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モロッコ生まれの作家で、フランス語で書かれた話を翻訳した本だ。
『聖なる夜』 が 『砂の子ども』 の続きで、ちゃんと話が閉じる。
あちらのほうには行ったことが無いわたしにとっては、
なんともエキゾチック。
イスラム社会は家父長制で、この話もそこから引き起こされる。
イスラムだから成立する話だとはいえ、全然感情移入できない、ということは絶対ない。
普遍的なものを充分ふくんでいて、心の深いところで起こっていることに、変わりが無いと思わされる。
『砂の子ども』 は主人公が語るのではなく、語り部が聴衆に向かって物語る。
そして、一方的ではない。
そのありようが、読む人の想像力を膨らまさせる。
よい話、というのは、このようなものなのだ、とわたしは思う。
でも、誰にも薦められる話、では無いけれど。
そして本来、よい話、とはそんなものだと思うけれど。
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