浜松市楽器博物館へ行った。その3(弦楽器2など) よりつづく
次はアコーディオンのなかま。 ふっふっふっ、アコーディオンにはそれなりに課金した からね、このジャンルにも興味あるよ。フリーリードの楽器ともいう。
金属製のリードを 蛇腹やふいごや息の気流で振動させて鳴らす楽器だ。それぞれの音に対応するリードが必要で リードの鳴る気流は一方向なので、吸ったり吐いたり/押したり引いたり 等両方向どちらも同じ音の出るタイプは同じ音程のリードが2個必要になる(笙と口琴は両方向で鳴らすことができる)。 片方向だけ鳴るリードの仕組みの分かりやすい例 トンボ楽器製作所ハーモニカ・メンテナンス講座「基礎知識編2」
息で鳴らす笙は起源が古いが、アコーディオンやリードオルガンやハーモニカは19世紀前半の発明。
ふいご師がふいごを動かして気流を作りリードが鳴る レガールオルガン という楽器は15世紀頃に発明されたが、リードの発想がアコーディオン等とは違う。パイプオルガンの一部にリードの鳴るセットを組み込むことは多く見られるが(ヤマハ楽器解体新書 パイプオルガンのしくみ)、そのリードセットのみなのがレガールオルガンだと思うと分かりやすい。レガールオルガンはリードの入った筒が笛型のパイプのようで、それが1本1本据え付けられるイメージ。 レガールオルガンの説明動画 ★ 音程を上下させる調律方法もアコーディオン等と違う。
アコーディオンやいわゆる足踏みオルガンであるところの リードオルガン などは リードがずらりと並んでいるハーモニカが中にいくつも入っているイメージ。こちらの方が省スペースだ。
↑メロフォーン G.A.ペルラン(パリ)1842以後、とキャプションにあった。ギターみたいに胴がくびれていて、ぱっと見フリーリード楽器に思えない。同名の金管楽器もあるけれどそれじゃないよ(それはそれで興味深い楽器だが、寄り道はあきらめる)。
楽器のおしり?にあるレバーを右手で押し引きすることで空気を入れ、金属のネックっぽいところにあるスイッチを左手で操作することで細い針金が動いて蓋が開き、穴に対応するリードが鳴るっぽい。
私家版楽器事典 メロフォン に分かりやすい説明があった。ルクレールという時計やオルゴールを作る職人が作った とある。あれ?ペルランじゃないの?と思ったが、調べたらどちらも作っていた。フィラルモニ・ド・パリ内の音楽博物館 ペルラン メトロポリタン美術館 ルクレール 発明したのはルクレールかなあ。どちらのリンクにも楽器内部の写真がある。どちらもリードは1枚ずつに見えるな。
ルクレールの方にはふいごの写真もある。押しても引いてもリードには空気が同じ向きに流れるようになっているようだ。リードは一つの音程に1枚で済むだろう。
音を出している短い動画 ★ たしかに押し引きで音程や音色が全く同じ音が出ている。
細かい部品が多いうえに空気が漏れないように作られていて精度の高い仕事だ。時計やオルゴールの職人が作ったというのが納得できる。ふいごの棒をよける蛇腹に苦心のあとを感じるよ。細工や仕上げがとても丁寧で 美しい意匠の楽器だ。
↓フルーティナ M.ビュソン(パリ)19世紀中期 この姿ならアコーディオンの仲間って感じがするな。私家版楽器事典 フルーティナ 果物のフルーツじゃなくて笛のフルートをもじった名前で、それは空気の通り道に工夫があってフルートっぽい音にちなんでいる、と ウィキペディア Flutina にもあった。
動画 ★ なるほど、音色にフルートっぽい味が加わっているな。押し引き異音のダイアトニック(全音階)だ。
ダイアトニックアコーディオンなら現在も主にフォークミュージックのジャンルでヨーロッパ各所のダンスの伴奏等に使われている。小型でボタンも少なく、左のボタンも右手のスケールに対応するコードやルート音のみ。 BonPianoさんのOrganettoによるil Sartorello演奏動画 ★
↓アリエッタ (ドイツ)1900年頃 向かって左の箱はボタンアコーディオンとかバンドネオンっぽいんだけれど、右の箱は何?ラジエーターみたいなんだけど ...。 軽く検索かけたけれど分からない。アリエッタという名称は汎用すぎる。
19世紀にはアコーディオンのなかまの楽器はいろいろ発明されました、というキャプション。
これはモンゴルコーナーにあったガルモン↓ ガルモンはロシアのアコーディオンの一種で、バヤンより小さいらしい。左手のベースボタンの配色とか右手のボタンまわりとかロシア/ソ連製のものによく似ている。右手は配色からB配列だと思われる。モンゴル製?
アップ。ロゴはなんと書いてあるのか?
↓これもガルモン。ボタンの数が少ない。ダイアトニック(全音階)だと思う。
↓これらはみなアマンホールというモンゴルの口琴。これもフリーリード楽器です。
アイヌの口琴のムックリなら名前を聞いたことのある人も多かろう。
モンゴルのホブドでのアマンホール(Aman Khuur)演奏の動画 ★
思った以上に世界中に多様な口琴が存在しているようだが、アフリカやオーストラリアにはないらしい。 日本口琴協会代表 直川礼緒『世界の口琴とムックリ』
どこが起源なんだろう? 4000年前のものが中国陝西省の石峁遺跡で見つかった というニュースも数年前にあったっけ。 ロマンだ
浜松市楽器博物館へ行った。その5(打楽器) へつづく
次はアコーディオンのなかま。 ふっふっふっ、アコーディオンにはそれなりに課金した からね、このジャンルにも興味あるよ。フリーリードの楽器ともいう。
金属製のリードを 蛇腹やふいごや息の気流で振動させて鳴らす楽器だ。それぞれの音に対応するリードが必要で リードの鳴る気流は一方向なので、吸ったり吐いたり/押したり引いたり 等両方向どちらも同じ音の出るタイプは同じ音程のリードが2個必要になる(笙と口琴は両方向で鳴らすことができる)。 片方向だけ鳴るリードの仕組みの分かりやすい例 トンボ楽器製作所ハーモニカ・メンテナンス講座「基礎知識編2」
息で鳴らす笙は起源が古いが、アコーディオンやリードオルガンやハーモニカは19世紀前半の発明。
ふいご師がふいごを動かして気流を作りリードが鳴る レガールオルガン という楽器は15世紀頃に発明されたが、リードの発想がアコーディオン等とは違う。パイプオルガンの一部にリードの鳴るセットを組み込むことは多く見られるが(ヤマハ楽器解体新書 パイプオルガンのしくみ)、そのリードセットのみなのがレガールオルガンだと思うと分かりやすい。レガールオルガンはリードの入った筒が笛型のパイプのようで、それが1本1本据え付けられるイメージ。 レガールオルガンの説明動画 ★ 音程を上下させる調律方法もアコーディオン等と違う。
アコーディオンやいわゆる足踏みオルガンであるところの リードオルガン などは リードがずらりと並んでいるハーモニカが中にいくつも入っているイメージ。こちらの方が省スペースだ。
↑メロフォーン G.A.ペルラン(パリ)1842以後、とキャプションにあった。ギターみたいに胴がくびれていて、ぱっと見フリーリード楽器に思えない。同名の金管楽器もあるけれどそれじゃないよ(それはそれで興味深い楽器だが、寄り道はあきらめる)。
楽器のおしり?にあるレバーを右手で押し引きすることで空気を入れ、金属のネックっぽいところにあるスイッチを左手で操作することで細い針金が動いて蓋が開き、穴に対応するリードが鳴るっぽい。
私家版楽器事典 メロフォン に分かりやすい説明があった。ルクレールという時計やオルゴールを作る職人が作った とある。あれ?ペルランじゃないの?と思ったが、調べたらどちらも作っていた。フィラルモニ・ド・パリ内の音楽博物館 ペルラン メトロポリタン美術館 ルクレール 発明したのはルクレールかなあ。どちらのリンクにも楽器内部の写真がある。どちらもリードは1枚ずつに見えるな。
ルクレールの方にはふいごの写真もある。押しても引いてもリードには空気が同じ向きに流れるようになっているようだ。リードは一つの音程に1枚で済むだろう。
音を出している短い動画 ★ たしかに押し引きで音程や音色が全く同じ音が出ている。
細かい部品が多いうえに空気が漏れないように作られていて精度の高い仕事だ。時計やオルゴールの職人が作ったというのが納得できる。ふいごの棒をよける蛇腹に苦心のあとを感じるよ。細工や仕上げがとても丁寧で 美しい意匠の楽器だ。
↓フルーティナ M.ビュソン(パリ)19世紀中期 この姿ならアコーディオンの仲間って感じがするな。私家版楽器事典 フルーティナ 果物のフルーツじゃなくて笛のフルートをもじった名前で、それは空気の通り道に工夫があってフルートっぽい音にちなんでいる、と ウィキペディア Flutina にもあった。
動画 ★ なるほど、音色にフルートっぽい味が加わっているな。押し引き異音のダイアトニック(全音階)だ。
ダイアトニックアコーディオンなら現在も主にフォークミュージックのジャンルでヨーロッパ各所のダンスの伴奏等に使われている。小型でボタンも少なく、左のボタンも右手のスケールに対応するコードやルート音のみ。 BonPianoさんのOrganettoによるil Sartorello演奏動画 ★
↓アリエッタ (ドイツ)1900年頃 向かって左の箱はボタンアコーディオンとかバンドネオンっぽいんだけれど、右の箱は何?ラジエーターみたいなんだけど ...。 軽く検索かけたけれど分からない。アリエッタという名称は汎用すぎる。
19世紀にはアコーディオンのなかまの楽器はいろいろ発明されました、というキャプション。
これはモンゴルコーナーにあったガルモン↓ ガルモンはロシアのアコーディオンの一種で、バヤンより小さいらしい。左手のベースボタンの配色とか右手のボタンまわりとかロシア/ソ連製のものによく似ている。右手は配色からB配列だと思われる。モンゴル製?
アップ。ロゴはなんと書いてあるのか?
↓これもガルモン。ボタンの数が少ない。ダイアトニック(全音階)だと思う。
↓これらはみなアマンホールというモンゴルの口琴。これもフリーリード楽器です。
アイヌの口琴のムックリなら名前を聞いたことのある人も多かろう。
モンゴルのホブドでのアマンホール(Aman Khuur)演奏の動画 ★
思った以上に世界中に多様な口琴が存在しているようだが、アフリカやオーストラリアにはないらしい。 日本口琴協会代表 直川礼緒『世界の口琴とムックリ』
どこが起源なんだろう? 4000年前のものが中国陝西省の石峁遺跡で見つかった というニュースも数年前にあったっけ。 ロマンだ
浜松市楽器博物館へ行った。その5(打楽器) へつづく
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