ行くの?」に装飾音を入れて練習した。
それで先日、2回目の講習を受けてきたわけだ。
他の講習生と先生のまえで 1度も触ったことの無い
音楽のレッスンを受けるのは一体何年振りか? 学生時代が最後だからかれこれ30年以上前だ。あがってしまったよ。松本市音楽文化ホールのチェンバロの弾き具合はうちのアトラスのモダンチェンバロとずいぶん異なって思い通りに弾けないし、どんどん焦ったけれど、なんとか最後まで弾き切った。
それでわたしとしては一番重要な、松本市音楽文化ホールの
キーの幅がうちのより広い。ピアノとどちらが広いかは分からなかったが、うちで練習してぎりぎり指の届くフレーズは本番では失敗する、ということが分かった。指づかいを変更しないとな。
キーのタッチはやはり軽い。キーを押すと、シーソーのようにキーの向こう側が上がり、ジャックが押し上げられ、ジャックについているプレクトラムが弦を撥くわけだが、
これは指をすぼめてキーの手前を注意深くつま弾くようにしないと上手くいかないな。曲が難しいところに入ってつい力が入ったら台無しだ。チェンバロは タッチの強弱でコントロールするピアノじゃない、といっても、やはり強すぎるタッチは音色が汚くなる。ピアノは指先に体重をゴンゴン乗せて、わたしの感覚ではキーを両手で掴んでいる感じなのだが、対極的だ。キーの深さが違うけれど、クラヴィコードのタッチを思い出すといいかもしれない。
そして、鍵盤の位置が少々高い。これは大柄なオランダ人仕様なのかな? 椅子の座面を上げると今度は足がちょっと心許ない。腹筋を使って上体を上げないといけないな。
あとはメガネ。チェンバロの違いではないのだけれど、松本市音楽文化ホールのチェンバロを弾くときに重要なポイントだと思った。
普段わたしは家で中近両用メガネを使っているが、車の運転とか外出とかは遠近両用メガネを使う。遠いところがよく見えるからね。それでこのレッスンもよく見えるように遠近をかけていて、自分が弾くときもそのままだったのだ。手元と譜面がちょっと見えづらく、いつも練習しているときと見え方が異なったのも戸惑う原因だったな。本番はメガネを間違えないようにしよう。
さて、今回のレッスンではアーティキュレーションの話があった。
ピアノのように強弱でアーティキュレーションをほとんどつけられないかわりに、チェンバロは音を切る。でも、「切る」という意識だとブチブチしてよくないんだよ。「子音をはさむ」というイメージなんだそうだ。 なるほどねえ!
よろしくない演奏ってフレーズがどこから始まって終わるのか どこが盛り上がるのかよく分からない、何を言っているか分からない、と以前から思っていたのだが、やっぱり音楽って話し言葉を模しているよなあ。
まあそういう意味で、トロンボーンを吹いていたのは本当によい経験だった。
それをチェンバロでどう表現するか、よく研究しないとな。
レッスンのあとにわたしの個人練習の時間があったので、レッスンで受けたバード「そんな荒れた森へ行くの?」への注意点を思い起こしながら 慣れないチェンバロを無我夢中で時間いっぱい練習した。
家に帰ったらうちのモダンチェンバロで練習だ。あそこもここも変更して気持ちよく弾けるようになりたい!と思えば練習時間は伸びるけれど、練習すればするほどヒストリカルなチェンバロの感触は遠のいてしまう。
それが口惜しいので忘れるまえにブログに書いたのだ。
ピアノは普通、チューニングをプロの調律師に任せてしまうものなので、ピアノから演奏に入ったわたしとしては楽器の手入れにあまり意識が向いていなかった。うちのチェンバロを弾いていても、音程がずれたなあ、直すのが面倒臭い、くらいなかんじ。
でも音程が狂ったままのチェンバロを弾いてもなんだか楽しくない。練習が減る。さっさと直せばいいだけなのに。
だって57鍵が8ftと4ft、あわせて114本の弦の音程をあわさないといけない。チューニングメーターとにらめっこして弦を端からあわせていっても最初に戻ればまたずれている。チューニングハンマーを回せば回りすぎ、戻せば戻りすぎてちょうどよいところで留めるのが難しい。1時間じゃ終わらない。1時間も弾く時間が減るのがもったいない。ああ億劫。
それで、まん中の1オクターブの音程があっていることにして、それぞれのキーの1オクターブ下、1オクターブ上とメーターを使わずにオクターブで音程をあわせていく簡易なチューニングでお茶を濁して、それで練習を始めることにしてみた。
それでもどうも上手くいかない。
オクターブで鳴らしてみて、3度のハモと10度のハモを比較してみて、それでも分からない。自分の耳の悪さにがっかりだ。
しかし、曲を弾いていてフレーズの最後にジャーンと鳴らすハモだと なぜか音程の狂いに気付ける。なんでだろう !?
それで、練習の始めの指ならしをチューニングに使うことにした。最初からそのつもりで、ジャーン、ん?おかしいね、(チューニングハンマーを回す)、最後のフレーズを弾く、ジャーン、まあ許容範囲かな? ってかんじで。
ジャーンのハモの調が1種類じゃないように違う調の曲をいくつか指ならしに使うという工夫をしている。Gメジャー、Eメジャー、B♭メジャー。具体的にはバッハのフランス組曲の5番、6番のあたま2曲、パルティータの1番のあたま3曲。いちおうヴェルクマイスターⅢで調律しているはずだがどうだろう?
調号のシャープやフラットが増えていくのにあわせて指ならしの曲を選んでいくべきかな、と思うけれど、指ならしに向いていてわたしが弾きたい曲だとそうなってしまった。だんだん変えていこう。
指ならしの曲以外でも、弾いている曲の途中でおかしいと思ったらさっさと直す、というのに慣れてきた。具体的には、パッと譜面台を外しチューニングハンマーを取り出すのを億劫がらなくなった。よしよし。チューニングピンは譜面台の下にあるんです。
まあギターとかトロンボーンとか、演奏まえは当然、演奏中でもちょくちょくチューニングを直すし、そういう楽器の方が普通な気もする。すぐ直せる方がいいじゃないか。
古典音律が解るようになりたい、と思って1年以上経つけれど、あまり進歩がないよ。あ~あ
松本市音楽文化ホールのヒストリカルなチェンバロを弾いて、やっぱりプレクトラムやジャックの調整をちゃんとしないといけないと思った。
現状だとうちのチェンバロはプレクトラムが固すぎる。大きい音が出ているけれど、ニュアンスがあまりにもつかない。
チェンバロだってピアノほど分かりやすくはないものの タッチによる差というのはあるなあ、と松本市音楽文化ホールのチェンバロを弾いて思ったのだ。
チェンバロならヒストリカルでなければならない、とか思うわけではないが、よりよい演奏が出来るならそちらがよい。わたしにとって楽器は演奏のための道具です。
ああでも、面倒臭い ... 。
モダンチェンバロのジャックを木製のものに総交換という荒業もあるようだ。クラヴサン工房アダチ ジャック交換、PianoTuner Kenの仕事日記 ドイツのサイトでは木製ジャックを売っている。 Marc Vogel wooden jacks
興味はあるが、気軽に出来るものではない。費用もかかる。調整をぜんぶ自分でする知識・気力がないので、そこをプロに頼めば弾けない期間もそれなりになりそうだ。わたしは楽器をいじるより弾く方に心が動くみたいだ。
アトラスチェンバロのジャック交換の実践例を ちょっと弾かせてもらいたいなあ。
レッスンを受けたことで、ずいぶん沢山のことを知れたなあ
※ 2024年5月13日訂正。
松本市音楽文化ホールのエメリック1984年製作チェンバロは、ヒストリカルとはいえない、と桒形亜樹子先生からご指摘を受けました。ありがとうございます。モダンとヒストリカルの中間だそうだ。
2024年5月12日のリサイタルで、エメリックのこのチェンバロと島口孝仁製作のチェンバロの2台を聴くことが出来たが、音色の違いは歴然としていた。
★ 2024年5月13日訂正。
シーソーになっているのだからつり合いがとれているわけで、重くても重く感じないケースも当然つくれるわけだ。
キーが重く感じるのは、プレクトラムが弦を撥くときの抵抗が大きいから。
私は逆にモダンを弾いたことないのですけど、おっしゃることはわかります。自分のチェンバロを入手する前、デジピや電子オルガンで練習して、いきなり先生の楽器でレッスンだったので、もう頭が大混乱、何が起こったかわからないままレッスン終了になっちゃって。うちで練習すればするほど、先生の楽器で経験したことから遠ざかってしまいます。あまりにも悔しくて、ついに自分の楽器を買ってしまったわけなのです。鍵盤の軽さでいうと、うちのオリピアという折り畳みピアノが実は割と近かったり?浅い・めちゃ軽い・短い鍵盤なんです。ただ、どう弾いても音には反映されないのですけどね。
クラヴィコードで練習というのはいかがでしょうか?
ジャック交換について知っていましたが、Kenの仕事日記というブログは初めて知りました。とても勉強になります。
モダンをヒストリカルタッチに変えたチェンバロが世の中にありますが、それなりに費用も掛かりますよねぇ。うちが近かったらどうぞ弾きにいらしてくださいと申し上げたいです。
あとね、参考になるかどうかわかりませんが、昨日、私の先生(くわがた先生の弟子)の楽器を弾き放題に弾くという経験をしました。
その時、先生の鍵盤の重さをはかってみました。鍵盤の端に少しずつコインなんかの重りを置いていって、何グラムで鍵盤が落ちるか、というテストです。結果、弦が1本では74g、弦2本では93gでした。これを参考に、私は自分の楽器のプレクトラムを調整しようとしています。ちなみに現在は58gと極限まで軽くしています。これだと、弾くのが難しいのですが、よいトレーニングになるみたいで、オルガンレッスンをしていただいたら、タッチがきれいになったねとほめていただいたんですよ。
レッスンの楽器のはなしを分かってもらえて嬉しいです!
ふらっとさんはチェンバロを手に入れるまえにレッスンを受けられたんですね?そんな手もあったか。
ヒストリカルいいなあ、と羨ましく思ってしまいます。
しかし、ヒストリカルをうちに置く予算は当然だが、物理的にも余裕がない。アトラスのチェンバロは奥行きが142cmしかないけれど、リビングの占拠感は十分だ。オルガンだって相当無理して入れたんだし。
とグチグチいって心を宥めてます。
プレクトラムやジャックの調整を真面目にやろうと思います。
キーの重さを測ろうと思ったんですが、10円玉だと幅が広すぎてダメでした。手近な小石では軽すぎたし。
夫が、世にはテンションメーターというものがある、とか言ってなぜか乗り気になってました。
オリピア、面白いですね!ふらっとさん、さりげなくたくさん楽器をお持ちですね。
オルガンの動画を色々見ていると、弾き方に個人差がずいぶんあるように感じます。
自分がどう弾いているか、自撮り動画を見てビミョーな気分になったことを思い出しました。
ふらっとさんは今は遠征の真っ最中でしょうか。お忙しい中で時間を作ってどんどん演奏して、すごいです。ブログでのレポート、楽しみです♪
今年度の講習、受講できたのですね、良かったです
私は、回数も多いし、初め希望人数がぴったりだったので「くじ引き」になるのを避けようと遠慮しました(その後増えてくじ引きだったみたいですが)
そうなんですよね、初めての方はいきなり!レッスンで楽器に触れる…というパターンで
しかも、初めましての皆さんの前で弾くのもかなりなハードルですよね
でも、講習会が終わるころには、仲良しになれて楽しく過ごせると思います
音文の楽器は、先生によりますとピアノの鍵盤と幅はほとんど同じ、ただ、奥行きが狭いので、指をかなり丸くしないと不要な鍵盤を触ってしまいます
私も、ピアノを弾くときは指は緩めていたので、ひかない音をバンバン出していました、焦りますね
音文の楽器には鍵盤の中ほどに区切りのような筋があるのでそこを目安にして指の形を決めていました
6月は聴講したのですが、7月は日程が合わずfuiriyamabukiさんの演奏を聴けませんでした、残念!
fuiriyamabukiさんは楽器のことにお詳しいんですね。私はただ弾くだけです、仕組みもイマイチ???
細かいパッセージになると力が入ってしまって、先生に「楽器が壊れる~~」と言われてしまいます
実は、講習会を3回連続した後くじ引きで外れて、まだまだ触れてみたいという理由で「研究会」に入会して、現在は月1のペースで桒形先生のレッスンを受けています
明日がレッスン日、ピアノで練習すると力が入ってしまうので、チェンバロが欲しいですが、まず「どこに置くの❓」であきらめてもいます(悲
レッスン後、先生を囲んで「暑気払い」があるので、へこんだ気持ちの儘で行かないように練習します
残りの2回も聴講希望、特に10月のfuiriyamabuki さんの演奏を聴かせていただきたい
いきなり曲を弾く、しかも人前で!って厳しいですよね!バクバクしました。
ところで、「研究会」って何ですか !?
講習会に落ちてもレッスンを受けられるチャンスがあるというのは聞き捨てならないです。よろしければ教えて下さいませ。わたしもともさんの演奏を聴いてみたいです。
と思いましたが、上に物を載せられるような小さいものが見当たりませんでした。
そして、夫がテンションメーターをポチっていました。
わたしのチェンバロの重い/固いキーは一体何gなんでしょうね !?
重い!100g 超えてます。わたしがデルリンを切ったプレクトラムです。
残っている元々のプレクトラムは約90g 、ペットボトルを切ったものも約90g です。
それじゃデルリンをやめてペットボトルにするか?というと、それはしたくない。音がよくないから。
そして、デルリンを切ったものの中には軽い(といっても約90g)けれど音はまあまあのものもある。
どうやら、プレクトラムの弦の横にはみだす部分がすごく少ないようです。
ということで、とりあえずプレクトラムの先を切ってみます。74g には程遠いですけれど
毎日暑いですがお元気におすごしのことと思います。
桒形先生の音文ホールでの講座も、22期、22年目なんですね。
例年定員オーバーになって「くじ引き」又は、回数の少ない人優先、という決め方の時もあったようです。
そうなると受けたいのに受けられない...なので1期生の方々が、講習会以外でもレッスンを受けられるように、と「研究会」を作ったそうです。
研究会のメンバーは、3回以上受講しています。
先生が講習会で来松される日程に合わせて、土~月曜日に、チェンバロのあるお家に伺って(音文の楽器ではない)講習会と同じように、自分のレッスンもですが、ほかの人のレッスンを聴講もしています。
研究会の発表会は大体1月に行われています。
私は、今年の発表会は、講習会(フランスの曲を弾こう)でF・COUPERINをやったので、引き続きで14オルドルと、伯父のL・COUPERINの1曲を。
今年はL・COUPERINをメインに、Louisを見出したCHANBONNIERESを見始めたところです。
その前の年はBYRDをメインに英国繋がりでPURCELLの曲を発表会で弾きました。
定番のBACHとかBARBASTRE、武満徹…色とりどりです。
私は、楽器のしくみには疎く、カプラは自信もってできるけど、4ftは大丈夫か?リュートストップの曲やってみたいと言ったら「あら、あんなのだめよ」と言われちゃいました。ただ弾いているだけです。
斑入り山吹さんたちのように楽器にも精通しているのが理想ですよね。
先生も「愉しみましょう」とおっしゃってるのですが、レッスン前は流石にまじめに練習していきます。
9・10月の講習会、両日とも今のところ予定はないので聴講しようと思っています。
お気をつけていらしてくださいね。
うちのモダンも、うちに来た頃はそのぐらいだったかもです。
師匠の楽器のツメがすごく繊細な感じだったので、それに近づけるべく削りに削って軽くして、今があります。今回、師匠の鍵盤をはかってみて、私の爪は削りすぎて師匠のよりずっと軽くなってしまっていたことがわかりました💦
ところで、fuiriyamabukiさんは、デルリンのプレクトラム、切ったあとは、削らんのでしょうかしらん?私は相当削ります。やたらと切れるナイフを所持しておりまする。
× うちのモダン
〇 うちのヒストリカル
です。