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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
売買契約のような契約の解除権と未成年者の法定代理人による取消権。一見効果は同じ様なものにみられますが、結論が大きく異なることがあり、それを事実上未成年者の単独での法律行為を行わせない結果に繋がってきます。どういう事か?
- 民法第121条
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取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
この規定は取消による効果を定めてある条文です。肝となる部分は下線が引いてあるところで「現に利益を受けている限度」は「現存利益」とも呼んだりします。
どういう意味か?
前 回の例を用いると未成年者が口紅を消費していた部分1割程度は、原状回復が不可能つまり消費して無くなってしまった部分です。逆に言えば残っているのは残 り9割となります。この原状回復不可能な部分から残っている9割=これが現存利益に当たります。この条文はこの残り9割を返せばいいと定めてあります。逆 に言えば消費した1割に対しては返還義務を負わない、賠償義務が無いという事です。そして相手方はもちろん対価の全部を返還することになります。
つ まり、相手方からすれば全額お金を返した上に商品が一割減ったものが返ってくる、即ち大損する結果となってしまいます。こうなると相手方からすれば未成年 者と取引することは危なくってできない結果となります。だから経験があるかとは思いますが、自分が未成年者であった時代には書類に何か書くとき(契約書的 なもの)には必ず保護者の署名捺印まで書いてもらっていたことを経験されていると思います。
次回に続きます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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